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「"潜在成長大国"日本復活の予兆」榊原英資・慶大教授とDdogの意見
投稿者 Ddog 日時 2003 年 2 月 05 日 01:24:47:

(回答先: 株式日記と経済展望:徳川吉宗の「享保の改革」と小泉首相の「構造改革」 デフレがまさしく貨幣的現象であることを示している 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 04 日 18:37:37)

やっと、野口旭氏の第二回経済を切るが更新されましたか!第一回の「人々はなぜデフレを好むか」http://www.hotwired.co.jp/altbiz/noguchi/021106/のインフレとデフレの考察は、だいぶ感化された。
待望の2回目は、さすがTORAさん(たぶんTORAさん主筆HPであろう、株日記を毎日愛読しています。)の投稿は早かったですね。
あっしらさんの批判と、久々にプリントアウトしてじっくり読みました。

あっしらさんが主張するように、榊原教授の主張を野口氏は少々誤解している可能性がある。榊原教授は金融政策だけでは、デフレは終息しないと確かに見抜いています。中国の成長をどこまで世界が容認するか、ある種政治問題であると、公言しないがそこまで見抜いているはずです。そして、国内に需要を喚起するような投資機会を作る必要性も説いております。

11/26に榊原英資氏の記事を投稿していたと思ったら例の阿修羅空白の20日間で投稿していませんでした。以下記事を再投稿します。最後に少々この記事を素に、自説を投稿します。

エコノミスト「"潜在成長大国"日本復活の予兆」榊原英資・慶大教授
QZ 0562 : 2002/11/26火曜日12:15

QUICKエコノミスト情報VOL.70 「11月のエコノミスト情報T」 2002/11/26

米経済減速による輸出減少や不良債権処理の加速で強まるデフレ圧力などを背景に、景気失速懸念が広がっている。デフレ長期化不可避との見通しが大勢で、「米経済回復が前提の経済政策の枠組みを再考せざるを得ない」との意見もある。日本経済の抱える問題と適切な政策は何か。そこで、エコノミストとは別視点から複数の有識者に現状と展望を伺った。今回は、榊原英資・慶応義塾大学教授・前財務官です。

「"潜在成長大国"日本復活の予兆:規制緩和で収益見込める投資環境を」

榊原英資・慶応義塾大学教授 グローバルセキュリティリサーチセンターディレクター・前財務官

【問】世界経済の現況をどう見ますか。

【答】世界の経済構造が大きく変化している。変化の一つは、IT、バイオ、ナノテクなど様々な分野での技術革新が、極めて速いテンポで進んでいること、もう一つはグローバリゼーションが拡大し、中、印、露、東欧などが、再び世界経済に参入してきたこと だ。中でも、世界人口の約4割を占める中印両国の世界経済への本格参入は、19世紀末の米、豪などの参入に匹敵するほどの強いインパクトを持つ。

技術革新とグローバリゼーションは、構造的に生産コストを低下させ、供給面から強 いデフレプレッシャーを作り出し、経済に変容を迫る。これは、おそらく100年ないし200年に1度の構造変化であり、そうした変化に直面する世界経済は、まさに歴史的転換期にある。

【問】21世紀はデフレの時代でしょうか。

【答】20世紀はインフレの時代だったが、21世紀はデフレの時代になる。日本だけがデフレなのではない。欧州もそうだし、米国が90年代後半の株バブル時にハイパーインフレにならなかったのも、デフレ的要因が強かったからだ。今、米国はバブルが弾ける過程でデフレ構造に組み込まれてきている。

デフレの時代は50年、100年は続くだろう。20世紀の経済とは違う構造の経済が生まれていることを認識し、緩やかなインフレ時代に確立した政策やビジネスモデルを、デフレ前提のものに変えていかないといけない。

その中で、政策当局に求められることは、緩やかなデフレがデフレスパイラルとならない仕組みに政策を改めることだ。緩やかなデフレであれば全体として経済にそれ程のマイナスとはならない。価格が下がることは消費者にとって基本的に良いことだ。金融政策についてだが、マネーサプライは個人や企業が持つ通貨量を示すが、実際にはクレジットカードなどで手持ち資金以上のクレジットが活発にやりとりされる場面が多くなっている。マネーではなくクレジットに焦点を戻して理論を再構築するべきだろう。

