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(回答先: Re: “良心的”な経済学者もいるので... 投稿者 悪徳商人 日時 2003 年 2 月 21 日 03:03:26)
悪徳商人さん、こんにちわ。
>今の日本の偽らざる姿というのは、国富の大部分を無駄な投資によって失ってしまっ
>ていて、それを国家の信用という幻想によってかろうじて維持しているように見せか
>けているというところではないでしょうか。
この解釈に異論はありません。
バブルの形成と崩壊が現在に至る経済的苦境の事象的原因であり、それから生じた不良債権=銀行過剰債務が引き起こした民間信用収縮(=需要減)を通貨発行権を持つ政府が国債(赤字財政支出=需要増)によってなんとか補ってきたのが日本のここ十数年です。
>今の国債の大量発行が、日本の経済をゆがめているのは間違いないでしょう。
合理的な政策ではありませんが、大量の国債発行が日本経済を歪めながらも崩壊的縮小防止に資したことは間違いありません、
しかし、合理的な政策ではないので、刹那を湖塗しているだけであって、途方もない崩壊マグマを内に溜め込んでいるのも間違いありません。
>少なくとも、個人投資家を株式市場に呼び込むとか、個人消費を拡大させるとか言う
>話はまったくのとんちんかんな議論でしかないとおもわれます。いまの一般的な日本
>人が、貯蓄をやめて消費するなり、株式投資を大幅に増やしたとすれば、金融機関は
>その貯金な払い戻しのために国債なり株式なりを売却しなくてはならないだろうし、
>そうなれば金利上昇、国債下落でしょう。
銀行が債券や株式を売却しても金利上昇や国債下落は起きないと考えています。
そのような危機が生じれば、政府・日銀が、通貨発行権をフルに動員して買い取りを行うからです。(現在の国債消化自体がそのような状況になっています)
銀行も、収益につながると判断できる貸し出しが縮小し預貸率も下がっているくらいですから、70年代の預貸率になるくらいの預金減少(払い戻し)は支払い利息の減少になるので歓迎でしょう。
預金を取り崩しての個人消費の拡大は、“蛸足”と同じですから、長期的な経済拡大にはまったく意味がありません。
公言はしていませんが、日本は、経済政策的には国家社会主義になっていると言えます。(国債サイクルの維持方法や産業再生法などはその典型です)
>つまるところ、債券、株式市場をファイナンスするだけの国富がもう失われているわ
>けで、最終的な解決手段としては、国民の生活水準を大幅に切り下げることしかない
>のではないでしょうか。
政府の通貨発行権を駆使した国債発行を続けても、ハイパーインフレが起きずになんとか経済活動が維持できていることからわかるように、(貨幣的評価としての)国富が失われたからと言っても、フローである経済活動が大幅縮小しなければならないものではありません。
とりわけ、既発の債券や株式の価格が下がったからといっても、悲観的になる必要はありません。
新規発行時点で企業や公的部門に渡った通貨は、供給活動への投資や需要として経済活動に使われています。
既発の債券や株式の価格が下がったとしても、それを保有している人が損失をこうむったり、その人に貸し出しや与信をしていた人が不良債権を抱えるというだけでの話です。
国富の主要構成要素である土地の価格にしても、本来的には、それが下落したからといって経済活動に支障が出るわけではありません。
これも、土地を高く売りたいと思っていた人の夢が実現できないだけやそれを担保に貸し出しをしていた人が不良債権を抱えるだけの話です。
土地は、それを利用して事業(供給活動)を行うことで初めて経済的価値が生じます。
土地を持っている人が少なく、事業を行うに当たって土地を確保しなければならない人が多いのなら、地価が安いほうがスムーズに事業活動を行い収益も確保することができるものです。
国富(ストック)は、経済活動(フロー)によって支えられるものであり、その逆ではないという認識が重要です。