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(回答先: 信用リスク後退?景気悪化?――日経金融新聞スクランブル 投稿者 Ddog 日時 2003 年 1 月 28 日 22:51:41)
電機・銀行株、奇妙な連動― 日経金融新聞スクランブル
27日の東京株式市場では様子見気分が広がった。後場の日経平均株価の値幅は35円。みずほHDの上昇が10日で途切れ、先週後半にぎわった総合電機株の人気もしぼんでしまっては買い手掛かりが見当たらない。
この日の相場が象徴しているように、銀行株と電機株の相関性が強くなっている。年初から27日までの上昇率はみずほHDが18%、三菱東京FGが6%、UFJが24%。総合電機では日立が14%、東芝が9%、NECが6%値上がりした。日経平均はほぼ横ばいで、こう着相場で銀行株と電機株の「つれ高」が目立っている。
東京証券取引所第一部の時価総額に占める大手銀行株と電機株全体、総合電機株の比率の推移を示したのがグラフだ。これを見て分かるように2000年までは銀行株と電機株は上げ下げが反対になる逆相関の関係にあった。
円高は電機会社の輸出採算を悪化させる。一方で「過度の円高を抑えるために金融緩和策が取られるとの連想から金利が下がり、銀行の業務純益を押し上げる要因になる」(野村証券金融研究所の石原昇アナリスト)という点から逆相関を説明ができる。
ところが2001年以降は銀行株と電機株はほぼ同じ値動きをするようになった。となると目先は電機株にも上昇余地があることになる。
大手銀行の自力増資や3月危機を回避する政策発動の可能性などを手掛かりに、銀行株が戻す場面が考えられるからだ。多くの機関投資家は総合電機株を組み入れ対象から外してきたが、「短期的には持たざるリスクが出てきた」(モルガン・スタンレー証券の山本高稔アナリスト)という。
だが、その先はどうか。電機株が銀行株との相関性を持った理由を探ると本格反発は難しそうだ。
一つは銀行、電機ともデフレの影響をまともに受けていること。デフレは銀行の不良債権を膨らませ、「総合電機の売り上げ減を引き起こしている」(石原氏)。
株主資本の充実を迫られそうなほど財務内容が悪化したのも同じ。総合電機で連結株主資本比率が20%を超えているのは日立だけで、繰り延べ税金資産や年金処理を勘案すると見かけ以上にぜい弱。どの分野で競争するのか、事業の成長戦略が見えにくいのも大手銀行との共通点だ。
これらの背景にあるのが、株式の持ち合いが温存した企業統治の弱さ。このため大なたを振るうような経営者が現れず、現役の社長は就任以来、4―7割も時価総額を減らしている。ある投資家は「総合電機のリストラを妨げているのは社内のしがらみ。これを断たないと長期投資はできない」と話す。
改革の芽はある。例えば日立とNECが合弁で設立し、三菱電が合流したDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)専業のエルピーダメモリの社長に坂本幸雄氏が就任した。日本テキサス・インスツルメンツや神戸製鋼所の半導体部門などを渡り歩いた経歴の持ち主だ。
外国証券のアナリストは「坂本氏による改革がどれだけ進むかは今後の総合電機の経営のあり方の羅針盤になる」と期待を寄せている。
総合電機の2003年3月期は前期のリストラ効果で大幅な連結営業増益になる見通し。来期も収益環境が大きく崩れなければ、増益は確保できそうな情勢だ。居心地のよさに安住せず、一段の経営改革に踏み込めるか。総合電機にとって今年は銀行株との連動を断つ好機になる。
(石川喜章)