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中国経済は今、高成長が続くなかで、デフレが進行するという異常な事態にある。WTO加盟による価格低下が顕著だが、供給過剰という、日本と似た状況もある。巨大市場化、世界工場化を歩みつつある21世紀の「経済大国」の明日は大丈夫か、を検証した。
シン サイヒン
沈 才彬
(三井物産戦略研究所中国経済センター長)
現在、中国経済は景気好調が続いている。2002年通年のGDP成長率は8%、1人当たりGDPは1000ドル、輸出入総額は記録の6000億ドル、直接投資(実績ベース)は史上最高の500億ドルに達する見通しである。しかし、高成長の陰に難題も山積しており、そのうちのひとつはデフレ問題である。
中国の統計によれば、02年1〜6月期の小売総額は前年同期に比べ8・6%増となっているが、伸び率は前年同期比1・5ポイント減少した。02年1〜7月の小売物価指数と消費者物価(サービスを含む)指数はそれぞれ前年同期比1・9%、0・8%下落した。特に、消費者物価指数は02年10月までに連続14カ月の下落を記録し、1997年のアジア通貨危機以来の2番目の厳しいデフレ状態が続いている。
生産財価格と原材料価格の下落にも歯止めがかからない。01年12月の生産財価格は同年1月に比べ7・2%低下、02年1〜4月はさらに前年同月比それぞれ6・3%減、5・4%減、4・7%減、4・4%減となっている。原材料価格も昨年の連続下落に続き、02年1〜4月の価格はさらに前年同月比それぞれ4・8%減、4・6%減、4・7%減、3・8%減を記録した。4月以降も生産財価格と原材料価格の下落が止まりそうな気配を見せていない。 (以下はエコノミスト本誌で)