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(回答先: [金融コンフィデンシャル] 平蔵、メガバンク国有化追い込み断念? 投稿者 M 日時 2003 年 2 月 27 日 19:26:57)
大手銀行の昨年9月末の自己資本比率が、「資本の水増し」と批判される税効果資本を除くと、国際業務行の健全性基準の8%を下回る5.5%に転落するとの試算が明らかになった。衝撃的なのは、試算したのが監督官庁の金融庁だということ。巨額増資で国有化回避を急ぐメガバンクに対し、竹中平蔵金融・経済財政担当相のハードランディング路線がいよいよキバをむいてきた。
26日の自民党緊急金融システム安定化対策本部の会合で金融庁が明らかにしたもので、大手銀行の昨年9月末の自己資本比率は10.6%だが、実は税効果会計分を差し引くと、一気に約半分の5.5%に低下してしまうというのだ。
国内業務の健全性基準である4%こそ上回るものの、国際業務行としては失格の烙印(らくいん)を押されてしまう決定的な数字だ。
税効果会計は、銀行の融資先が倒産した場合、貸倒引当金を積んだ際に支払った税金が戻ってくることを見込んで、あらかじめ「繰り延べ税金資産」と同額を自己資本に算入できる仕組みだが、「実態以上に自己資本がかさ上げされている」と指摘されてきた。
中核的自己資本に占める税効果資本の割合は、みずほホールディングス、三井住友フィナンシャルグループ、UFJホールディングスで50%を上回り、三菱東京フィナンシャル・グループでも約35%に達する。
これがただの試算で済まないのが、数字を出したのが金融庁であること、そして実際に税効果会計の見直しが濃厚であるからだ。
日銀OBの木村剛氏もメンバー入りしている金融審議会の作業部会では、税効果資本の算入を米国並みの中核的自己資本の10%までとする案が有力とみられる。実際に、三菱東京を除いて8%割れすると指摘されているのだ。
つまり、「5.5%」の試算は、金融庁のメガバンクに対する事実上の最後通告といっても過言ではないのだ。
これまで銀行を守ってきた金融庁が、竹中氏就任後、手のひらを返すように実態をさらけ出したのはこれが初めてではない。
昨年11月には金融庁が過去の銀行検査の際、大手銀行の自己査定が大甘で、当局の査定とかけ離れていたことを暴露した。
資産査定の厳格化により、引当金の積み増しを迫られたメガバンクが自己資本強化のため編み出したのが、グループ再編などの奇策、そして最後のカードが巨額増資だった。
しかし竹中氏は早速、取引先に融資の引き上げを示唆しながら出資を迫る「出資強制」や、融資の見返りとして出資を求めたりする「見せかけ増資」を禁止するガイドラインを作り、不適切な増資には業務改善命令を出すと恫喝した。
さらに今年3月末の決算でも、監査法人に対し、会計検査で現行の会計基準を厳密に適用することを求めるほどの念の入れようだ。
株安による含み損は増大する一方で、3月末を乗り切ったとしても、来期以降も、銀行の逃げ道はどこにもない。
こうしてみると、竹中氏の狙い通りにコトが運んでいるようだ。「大きすぎてつぶせないということはない」という竹中氏の“失言”は、実は“予言”だったのか。