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東京 1月23日(ブルームバーグ):公的年金積立金の運用の在り方を検討している社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金資金運用分科会は23日午後、株式の運用を続けるかどうかを話し合う5回目の会合を厚生労働省で開いたが、意見の集約には至らず結論を先送りした。
この日は、みずほ総合研究所・年金コンサルティング部の小林弘明氏を招き、国内株式の期待収益率の試算について意見を聞いた。小林氏は、1)株価は予想配当の現在価値で表されると考える「配当割引モデル(DDM)」を用いて試算した場合、期待リターンが4%から5%になる、2)株価は自己資本と残余利益の現在価値の合計だとする「EBO(Edward-Bell-Ohlson)評価法」に基づくと、楽観シナリオで同6.63%、悲観シナリオで同0.82%のリターンが期待できる−−などと説明した。
委員らは小林氏の試算を評価し、「政府がデフレ克服のために政策を総動員し、インフレを想定した政策を取ろうとするなかで、デフレ型のアセット・アロケーションを組むべきではない」(横浜国立大学経営学部教授の米澤康博委員)などの意見を相次ぎ表明、株式運用の存続を求める声が広がった。
また国際金融情報センター理事長の内海孚委員は、1)90年代の米国では物価上昇を抑制しながら生産性を高めた、2)73-74年の日本のオイルショックは、それまでの「列島改造論」で過剰供給となっていたところに起きたたため、原油価格が高騰しハイパーインフレになった−−ことに触れ、「デフレ下の株式投資、インフレ下の株式投資、物価と投資を結び付けて考えてもあまり意味はないのではないか」と指摘した。
財務相「デフレ下での資金運用を考えてもらいたい」
同分科会の論議に先立つ同日午後の衆院予算委員会では、政府首脳から、公的年金資金の運用ではリスクの高い運用を避けるべきだとの発言が相次いだ。
塩川正十郎財務相は、民主党の上田清司氏への答弁で、年金資金運用基金による株式投資について「デフレ時代にそういうリスクの多いところに運用するのはどう考えても危ない」と指摘、「デフレ時代と高度経済成長時代は違う」と述べた。また小泉純一郎首相も「デフレ下の運用で安全、有利なもの(投資対象)はそんなにないんじゃないか。国債ぐらいしかないんじゃないだろうか」などと指摘した。
東京 鷺池秀樹 Hideki Sagiike