【問】デフレ前提型政策への転換は進んでいるでしょうか。

【答】歴史的転換期に直面しているというのに、日本は変化に対応していない。一時的な財政支出やさらなる金融緩和がデフレ解消手段とならないことは、過去10余年の不況対策の結果を見れば明白なのだが、政府・日銀は未だ伝統的マクロ政策に依存している。デフレ対策として議論の俎上にあるインフレターゲット導入にしても、そもそもデフレは構造的なものなのだから政策によって人為的にインフレを起こすことは至難だ。仮に、無理にインフレを起こしてバブルとなっても、それが破裂した時に発生する大きな副作用にどう対処するというのか。

先行減税というが、収益が見込めないのに企業が設備投資するわけがなく、減税分は中国などの投資に回されるだけだ。証券税制をいじっても自己資本利益率がゼロに近いのだからマネーは株式投資には向かわない。製造業の製品はパソコンにしろ携帯にしろ、ある意味では飽和状態に達しているから、個人消費が上がるメカニズムは働かない。
企業サイドも緩やかなデフレ対応型のビジネスモデルを再構築しないといけない。そうした努力もせずに、地価や株価はいずれ戻るだろうという期待の下に経営し続ければ破綻は免れないだろう。

金融、財政、税制政策だけではもう動かない。それでもなお、金融緩和、財政支出など、さして効果のない政策を取ろうとするのは、政策当局をはじめ多くの日本国民が現下の世界経済構造の変容や日本経済の問題を正しく認識出来ていないからだ。それは、過去の成功体験と現在の豊かさの結果、日本全体に危機感が欠如している現れとも言えるだろう。

【問】日本経済の抱える一番の問題は何でしょうか。

【答】国内に投資機会がないということだ。以前は大企業が国内地方都市に工場を置き、それで全体を引っ張ってきた。しかし、グローバリゼーションの進展で労働力、土地、物流など経済活動に必要なコストが割高となり、利益率の低下で投資メリットがなくなったことなどを背景に、製造業など輸出産業は国内工場を次々にクローズして中国など海外へ進出している。採算の合う新たな投資機会が見出せないから国内投資は減少する。これではいくら金融緩和しても日本のGDPは伸びない。これが景気停滞の一つの大きな原因だ。

【問】逆に、利益の上がる成長分野があれば国内投資は活発化し、経済は復活すると。

【答】無用な規制のために市場の拡大が阻まれている分野はまだ多く残されている。例 えば、医療や介護、農業、教育などは成長の可能性が高い分野だ。これらは政府の規制 が強く、補助金漬けになっているので、今はどうにもならない状況だ。

しかし、裏を返せば、遅れている部分が多ければそれだけ成長の可能性が高いということになる。規制を外してオープンにすれば、大きな需要を生み、相当高い投資収益率を上げることが期待できる。
マッキンゼーのレポートでも、「雇用で90%を占める国内製造業及びサービス業の生産性は米国の3分の2以下で、国際競争力はほとんどない状態」としながらも、厳しい規制や社会主義的システムから開放して構造改革をすれば、「21世紀の日本経済は5%〜6%の成長が可能だ」と言っている。

今、焦点を当てるべきは、「企業収益が上がるような環境を政策的に作る」ということだ。医療や介護、農業分野などへの株式会社の参入規制の緩和や、建設、流通などでの競争の促進がその典型例だ。

最近の例だが、三重県の北川正恭知事は15年間で90億円の補助金を出して、シャープの液晶工場を同県亀山市に誘致することに成功した。三重県の誘致活動はスピードが早く、新しい行政の在り方を示したものとして注目される。地方への企業誘致は補助金だけではない。税制優遇措置や地域コミュニティの協力などやり様は他にもある。

