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電力各社は、今回の電力自由化論議で「発電」と「送電」の分離(発送分離)が見送られたことに胸をなでおろしている。当初、欧米並みに自由化を進めるには「電力会社の発電部門と送電部門を切り離さないと、新規参入者が支払う託送料金の透明性が図れない」と推進派は主張。しかし、発送分離は電力会社の分社化につながるため、各社とも「一体運用でなければ安定供給に支障が出る」などと反論し、結果的に電力会社は現状の体制を維持することに成功した。
託送料金の公平性と透明性を確保するため、電気事業分科会は料金設定のルールを策定して監視する中立機関を設置するとともに、電力会社内で送電部門の収入と支出の会計を分離することなどを盛り込んだ。電力会社は「発送分離しなくても、競争の環境が整備された」と評価。各社の関心は「具体的にどんな制度をつくり、運用するのか」など、早くも今後の展開に向かっている。
発送分離という電力会社にとって「最大の危機」を乗り越えたことで、電力会社は将来的に全面自由化が進んだとしても「安定供給を確保しながら、新規参入者と競争できる」と、自信を見せている。 【川口雅浩】
[毎日新聞12月27日] ( 2002-12-27-20:00 )