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(回答先: ハザマ会社分割、再建計画固まる ［読売新聞］ 投稿者 あっしら 日時 2003 年 1 月 17 日 14:49:20)
経営再建中の準大手ゼネコンのハザマが今秋をメドに、東亜建設工業、安東建設と経営統合する方向で交渉に入ったことが１７日、分かった。３社ともみずほコーポレート銀行が主力行で、不良債権処理を加速させたい銀行主導の構想とみられる。統合の際、ハザマは建設部門と不動産部門に会社分割するが、分割説では三井住友銀系列の熊谷組などが浮上していた。産業再生機構の活用案も模索しており、ゼネコン業界は一気に大再編時代に突入する。
ハザマは大型ダムやトンネル工事に実績があり、東亜は海洋土木専門、安藤もオフィスビルなど民間建築が得意。事業分野の重複が少なく、統合は相互補完になる。
統合に先立ち、ハザマは会社分割を選択し、比較的好調な建設部門と、不良資産にあえぐ不採算部門の不動産部門に分離する予定だという。
来年１０月１日をメドに建設部門の「新ハザマ」を東証２部上場。不動産部門の「旧ハザマ」が１部に残るとみられる。
昨年１０月に分社化した三井住友銀案件のフジタの場合とまったく同じ手法で、分割の際、経営責任をとり、大和文哉社長が引責辞任し、「新ハザマ」は新名順一副社長が就任する方向にある。
ハザマが抱える２８６７億円（平成１４年９月中間期決算）の連結有利子負債は、その大半を「旧ハザマ」に移し、「新ハザマ」には６分の１の約４８３億円だけを移行する方向。
大胆なリストラ策も断行。社員数約３９００人のうち４分の１の約１０００人を削減し、「新ハザマ」は２０００人規模で再スタートする。資本金は当初、１００億円で、債務の株式化などを断続的に行い、１６年春までに２００億円に増強する方針。
統合形態は、合併もしくは、持ち株会社を設立して３社をその下に並列させるかなど詳しい統合策は今後詰めていく。
５月にスタート予定の産業再生機構を活用する案も検討されている。みずほコーポレート銀などに、１５００億円規模の金融支援を要請することも検討している。
ハザマはバブル期の不動産投資の失敗で財務が急激に悪化。８年３月期の連結有利子負債は、売上高とほぼ同額の５２００億円にまで達した。
経営危機に陥ったため、１２年に旧第一勧業銀行など４行から総額１０５０億円の借金棒引き（債務免除）を受け、１７年までの５年間にわたる再建計画を立て、ゴルフ場など不良債権の処理を進めてきた。
だが、昨年９月中間期に至っても、有利子負債が２８００億円規模と依然高止まりし、株価も１０円台と超低空飛行で市場から見放されるような状態が続いている。
今回のようにハザマが分割・３社統合を選択せざるを得なかった背景には、大きく分けて３つのポイントがある。
まず、フジタなど他の借金棒引き組が積極的に生き残り策を模索するなか、その流れに乗り遅れ、市場から「ノー」を突きつけられた。
金融庁が不良債権処理の加速を打ち出し、主力行が過剰債務企業の抜本処理を行わざるを得なくなった事情も加わる。
ゼネコン業界の受注のパイ縮小に伴い、産業再生・雇用対策戦略本部がゼネコンに限り、「事業規模の縮小」か「経営統合・事業再編」を明確にうたい、本気で過剰債務を抱える不振企業を処理する姿勢を明確にしたことも背景にある。
いずれにせよ、建設業界全体にみる工事受注のパイは小さくなる一方。
建設経済研究所などの試算だと、１４年度の建設市場は約５６兆円と、８年の約８３億円から２７億円も減少。
デフレ不況が長引き、公共事業や設備投資も削減の方向から数年後には５０兆円さえ下回ると予測されている。
だが、ゼネコン数は一向に減らず、「採算割れでも受注する」と激しいダンピング合戦が常識となり、業界全体が屈折した構造に陥っている。
そのため、再編は急務。三井、住友両建設の合併による「三井住友建設」が誕生し、これに分割した「新フジタ」が合流予定など、さまざまな動きが活発化している。
ハザマ中心の東亜、安藤の大胆な統合構想を契機に、ゼネコン業界の再編というサバイバル合戦は、ますますヒート・アップすることになる。
◇
ハザマは１７日、「当社は再建計画『新ハザマ創生計画』の見直しについて見当は行っているが、現段階で決定しているものではない。経営統合についても報道のような事実はない」とコメントした。東亜建設工業と安藤建設もそれぞれ「現段階では、そのような事実はない」と否定コメントを発表している。
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