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(回答先: 三洋電株に資本不足の壁――日経金融スクランブル 投稿者 Ddog 日時 2003 年 2 月 26 日 00:01:41)
ソニー抜けぬキヤノンの弱さ――日経金融スクランブル
24日の東京株式市場では、さえない展開が続いていたハイテク株が総じて堅調な動きとなった。厚生年金基金の代行部分返上に伴う換金売りなどに押されがちだったキヤノン株も前週末比1.4%高と反発した。「極めて割安に放置されている」(外国証券の精密アナリスト)といわれ続けながら、本格的に出直る気配を見せないキヤノン株は日本株全体をある意味で象徴している。
キヤノンの時価総額は現在、約3兆8000億円。広い意味での「電機」で首位ソニー(同約4兆2000億円)に過去何度も肉薄したが、逆転したことはない。発行済み株式数がソニー9億2500万株に対し、キヤノンは8億7700万株で単純比較はできないが、御手洗冨士夫社長も「株価でソニーを抜いてみたい」と対抗意識を隠さない。
キヤノンは2002年12月期にソニー(2003年3月期予想で1800億円)を上回る連結純利益1907億円を上げた。「暫定」だが、エレクトロニクス業界では利益首位。売上高営業利益率や株主資本利益率、株主資本比率など収益性、健全性の多くの指標で、ソニーをすでに凌駕(りょうが)する実績を残している。
それでも連結株価収益率(PER)は18倍台。24日終値時点でソニーの23.5倍と比べるとまだ低い水準だ。「控えめに見てもPER30倍はあってもよいのでは」というキヤノン経営陣の思いとのギャップは、同社が最高益を更新し続ける過程で逆に広がってしまった。なぜキヤノンはソニーに「勝てない」のか。
キヤノンには「成長」よりも「安定」という評価が定着している。いったん事務機を売った後も粗利益率が40―50%と言われる高採算の消耗品で長期にわたって収益を上げるというビジネスモデルがその背景にある。年間200億円を超える安定した特許収入が入ってくる。2000億円強の研究開発費をかけて200億円のリターンを得る同社の研究開発部門は年利10%の収益マシーンと呼んでおかしくない。一方で、2003年12月期に前期と同じく5円増配する想定で株式配当利回りをはじくと0.81%で長期金利並みの水準でしかない。
知名度、ブランド力でソニーに水をあけられているという事実も影響しているようだ。東京海上アセットマネジメント投信の後藤伸樹運用第一部長は「なんだかんだ言っても、ソニーは日本企業の希望の星」という。一方のキヤノンは最近、専門部署をつくって「Canon」ブランドの管理に乗り出したばかり。「個人を相手にした商品の場合、消費者は自分でブランドを選ぶ。事務機を置いていないオフィスはないが、メーカーなど気にしない」――御手洗氏自身がこう分析する。
大和住銀投信投資顧問の窪田真之ファンドマネージャーは「低位株物色から優良株に乗り換えるタイミングがカギ」と見ている。多くの機関投資家の間で「キヤノンもソニーもPER25倍程度が適当」(メリルリンチ・インベストメント・マネジャーズ日本株式運用チームの済田賢氏)というコンセンサスはできつつある。
キヤノン株が買い直される時期はそう遠くないという声はあちらこちらで聞かれる。
その際にライバルになるのは自動車株だろう。トヨタ自動車11.4倍、ホンダ9.9倍、日産自動車8.5倍。日本の大手自動車会社のPERは極めて低水準だ。「為替相場の影響もあろうが、ハイテク株より先に自動車に資金が向かう可能性は大きい」という見方は少なくない。
今や「優良企業」の代名詞のように言われるキヤノンが時価総額でソニーを超えるのを阻むとすれば業績とかではなく、自動車株に物色の矛先が向かってしまうことかも知れない。(馬場完治)