問題は、政治家が後ろ向きのため衰退産業を守ることに予算がほとんど使われてしまっているという点だ。政治による後ろ向きの圧力をどう排除するか。それには極めて強力なリーダーシップが必要だが、果たして小泉首相にそれを望めるのかどうか。小泉首相は族議員と官僚連合を突き崩しながら規制緩和を進めると言っているが、言葉だけで実行が伴っていない。三重県に見る企業誘致や、一部民間の優秀な経営者によるニュービジネス創出は、個々のレベルにとどまっている。日本には潜在的な力は十分あるのだから、日本全体としてそういう方向に持って行かないといけない。
(聞き手・岡村健一)

ぷらす経済コラムマガジンhttp://www.adpweb.com/eco/eco259.html榊原慶大教授文章http://www.adpweb.com/eco/eco265.htmlセイニアーリッジ政策の推進等と、以上の記事を元にあっしらさんの引用を読むと分かり易い。

あっしら氏引用
野口旭氏は、一応、榊原氏などの論の妥当性を認めているが、その結末が、「しかしながら、これは「構造的デフレ論の含意その1」が正しいことを必ずしも意味しない。デフレの原因とは、あくまでもデフレ・ギャップすなわち「総供給と総需要の差」であるから、総供給の変化だけを見ても、一般物価がどう動くは分からない」では、上述の反論がそのまま当てはまってしまう。
「そもそも、マクロ経済政策とは、構造的要因=総供給にではなく総需要に働きかけることで、総供給と総需要のギャップを縮小させ、物価や雇用の適切な水準を達成し維持しようとする政策である。つまり、仮に総供給がどう変動しようとも、マクロ政策によって総需要さえ調整できれば、需給ギャップを縮小させることは常に可能なのである」という追加的な説明に対しては、榊原氏なども、"一般論"としては否定しないはずだ。
(榊原氏は総需要増加策として政府紙幣の発行まで主張している)
引用終わり。

私は、榊原教授の指摘する、ある種の構造的デフレ問題に賛同しています。デフレの発生原因は、中国など旧共産圏が世界経済に参入した構造問題と、中国の不当な為替政策によるのデフレ輸出に起因する要因と、榊原教授あっしらさんの主張するような、需要不足要因であろう。野口氏の主張する、金融政策的側面は確かに否定できないが、野口氏の主張するインフレ政策のみではこのデフレは解決できそうもない。
ただ、榊原教授が百年デフレを主張しているが、少々それも違うと思う。国際的一次産品価格の高騰、そして更なる高騰予感、加え、世界的食糧供給に対する構造的不安定要因を抱えている。ですから、百年デフレということはない。その点は私は、榊原教授の意見に異論を唱える。

日本の短期金融市場でマイナス金利が発生した、しかも、翌日物でなく2週間程度の期間物の取引が成立したようだ、これは私の常識が稚拙ならしょうがないが、理解不能の事態だ。あきらかに自然の摂理に反する状況である。故にデフレも今が歴史的ピークとなる可能性があると予測する。http://www.asyura.com/2003/hasan21/msg/266.html
(個人向け国債などとデフレを悪化させる馬鹿な制度を考えた財務省のコッパ役人の首を挿げ替えろ!また熱くなってしまった)

何度も同じことを繰り返し投稿しているが、私は、デフレ問題の帰結は米国の対中国戦略を考察するしかないと思っている。人口問題が経済問題の底流に流れていることは間違いない。米国の戦略で、米国が生存する為の戦略として、21世紀も戦争の世紀として演出するなら、当然デフレ問題が深刻化することはないはずである。国力の衰えつつある米国が中国の台頭を黙って容認するはずは無い。中国経済一人勝ちの反動があるのではないか?悪魔的な思考で、多少表現が悪いが、漢族は、地球上に増殖しすぎた。漠然としたイメージだが、地球の定員は限界が近い、食料資源は有限である、しかも米国権益下に多く存在する。このことからやがてインフレ時代の到来は必然とも思います。

中国繁栄懐疑論者の私とすれば、米国の戦略として、イラク支配後、北朝鮮問題を絡め、中国への圧力を高め、人民元レートをニクソンショック並に変動価格制に持っていくであろう。そして、デフレの反動である、インフレの波が世界デフレ解決の糸口を作るであろうと思っています。

当然ロックフェラーの中国利権進出に代表される、米国支配層利益=中国国益の立場をとられる あっしらさんとは、意見が異なります。

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