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(回答先: 須田慎一郎氏:「税効果会計」、カサ上げ効果はいつまで… 金融審議会で見直しも検討 [株ZAKZAK] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 17 日 17:46:11)
銀行が自力増資で経営の健全性を高めようと必死の努力を積み重ねるなか、竹中平蔵経済財政・金融担当相が銀行経営の手綱を引き締めようとしている。金融庁が、これまで銀行の試算だけで算出されていた自己資本比率に対して、監査法人によるチェックを加える方針を固めたのだ。繰り延べ税金資産の計上をめぐる問題などから、「水増しされている」との批判が多い自己資本比率にもメスが入ることで、銀行は増資を終えた後も、新たな試練にさらされることになる。
金融庁は銀行法の施行規則を改正して、平成15年3月期決算から、自己資本比率を監査法人によるチェックの対象とする。自己資本比率とは、銀行が保有している債権や株式など、貸し倒れや値下がりで損失が生じる可能性がある資産に対して、資本金や剰余金などの返済する必要がない資金がどのぐらいあるかを示した指標。銀行の財務諸表には掲載されておらず、これまで監査法人が数値の妥当性を点検することはなかった。
自己資本には、支払った税金が将来、返還されることを見込んで自己資本に算入している、繰り延べ税金資産が含まれている。しかし、繰り延べ税金資産は、銀行が赤字経営を続けていれば、実際には銀行に返還されない資産であり、「繰り延べ税金資産により、銀行が発表する自己資本は水増しされている」との批判も多い。
銀行経営に対して監視の目を強める金融庁。銀行は大規模増資を達成しても、気を休めるひまはない
この問題に対して、日本公認会計士は異例の「会長通牒」を出して、繰り延べ税金資産の厳格な査定を行うよう監査法人に求める方針。金融庁はさらに自己資本比率の値にも監査法人のチェックを入れて、二重三重に銀行の経営状態の透明化を図る考えだ。
現在、銀行は自己資本の積み増しに決死の覚悟で取り組んでいる。三井住友フィナンシャルグループは米証券大手のゴールドマン・サックスから1500億の出資を受けることに加え、さらに1500億−3000億円の出資を、国内外の機関投資家に求める方針。みずほホールディングスも、華々しく打ち上げた1兆円増資に向け、第一生命保険などの親密生命保険会社や主要な取引先などと交渉している。
UFJホールディングス、三菱東京フィナンシャル・グループ、りそなホールディングスも数千億規模の増資を行う見通しで、大手銀5グループの増資額は合計2兆800億−1800億円。これは約7兆5000億円の公的資金が投入された11年3月期に、各大手銀行が自力で集めた2兆1500億円と同じレベルで、「当時と同じレベルの危機感がある」(金融アナリスト)とみられている。
不良債権の新規発生、株価の下落、公的資金に対して払う金利の上昇など、銀行経営を圧迫する逆風は、ますます勢いを増している。「外資は嫌だ、などと言っている場合ではない」(大手銀幹部)状況にあるのは確実で、公的資金投入−国有化というシナリオを回避するには、是が非でも15年3月期決算までに増資を達成しなければならない。
ただ、金融庁は特別検査により資産査定を厳格化し、自己資本比率の水増しにもメスを入れるなど、銀行に対する監視を強めている。再び銀行の健全性への信頼が落ち込めば、さらなる増資に向けた準備をすぐにでも始めなければならず、銀行復活までの道のりには、まだまだ暗いトンネルが続いているようだ。