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株、昨年最大の買い手は公的年金――今年の懸念は「代行返上」 クイックニュースより
【NQN】2年続けて金融機関の売りVS外国人・年金資金の買い。こんな構図が、東京証券取引所が15日発表した2002年年間(1月4日―12月30日)の投資主体別売買動向で、明らかになった。2003年は、保有する株式を中核的自己資本の範囲内に抑えるよう定めた銀行等株式保有制限法の縛りを受け、金融機関の売り圧力は続きそうだが、構造改革の行方を疑問視して外国人の買いは細るとの懸念がある。これまでの構図が変化することも想定され、これまで以上に需給動向に関心があつまりそうだ。
東証の発表(東証、名証、大証の三市場、1・2部合計、金額ベース)によれば、2002年最大の買い手は信託銀行で、買越額は2兆930億円。2001年の買越額(1兆5979億円)に比べ、4951億円(約31%)増えた。公的年金資金を中心とした年金資金が、株価下落の中で買い支え役を果たしたことが読みとれる。
公的年金資金では、国内株式の比率を一定水準に保たなければならない運用方針を定めており、株価が下落すると自動的に資金配分が厚くなる。このため「2003年は公的資金の買いがさらに増える」(メリルリンチ日本証券の永吉勇人ストラテジスト)との見方がある。一方、今年は企業の厚生年金基金の代行返上に伴う換金売り圧力を懸念する声も多い。
外国人投資家の買いは、今年はあまり期待できそうにない。2002年は7598億円の買い越しだったが、買越額は前年の2兆3209億円に比べ急減した。年初こそ、世界的な景気回復への期待感から海外投資家の買いが入ったが、年後半にかけては改革後退色が鮮明になり、失望売りが優勢になった。時価会計の導入や景気悪化で欧州年金が年央以降、日本株売りを積極化させたことも、買越額の減少につながった。今年の外国人投資家動向について市場では「昨年央以降の売り優勢の状況が続く」との見方が多い。
昨年の個人投資家は3456億円の売り越しになった。ただ12月の1カ月だけで3602億円を売り越しており「新証券税制の導入を控えたタンス株の売り」といった特殊要因が大きかったようだ。新税制に移行して個人の買いが戻ってくるかどうかも2003年の株式相場の鍵を握っている。(永井洋一)掲載日:2002/11/28 媒体:日経金融新聞 ページ: 20 文字数:
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「銀行株を含め粛々と売却を進める」(明治生命保険)「株安下でスピード調整はするが、株式の運用比率は徐々に引き下げる」(第一生命保険)――。
二十六日に集中した生命保険会社の上半期(四―九月)業績報告。経営の健全性を示すソルベンシーマージン(支払い余力)比率は主要十社のうち七社で三月末より低下し、株安が経営体力を削る構図が一段と鮮明になった。同比率が相対的に劣る住友生命保険や三井生命保険なども、株安時に処分すれば損が膨らむジレンマを抱えつつも、リスク資産削減を推進する考えを強調した。
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主要十社の九月末の国内株保有残高は含み損や評価損、売却をあわせて三月末に比べ三兆二千七百二十一億円(一五%)もの減少。週初までの株価連騰で「ほっと一安心」という雰囲気が漂っていた市場に、改めて巨大な売り手の存在を示した。
株式市場で需給面の「二〇〇三年問題」がささやかれている。大量の日本株を保有しながら、今後一―二年にわたり「売り一辺倒」の姿勢をとるとみられる投資主体が来年に勢ぞろいするためだ。しかもそれは「国内景気の回復といった経済状況とは関係なく売却し続ける構造的な売り手」(クレディ・アグリコル・インドスエズ証券の草野豊己取締役副支店長)である。
代表例は銀行・生保。銀行は二〇〇四年九月までに保有株式を中核的な自己資本の範囲内に収めるよう義務付けられている。二〇〇三年度は持ち合い解消の大詰めを迎え、今年度なみの五兆円程度を売却するとみる市場関係者が多い。生保も一・五兆円程度の売り越し主体になるとみられている。
第二の売り手として急浮上してきたのが、株式組み入れ比率の高い英国の企業年金。二〇〇五年からの時価会計移行を控え、母体企業の財務への影響を減らすため今年中ごろから保有株の圧縮を加速している。インドスエズの草野氏によると、英年金が日本株をすべて処分するシナリオだと二〇〇三―〇四年におよそ六兆円の売りが出る計算という。
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来年はそこに国内年金の「代行返上」に伴う売りが加わりそうだ。運用環境の悪化を背景に、厚生年金基金が国に代わって厚生年金を運用・給付する代行部分を返上する動きが活発化。「過去分の返上が始まる二〇〇三年秋までに、返上に備えた資産の現金化が進みそう」(大和総研の壁谷洋和マーケットアナリスト)。株式そのものによる「物納」も可能だが、現在、返上の認可を受けた基金がすべて現金で返上した場合「一・五兆円の売り要因になる」と壁谷氏は試算する。
「二〇〇四年末までは株式需給の根本的な改善は見込めない。市場の買い手は政府の意向が及ぶ公的年金資金を除けば企業の自社株買いくらい」(外国証券の営業担当者)とのつぶやきが漏れてくる。相場全体の重しが取れないなかでは、個別株の需給に着目した投資戦略に徹するのも一法かもしれない。
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表上は自社株買いの余地の大きい銘柄のランキング。BNPパリバ証券の保科正則グローバルポートフォリオ・トレーディングは「過去に自社株買いの実績があり、枠を使い切っていない銘柄に注目」と話す。上場企業は今年こぞって自社株買いの枠を設定したが、実行姿勢には濃淡があるためだ。ランキング上位ではトヨタ自動車、NTTドコモなどが今年度すでに実施し、しかも枠を余している。ソニーは余地が最大だが昨年度までを含め実績はない。
表下は今年度の実施額上位。枠を使い切った企業は今年度はもう買い入れできないが、NTT、セコムなど金額ではなく株数の上限に達したことで買い付けを終了した企業が多い。大和総研の壁谷氏は「こうした企業は買い入れ資金面で余裕がありそうで、来年度の実施にも期待を持てる」と指摘する。
(森安圭一郎)
【表】自社株買いの余地のある銘柄
銘柄 既に買い入れた額(億円) 買い入れ枠に占める実施率
(%) 買い余地(億円)
ソニー 0 0 6,500
トヨタ 2,019 33 3,980
日立 0 0 3,000
NTTドコモ 2,344 46 2,655
松下 374 12 2,625
野村 0 0 2,500
任天堂 258 10 2,241
日興コーデ 0 0 1,800
武富士 29 2 1,470
富士重 4 0 1,395
HOYA 0 0 1,050
三菱商 0 0 1,000
UFJ 0 0 1,000
アコム 0 0 1,000
デンソー 63 6 936
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【表】自社株買いの実施が多い銘柄
〓〓 ★印は買い入れ枠の上限に達したところ 〓〓
株数(万株) 金額(億円)
NTTドコモ 87 2,344
トヨタ 6,804 2,019
NTT 20★ 862
ファナック 1,499 809
セコム 800★ 433
京セラ 500★ 414
東燃ゼネ 4,188 400★
松下 3,000 374
花王 1,089 300
任天堂 220 258
マブチ 200★ 238
村田製 343 220
大東建託 677 165
アイシン 1,000 161
シャープ 1,203 155
(注)いずれも大和総研調べ、11月22日現在。株数、金額とも今年度の買い