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(回答先: 電力自由化:電力会社は発送電分離阻止に安堵 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2002 年 12 月 27 日 21:35:30)
総合資源エネルギー調査会の電気事業分科会が27日まとめた電力自由化の枠組みでは、自由化の範囲や制度が決まったものの、原子力発電と電力自由化をどう両立させるかについては結論が得られなかった。電力の自由化が進むと、コスト面で原発は不利な立場に追い込まれる。政府は05年末をめどに核燃料サイクルを含む原子力発電の収益性や官民の役割分担を改めて検討することになったが、電力会社は「原発が本当に優位なのかオープンに議論したい」としており、自由化をきっかけに原子力政策が方向転換する可能性もある。
電力の自由化で、新規参入の電気事業者の大半は、余剰の石炭火力発電所を利用してコストの安い海外炭を燃やし、安価な電力を供給する。これに対し、既存の電力会社は1基約4000億円と膨大な初期投資のかかる原発を「国策」として建設し、40年間以上の長期にわたる運転で採算をとろうとしている。
このため「原発は短期的にはコスト面で不利だ」と電力会社は主張。政府は原発の発電コストが1キロワット時当たり5.9円で、石炭火力の同6.5円より安いとしているが、電力会社は「現実的でない」と反発している。使用済み核燃料の再処理など核燃料サイクルを含めるとコスト面や安全面で未知の領域もあり、「原発にこれ以上、手を出したくない」というのが電力会社の本音だ。
電力自由化が進むにつれ、初期投資がかさむうえ、トラブル続きの原発は電力会社にとっては重荷となりつつある。05年末に向けた政府の原子力政策の検討会の中で、電力業界は「自由化問題と原子力政策のあり方を原点に返って議論し、現実的な選択をすべきだ」(電気事業連合会幹部)と主張している。 【川口雅浩】
[毎日新聞12月27日] ( 2002-12-27-19:59 )