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(回答先: ベネズエラのゼネスト、石油会社に恩恵もたらす=WSJ紙 投稿者 Ddog 日時 2003 年 1 月 28 日 23:21:36)
楽観的なままのアナリストの長期利益予測=WSJ紙
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)株式調査の利益相反問題をめぐる 証券監督当局との総額15億ドルにのぼる和解合意案、大手各社による人員削減、株式市場の低迷など、証券業界をめぐる環境は依然として暗雲に覆われている。
それでも株式調査アナリストらは、大半の企業が今後数年間に年平均2けた台の利益成長率を達成するという。過去のデータをみると企業の利益成長率は長期的に経済成長率とほぼ同等の水準に収まるが、現在、景気の2けた台成長を予測するものはほと んどいない。
しかし、調査会社マルテックスによると、今後3−5年間の年平均利益成長率に関するアナリスト平均予想では、S&P500指数採用銘柄のうち、年平均2けた成長をとげる企業は345社、15%を超える企業も123社にのぼる。
こうした成長予測は、株式のバリュエーションが依然として歴史的な高水準にある一 因とみなされる。長期利益予測データはしばしば株価の割安度の尺度に活用される。例えばネット競売最大手の米イーベイ(Nasdaq:EBAY)の株価収益率(PER)は、昨年の利益に対し88倍。
一方、過去約3年間の業績が微増あるいは横ばいにとどまる企業でも、長期成長予測を楽観的なまま放置する傾向がみられる。例えば、2000年以来成長が止まっているオンライン証券大手チャールズ・シュワブ(NYSE:SCH)に関して、アナリストが予測する長期利益成長率は年18%。
特に明るい予測が打ち出されているのは、当然ハイテク部門となっている。S&P500指数の構成銘柄のうちハイテク企業は91社にのぼり、そのうち年2けた台の成長率が予測される企業は82社、20%以上も18社にのぼる。
こうした増益率は、決して実現不可能ではない。アナリストらはシュワブの2003年度の1株利益が40セントになると予測しているが、2002年の1株29セントと比較すると増益率は38%となる。一方、ソロモン・スミス・バーニーやリーマン・ブラザーズのアナリストなど、長期予測の継続性に疑問を示し、予測が楽観的過ぎることを認めるものもいる。
アナリストらの予測が今後の株価回復を見込んでいるならば、楽観的過ぎるという見方に反発することもできよう。しかしモルガン・スタンレーによると、S&P500指数の長期利益成長率に関するアナリスト予想は2000年半ばには年15%だったが、今では年12%となっており、アナリストが悲観的になっていることを示す。
過度に楽観的な予測、という点では企業自体も同罪だ。モルガン・スタンレーの投資ストラテジスト、スティーブ・ガルブレイス氏は、多くの企業が金利もインフレ率も現行より高水準にあった約10年前の見通しを、そのまま適用していると指摘した。利益成長率は名目ベースであり、インフレ率が高いほど成長率に上乗せされる。逆にインフレや金利水準がゼロに近い現状では、2けた台の成長の実現は困難となる。
最大の危険を伴うのは、自らが低成長に転じたことを自覚できない企業だという。ガルブレイス氏は「長期利益成長率を15%に定め、この目標に応じて設備投資計画を立 てるような企業には要注意」と語った。こうした場合、当該企業は高成長を維持するために自己投資を行うが、その結果、株主に配当や自社株買いの形で還元されるべき資本が、無為に浪費される可能性もある。
企業金融を習得した最高財務責任者ならば、利益のうち事業への再投資分が多いほど、潜在成長率が高まることを知っている。逆に投資家に資金を還元した場合、企業に自己投資する分がその分減るため、長期的利益成長率にはマイナスに作用する。
しかし、米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)が初めて配当を支払うと発表したことに象徴されるように、余剰資金を全て自己投資に向けることが、必ずしも最高の収益率につながるわけではないと認識する経営幹部も増えている。トランザメリカ・プレミア・エクイティー・ファンドの運用マネジャー、ジェフ・バン・ハート氏は「まだ態度の変化には至っていないが、いずれは変わるとみている。一部の企業は永遠に気づかないようだが」と述べた。 (1月27日付Heard On The Streetより)