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(回答先: 1月の完全失業率、0.2ポイント上昇の5.5% [日本経済新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 28 日 10:44:33)
東京 2月28日(ブルームバーグ):総務省が28日発表した1月の完全失業率(季節調整値)は5.5%と、前月(改定値)から0.2ポイント上昇し、昨年 10月などと並び過去最悪水準となった。特に女性は0.3ポイント上昇の5.5%と最悪を更新した。冬ボーナスの大幅減など賃金・雇用情勢が厳しいなか、家計補助のため女性が仕事を求めて新たに労働市場に参入したものの、思うように就業できない姿が浮かび上がる。男性も5.6%と前月から0.1ポイント上昇した。
雇用情勢について、竹中平蔵経済財政・金融担当相は同日午前の閣議後会見で、「雇用情勢は大変、厳しい状況が続いている」と指摘した。厚生労働省も、雇用情勢は依然として厳しく、一進一退との見方を示した。
1月の失業率の上昇について、厚生労働省は、1)女性の失業率が自発的離職者の増加で上昇した、2)男性の35−44歳、55−65歳でリストラ、倒産など勤め先の都合や定年による「非自発的離職者」が増えた−−ことが影響したと説明した。
女性は、企業の将来に懸念を抱くなどして自発的に離職する人も増えた一方、厳しい賃金・雇用情勢下で家計を助けるために求職活動を始め、労働市場に参入した人も増えたとみられる。
女性で「新たに収入が必要」だとして求職した人は28万人で、前年同月に比べ6万人増えている。また、家計を支えていることが多い世帯主の失業者は前年に比べ6万人増え104万人と、過去3番目に高い水準となった。失業率も4.0%と前年同月に比べ上昇した。世帯主の収入ダウンを配偶者が支えようとする姿が見える。
今回、失業率は季節調整指数の改定に伴い、過去にさかのぼって再計算された。そのため、5.5%と過去最高となっていた2002年12月は5.3%に改定された。
ブルームバーグが民間調査機関36社を対象に事前に行った調査でも、1月の完全失業率は5.5%が見込まれていた。
潜在的失業者も加算すると8%超との見方も
第一生命経済研究所の川崎真一郎エコノミストは、「雇用の実態は失業率に現れている以上に悪い」とみる。同氏は、厳しい環境の中で就職活動をあきらめ労働市場から退出し、非労働力化する動きが失業率を押し下げる要因となっているほか、正社員が減り、コストの安いパート雇用への代替が進んでいると指摘する。パート・アルバイト、契約社員、派遣社員など「非正規の職員・従業員」が役員を除く雇用者に占める割合は増えており、昨年10-12月で30.5%に達している。
川崎氏は、こうしたパート・アルバイト、契約・派遣社員などの雇用吸収力も低下しているほか、1年以上の失業状態にある「長期失業者」も増えていると指摘。同氏によると、生産性などから試算すると、実質的な余剰人員である「社内失業者」は193万人と、失業率を約3%ポイント押し上げる規模になるという。潜在的な失業者も入れると失業率は8%を超えてしまう。同氏は「企業が縮小均衡路線を選択していることは明白であり、循環的な景気後退が進めば、失業の増大は避けられない」とし、2003年度の失業率は6.1%を見込む。
BNPパリバ証券の加藤あずさ・ジュニアエコノミストは、「デフレが実質雇用コストを高止まりさせているため、企業は名目賃金の削減と雇用の抑制を続けざるを得ない」と指摘し、雇用情勢は03年度も一層悪化すると予想する。ただ、失業率の数字としては、高齢化と「職探しをあきらめる人」の増加によって上昇が抑制される可能性がある、という。
失業数が3カ月ぶり増加
1月の完全失業者数は前年同月に比べ13万人増の357万人となった。増加は3カ月ぶり。一方、就業者数は同64万人減の6203万人と22カ月連続で減少した。企業などに雇われている雇用者は5289万人で、同14万人減少。自営業主・家族従業者も同45万人減った。
就業者数を業種別にみると、「卸売・小売業」が1105万人と前年比64万人の大幅減少となったほか、「製造業」が1185万人と同25万人減、「飲食店、宿泊業」が335万人と同20万人減少した。一方、「医療、福祉」は468万人と同6万人増加、「サービス業」も849万人と同2万人増加。「建設業」は同27万人増の616万人、「運輸業」は同7万人増の616万人となった。「農林業」は横ばいの224万人だった。
内閣府は、2月の月例経済報告で雇用情勢について、「依然として厳しい。求人が増加傾向にあるものの、完全失業率が高水準で推移し、賃金も弱い動きが続いている」との判断を示した。政府経済見通しでは、02年度の完全失業率は 5.4%と、01年度の5.2%から上昇し、03年度は5.6%とさらに悪化を見込んでいる。
有効求人倍率は改善
厚生労働省が同時に発表した1月の有効求人倍率(季節調整済み)は前月(改定値)から0.01ポイント上昇(改善)し0.60倍となった。改善は5カ月連続。
川崎氏は、「新規求人数も前月比1.2%増加したものの、ミスマッチの要因もあり、労働需給の改善に寄与するほどの力強さは感じられない」と指摘。さらに、生産の動きなど景気循環も弱いため、求人の改善傾向にも終止符が打たれる日が近いと思われるとコメントした。
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