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みずほ「1兆円増資」発表 あの前田社長の話 そしてその評価 クイック
投稿者 Ddog 日時 2003 年 1 月 22 日 00:01:37:

(回答先: 株、みずほ「1兆円増資」発表につれ高――需給悪化に要警戒も 投稿者 Ddog 日時 2003 年 1 月 21 日 23:58:27)

みずほ増資前田社長「日経平均7200円で自己資本比率8%維持」

【NQN】みずほホールディングス(8305)が21日午後、今3月期中に総額1兆円規模の増資を実施すると正式に発表した。不良債権や株式含み損の処理を加速、連結最終赤字が1兆9500億円と従来予想(2200億円の赤字)から大幅に拡大することに対応する。しかし、増資の条件は依然、不透明なまま。株主価値への影響が読めないことに加え、厳しい環境下で増資自体の実現性を危惧(きぐ)する声もある。以下は前田晃伸みずほHD社長ら経営陣と記者との主なやりとり。

増資規模1兆円には比較的余裕がある補完的項目(Tier2)から中核的自己資本(Tier1)への移行部分も含むのか。前田社長「それはありうる」町田充・常務執行役員「2002年9月末でTier2の余剰分は6560億円。不良債権処理損の拡大でTier1が毀損(きそん)する分をTier2の余剰分で補完することも可能だ」

――株式含み損を4000億円処理した後の状況は。

町田氏「減損処理を実施しても5000億円程度の含み損が残る」前田氏「日経平均株価が7200円程度になっても自己資本比率は8%を維持できる見込みだ」

――放棄する繰り延べ税金資産8000億円が自己資本比率に与える影響は。

前田氏「2%程度相当だ」

――2003年3月末で予想される繰り延べ税金資産は。

前田氏「一方で不良債権処理も加速させているため、(8000億円放棄しても)昨年9月末と同水準となる」

――今期の不良債権処理額は当初見込みの約3倍に膨らんだ。来期はどうなる。

前田氏「今期に思い切った処置をすることで、来期はみずほ銀行とみずほコーポレート銀行合計で4000億円を下回る水準になると思う。経営状況が巡航速度なら、不良債権処理額は業務純益の半分程度を見込む」

――注入済みの公的資金の返済は。

前田氏「現在の仮定では2006年3月期を予定しているが、1年程度遅れる可能性がある。金融庁に相談すべき内容でもあり、5月ごろに発表できる予定だ」

――三井住友FGが新たに発行する優先株は4.5%の高利回りだ。配当負担はどうなる。

前田氏「商品設計をしていない段階だが、ごく普通の市場金利に沿った形にしたいと思っている。配当負担は、普通株への転換期間など条件によって違うので一概には言えない」

――今、社長は配当負担について一度は答えようとした。大体の負担額を試算済みではないのか。

前田氏「記者の皆さんに誘発されただけだ」町田氏「想定はしているが、今の段階で社長が発言するとミスリードすることになる。われわれはたくさんの数字を持っている」

――有利な立場を利用して貸出先に増資を要請するのではないか。

前田氏「取引先に無理強いするつもりはない。われわれに強い期待感を抱いている取引先もある」

――バブル期に野放図に貸し出した債権を放棄する一方、1兆円という空前の規模の増資を検討する構図に、経営者の責任を感じないのか。

前田氏「債務免除に応じなくても、融資先企業が倒産したら(債務免除と)同じ。銀行業はリスクをとる事業で、ある程度の貸し倒れが生じても仕方がない。損失が出たといって一概に経営責任に結びつけたら銀行経営はできなくなり、銀行の資金仲介機能が低下する」「債務免除に応じた(ハザマなどの)ケースは私的整理ガイドラインに沿っており、透明性を確保している。企業の再建を支援するのも、リスクをとるのも銀行業の仕事だ」

――笹島勝人・UBSウォーバーグ証券シニア・アナリストのみずほの評価

みずほHDは、2003年3月期の連結業績予想の下方修正と、不良債権処理加速に伴って毀損(きそん)する自己資本を補うための1兆円規模の資本調達を発表した。ただ資本調達への道のりは険しく、来期の不良債権処理についても景気次第で会社側の見通しが変わる可能性がある。

最大の焦点は自己資本調達が、会社側の主張するように国内外の民間投資家相手に順調に進むのかという点だ。みずほ側にとっては、優先株を発行する場合、普通株転換型なら転換価格の下方修正条項をつけて元本の保証を図るとか、配当率を市場実勢と大きく乖離(かいり)しない範囲に抑えられるようにするなど難題が多い。配当率については先日、三井住友FGが米証券ゴールドマン・サックスに割り当てた優先株の配当率4.5%が目安になる。

一方、増資の受け手は資金をどこから調達するかが課題。他の資産をみずほの増資分に振り替えるか、今持っている株式を売却して増資に振り替えた場合、株式市場は嫌気するだろう。冷え込んだ市場環境では、売り圧力を吸収しづらいためだ。調達先として有力視されている生命保険会社は、どこも経営環境の悪化を前にリスク資産を増やしたくないといった事情がある。こう考えると、増資実現のためのハードルは非常に高く、外国資本との包括的な資本提携などが視野に入っている可能性もあろう。

みずほHDの既存株主にとってみれば、増資が将来、普通株に転換するタイプのものであれば、「株主価値の希薄化」といったリスクがある。みずほは今期、不良債権処理を加速することで、来期2004年3月期以降の不良債権処理コストが大幅に減少する見込みとしている。確かに大口融資先については一段落だろうが、問題は中小企業。景気次第では中小企業向け不良債権が増加する恐れもある。来期、不良債権処理コストが業務純益の範囲内で収まるかどうかに注目している。=終わり

クイックより

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