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(回答先: 政府ができることやるべきことの提言について 投稿者 アメリカ蟻 日時 2003 年 2 月 08 日 11:04:01)
アメリカ蟻さん、こんにちわ。
レスありがとうございます。
>● 税制政策:「中低所得者減税」とその減税金額に対応した「高所得者増税」
> 所得税を引上げ(最高税率30%→50%に引上げ)
> 消費税の時限的減税
最高税率というか累進税率強化については、「中低所得者減税」を3兆円ほど実現するのに見合うものを考えています。
消費税は、非加工食品(食糧)の0%税率や内税化を実現した上で現状の5%を継続してもいいと思っています。デフレ不況を解消するためであれば、所得税や法人税など直接税に上乗せして、消費税を廃止するほうが効果的です。
(消費税の次元的減税は、赤字財政支出と同じで、外需の一時的な落ち込みには効果的ですが、先に外需が拡大する見通しがないなかでは、元に戻した時点で反動デフレ圧力が加わることになるので反対です)
>● 税制政策:企業に賃上げを誘導する法人税の導入(暫定措置)
> 特別ボーナス減税(給料を多く支払ったことを申請すれば
> その分だけ法人税が安くなるとか?
財務省官僚を自称する方とこのサイトで論議したこともあるテーマなのですが、給与引き上げがデフレ不況の解消のポイントだということが大企業の経営者に理解できないようなので、「前年以上に人件費を多く支払ったら、その増加分の半分を経費(損金)としてダブルで認める」という誘導(毛針)をしようというものです。
このようなことができたりメリットがあるのは利益を上げている企業だけですから、優良企業の“余剰資金”を消費に回す効果があると思っています。
「暫定措置」としたのは、歪な税制ではあるわけですから、経営者などに経済論理が理解されたら廃止すべきだと考えているからです。
>● 金融政策:公的資金による返済不要の増資による銀行の“実質的”国有化
> 今の政府に出来ますかね?外資も納得しないのでは?
銀行の不良債権が「デフレ不況」の一つの要因であることは内外の共通認識です。
旧長銀や旧日債銀をはじめ既に国有化された銀行はあります。
昨年秋から始まった「竹中プロジェクト」も一時国有化政策です。
そのあとの処理をどうするかを別とすれば、国有化自体は、銀行及び銀行株保有者を除けば、それほど抵抗はないはずです。
>● 財政政策:財政支出目的の優先度を公共事業から人的活動力への対価支払いに徐々に移行
>特殊法人からNPOなどに直接政府が投資するんですか?
NPOやNGOは利益や政府から独立しているほうが好ましい存在のはずですから、それらに政府が支出することには反対です。
民間企業が商売として行うメリットはないが、国民が長期的に快適に安心して生活できるためにはあったほうがいい事業に財政支出を振り向けようというものです。
例えば、林業が採算が合わないとしても杉やヒノキの林を手入れしたり、材木伐採が目的ではないのなら広葉樹林に植え替えるなどに、人的活動力(財政支出)を振り向けます。(杉花粉抑制や山林の保水機能を高めます)
掛け声とは違っていい加減に行われていると言われるリサイクルも、採算ではないベースできちんと行います。
使われない“箱物”に支出されているお金を、救急医療体制・介護・託児などに回したほうが、現在では経済効果も高くなります。
(原材料など輸入財に支払われるお金が人々の所得に回るからです。かつてのように、公共事業が鉄鋼や機械などの生産性上昇に貢献し、それが輸出拡大にむすびつく場合は、まさに乗数効果が現実のものになります。供給>需要のデフレ下や輸出拡大が期待できない現状では、乗数効果が働きません)
公共事業も、利用度が低い公共施設ではなく、生活環境を改善するものに切り替えていく必要があります。(好立地に公的住宅を供給する政策も、住環境格差是正のためには必要だと思っています)
>● 産業政策:企業に対して、日本向け製品を外国で生産して持ち込むこと抑制する
>ようお願いする。
>税制などで圧力をかけるの?
日本企業が日本向け製品を外国で生産することの抑制は、論理的説明と国民の購買行動で実現すべきだと思っています。
(首相には、土下座をしてでもお願いして欲しいとは思っていますが...)
貨幣経済の根源論理は供給=需要ですから、供給活動を外に移転して需要だけを内に求めても無理な話です。
この論理をきちんと説明し、国民も、国内向け財の生産を国内で生産しているメーカーのものを意識的に買うようにすれば、利益を重視する企業は、これまでの行動を少しは是正するでしょう。
>短期的経済政策は?中長期的経済政策については?
短期は、「デフレ不況」から脱却することにつきます。
固定資本比率が高いなかでのデフレは、企業経営にとって過酷なものです。
(たいていの場合そうですが、固定資本が債務でまかなわれていれば、債務の過重化と固定資本の過重化がダブルで企業を襲います)
デフレとは、お金をいったん物や活動力に変えて生み出したものを販売してより多くのお金を回収するという事業を“アホらしいこと”にしてしまうものです。
(物の価格が下がっていくのですから、生産性が上昇し販売数量も伸びるという状況ではない限り、お金をお金のまま保有しているが得ということになります)
「中長期的経済政策」は、“近代経済システム”をどうするのかという根源的な問題になると考えているので保留させてもらいます。
>日本が目指す新産業構造とは?
>フリーター問題は?
>持続的な賃金上昇体系を構築していくには?
フリーターは、自由時間の融通がつけやすいということだけではなく、固定的な職業や固定的な会社関係に縛られたくないという意識も働いてそれを選択していると思っています。
フリーターには甘えやわがままという面もあるのでしょうが、技術の変化は職業の固定化を不要にする方向にも動いているので、固定的な職業や固定的な会社関係に縛られたくないという労働環境はつくれると思っています。
自由時間の確保も、デフレが供給>需要で生じるものであり、人々が財に対する根源的枯渇感を持っていないのなら、労働時間を大幅に短縮することが可能だということです。
労働時間が短縮されれば供給は減少するわけですから、給与が据え置かれれば、供給>需要のギャップは縮小することになります。
このような政策を採ればコストアップで国際競争力は低下するわけですから、国際交易(貿易)をどう考えるかという問題が浮かび上がります。
(他の国では生産できないものを作り続け、生産性も外国以上のペースで上昇させれば、この問題は解決できますが...)