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(回答先: 徹底した金融緩和政策が必要=武藤財務次官 [東京 6日 ロイター] 投稿者 招き猫 日時 2003 年 2 月 24 日 22:23:11)
高校の社会科で習う金融緩和というのは、中央銀行が公定歩合を下げると市中銀行(古い言い方ですが)が貸出金利を下げるので借入しやすくなって設備投資が増える。それによって産業が刺激されて雇用も増え、消費も増えるので景気がよくなるといった内容だったと思います。
しかし今までのゼロ金利が続いていても設備投資が増えてないし雇用も増えていない。預金も金庫代わりですが、産業も低迷しているから素人が預金代わりに安定した株を買おうとしても株価が下がる可能性がある。(もちろん大型シンジケートやトレーダーはうまくやれるのですが)そうなればタンス預金の方がよいからより貨幣は退蔵されるでしょう。
また今のゼロ金利は銀行の預金金利の支払い負担を減らして、銀行を保護しつつBSI規制に耐えうる内容に体質改善するのに手を貸している感があります。ですから企業や消費者が借りやすくはなっていないので、設備投資は増えにくいでしょうし、むしろ貸しはがしといった現象も起こっています。
設備投資といいますが、産業空洞化したような業界において設備投資は起こりえないし、消費者もバブルとその後の不況を経験して無意味な消費は行わない傾向にあるのは事実です。これは買い控えではなく、今後恒久的に続く傾向であると思われます。つまり産業構造にあわせて消費者の性向も変化してしまった。今は買えないのではなくて、買いたいものがないのです。日本は不況とはいえ、貧困層が極度に少なく、世界的に見ると耐久消費財の普及などでは平均値では世界で一番といえるレベルなので、景気を牽引する耐久消費財はに買い替え以外の需要はすくない。日本は世界的にも庶民がお金持ちの国であり、そのような国でのデフレということは、買いたいものを供給できていないことに問題があるように思えます。現に有機農法の野菜や米は安くはないが、よく売れているし、消費者も価格破壊を経験して以後は安かろう悪かろうの商品を見抜く目が出来ている。
金融をいじって景気回復をしようなどと言うのは、あんちょこ過ぎるのではないかと思います。それなら公共事業が必要ですが、すでに道路もハコモノも行き届いており(無駄なものが多いわけではあるが)あとは修繕だけ。そうなれば政府でなければ出来ない経済政策とは、日本の能力を生かした省エネルギーで脱石油を想定した技術開発を推進するのと、インターネットブロードバンドを全国に普及させやすくする規制緩和とそれを推進する予算を組むことではないでしょうか。
第三次オイルショックが危惧されています。また東京では東電の原発が停まっている為に問う京大停電も起こりうる。このような状況を参考にして今後を考えると、よりエネルギー効率のよいソーラーパネルの開発やメンテの方法を考え、発電所が集中的に電力を供給するような現在のスタイルから、各家庭で出来るだけの発電で電力をまかなって、最小限電力を購入するなどのモデルを構築すべき。そうなれば地球環境を悪くした石油依存も減らせて災害時の電力供給の停止などの被害も小さく出来る。また光ファイバーによるブロードバンドであれば僻地との通信も不便はないし、災害時に局所の通信網が破壊されても、大容量の光での通信だから他のルートに迂回しても通信網に負担は小さい。
またゴミを減らす素材の開発やリサイクルの方法の確立も必要だし、今の時代ならば付加価値がつきます。
上記のような技術開発に助成金をつけたり、公共事業にしても道路を作るよりも安価であり、またそのような産業振興で雇用も増えるしそれを利用した新しいスタイルの産業も構築できる。第一上記のようなものは今の消費者が買いたくても、適当な供給がないために買いにくいものではないでしょうか。
当然政府もそのようなことを考えてはいるだろうが、今の問題は官僚と族議員によるタテ割り行政と利権争いが規制緩和を阻害している。しかし「族議員」とか「天下り」というのがこれだけ叩かれるようになれば、それほど長くは続けられまい。