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長期金利、過去最低に並ぶ(1)利回り上昇のきっかけつかめず
【NQN】新発10年物国債の利回り低下に拍車がかかり、28日はついに
過去最低に並んだ。1998年10月2日に0.775%に低下した際は、日本長
期信用銀行の破たんが秒読みで金融システム不安が高まったことが背景
にあった。当時は1.0%割れが定着しなかったが、今回は出口の見えな
いデフレのもとで利回りが上昇に転ずるきっかけをつかめずにいる。
4年前の利回り低下局面のきっかけは98年9月9日に日銀が3年ぶり
の金融緩和に踏み切ったことだった。ロシアの経済危機に端を発した国
際金融市場の混乱を収め、世界的なデフレを回避するはずだった。当時
は流動性の確保が最優先され、国債を選好する動きが鮮明で、国債の利
回り曲線は大きく平たん化した。一方、一般債は政保債や高格付けの社
債ですら国債との利回り格差が広がった。
現在は過度な信用リスクに対する警戒感が乏しい。銀行には公的資金
注入の枠組みが整備され、日銀は量的緩和策に踏み込んだ。あふれる資
金は債券に向かう。今回は高格付けの一般債の買いが相場を支えた側面
が強く、一般債との利回り格差は縮小したままだ。国債の利回り曲線の
傾斜は98年よりも急で、発行増や時価会計制度の導入などから国債が敬
遠され、4年前ほど積極的に買われていないとも言える。
98年の1.0%割れの滞在期間はわずか2カ月余り。11月16日に小渕恵
三首相が緊急経済対策を決定、翌17日には米格付け会社ムーディーズが
国債を格下げした。12月22日には宮沢喜一蔵相が大蔵省資金運用部の国
債買い入れ停止の検討を認めた、いわゆる「運用部ショック」で相場は
急落。一気に利回りは2.0%を上回った。
不用意な発言で利回りの急上昇を招いた大蔵省の姿は、今の財務省に
はない。「市場との対話」を重視して決めた2003年度の国債発行計画は
需給ひっ迫感すら与えている。宮沢氏もインフレ目標論を「国債の暴落
につながる」とけん制を忘れない。デフレ脱却のメドがたたず、1.0%
割れから3カ月たっても行き場のない資金が債券に向かう。残された利
回り上昇リスクは小泉純一郎首相の大胆な政策転換と、4年前も皆が口
にしていた「売り材料が見当たらない」という総強気だけだ。(鎌谷智
子)=(2)、(3)、(4)に続く
l 長期金利、過去最低に並ぶ(2)利回りの推移と主な出来事
NAA 4304 : 2003/01/28火曜日16:20
<1998年8月からの新発10年物国債の利回りの推移と主な出来事>
日付 利回り 主な出来事
98年8月17日 ロシア、緊急金融対策でルーブル切り下げ
9月9日 日銀、金融緩和(翌日物金利0.50%→0.25%)
11日 0.985%(初の1.0%割れ)
10月2日 0.775%(過去最低)
9日 日経平均、バブル崩壊後の安値(1万2787円)
23日 日本長期信用銀行、特別公的管理を申請
11月16日 政府、総額23兆円超の緊急経済対策を決定
17日 米ムーディーズ、国債格下げ(Aaa→Aa1)
20日 1.100%(再び1.0%台に上昇)
12月22日 大蔵省、資金運用部の国債買い入れ停止
99年2月3日 2.575%(1.0%割れ後の最高利回り)
12日 日銀、ゼロ金利政策を導入
16日 大蔵省、資金運用部の国債買い入れ再開
4月20日 1.485%(1.5%割れ)
00年4月12日 日経平均、98年10月後の高値(2万833円)
8月11日 日銀、ゼロ金利政策を解除
9月6日 1.990%(2.0%に近づく)
01年3月19日 日銀、量的緩和政策を導入
21日 1.020%(1.0%に近づく)
4月26日 小泉純一郎内閣が発足
9月11日 米同時多発テロ事件が発生
12日 日経平均、1万円の大台割れ
02年9月18日 日銀、銀行保有株の買い取りを発表
20日 10年物国債入札、初の「未達」
10月8日 ペイオフ解禁、2年延期を決定
10月31日 0.985%(再び1.0%割れ)
03年1月20日 「中期展望」デフレ克服目標を2年先送り
28日 0.775%(過去最低に並ぶ)
l 長期金利、過去最低に並ぶ(3)4年前と現在の主要指標(表)
NAA 4305 : 2003/01/28火曜日16:21
<1998年と現在の主要指標>
98年9月11日 10月2日 02年10月31日 03年1月28日
5年債 0.585% 0.555% 0.255% 0.245%
10年債 0.985% 0.775% 0.985% 0.775%
20年債 1.525% 1.160% 1.605% 1.270%
債券先物 137円81銭 139円38銭 141円98銭 142円88銭
日経平均 1万3916円 1万3223円 8640円 8525円
円相場 130円76銭 134円77銭 122円46銭 118円55銭
ニューヨークダウ 7615ドル 7632ドル 8427ドル
7989ドル
翌日物金利 0.26% 0.26% 0.002% 0.001%
電力債スプレッド0.47% 0.53% 0.08% 0.11%
注)28日と1998年10月2日時点、およびそれぞれ直前に1.0%を割った
時点の主な指標を比較。債券先物は中心限月。ダウ工業株30種平均は前
日終値。円相場はきょうが16時時点、それ以外は東京市場終値。無担保
コール翌日物金利はきょうが取引の中心値、それ以外は加重平均。98年
の5年債利回りは残存5年の10年債利回り。電力債スプレッドは月
内に条
件決定した銘柄の国債への上乗せ幅。
日銀の景気判断の比較は以下の通り。
l 1998年9月の金融経済月報(9月9日発表)
「わが国の経済情勢は全般に悪化を続けている」
l 1998年10月金融経済月報(10月15日発表)
「わが国の経済情勢は、依然として悪化を続けている」
l 2002年10月金融経済月報(10月15日)
「全体として下げ止まっているが、世界経済を巡る不透明感の強さもあ
って、回復へのはっきりとした動きはみられていない」
l 2003年1月金融経済月報(1月23日)
「全体として下げ止まっているが、回復に向けての不透明感が強い状態
が続いている」
l 長期金利、過去最低に並ぶ(4)大手12行の含み益3400億円増
NAA 4306 : 2003/01/28火曜日16:21
【NQN】28日の債券市場では新発10年物国債の利回りが一時0.775%
に低下し、98年10月2日に付けた過去最低水準に並んだ。この水準での
債券含み益は2002年9月末に比べて大手銀行12行で3400億円程度、生命
保険会社10社では7200億円程度、それぞれ増えたもようだ。大和証券S
MBCの末沢豪謙チーフストラテジストが(1)昨年9月末時点のポート
フォリオ形態が現在まで変わらない(2)昨年9月末から現在までの取引
などを考慮しない――などを前提に試算した。
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