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UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、自律的成長と経済政策:経済システムの崩壊が必要」を挙げる。
<「不安定化する現象」は一時的に過ぎない> 「経済活動と広義のマネーサプライの間にはそれなりに安定した関係がある」と語る。金融自由化や金融技術革新の過程では通貨需要関数が一時的に不安定化する現象がみ られたが、こうした構造的なショックは永続せず、「マネーサプライと経済活動の 相関関係は依然として大きく崩れてはいない」。代表的なマネーサプライ指標であるM2+CDの流通速度が安定的な下方トレンドを示していることからも、こうした広義マネーと実体経済の安定的な関係が示唆される、と言う。
<経済政策の有効性を語る場合の「基準」とは?> 本来、経済政策の有効性を語る場合には、「政策措置が広義マネーサプライの『持続的な増加』をどの程度もたらすか」といった基準に基づくべきである」と言う。ここで 、広義マネーサプライの増加要因(企業や家計といったマネー保有主体の資金余剰が拡大する要因)は、恒等関係により、4つある。すなわち、@経常黒字拡大、A財政赤字拡大、B銀行貸出拡大、C広義マネー対象外資産からの資金シフト拡大、である。これ以外の要因で広義マネーが増加することはない。例えば、個人による消費活動は 、基本的に、企業と個人の間のマネーの移転に過ぎない。個人が預金を取り崩して消費を行った場合、個人マネーが減少し、企業マネーが増加するだけのことである。企業が個人に商品を売却して所得を得た場合、企業マネーは増加するが、 個人マネーは減少する。
<政府にとっての政策手段は3つ> 広義マネーと経済活動の間に安定的な関係が存在する場合、「政府にとっての政策手段は3つになる」と言う。M2+CDへの資金シフトは金融システムに対する不安感やデフレ期待に左右されるため、政策目標になり得ず、従って、これに関する政策 手段を議論することに意味はない。すなわち、@円安政策(経常黒字拡大)、 A財政刺激策(財政赤字拡大)、B銀行貸出促進策、である。このうち、@とA を同時に採用することは可能ではない。なぜなら、円安政策が通貨切り下げ策と ならない限り、緊縮的な財政政策運営が要求されるからである。従って、政府に とっての政策手段は、@、A、Bのいずれか1つ、あるいは、@ないしAとBの組み合わせ、ということになる。円安政策を採るか、財政刺激策を採るか、あるいは、そのいずれかと銀行貸出促進策を組み合わせるか、である。