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(回答先: 世銀やIMFの影響力について>あっしらさん 投稿者 楽観派 日時 2002 年 11 月 24 日 14:42:11)
楽観派さん、こんばんわ。
IMFと世界銀行は性格が異なるので、今後予測される発展途上国及び韓国で生じる金融危機について批判の矢面に立たされるのはIMFだけだと思います。
世界銀行は、先進国を中心とした世界各国の拠出金を開発資金として融資する機能ですから、政治的に米国も認める国であることが条件になりますが、開発プロジェクトの正否と返済能力の審査能力が問われることになります。
アルゼンチン向け融資が焦げ付けば、世銀の格付け低下問題もありますが、各国の拠出金負担が増大することになります。
世銀の格付け低下は、アルゼンチン向け融資が焦げ付きというより、世銀方式の開発融資がはたして今後もうまくいくのかという大局的な見通しの問題に関わります。
アルゼンチンと同様の焦げ付きが拡大する可能性やきちんと返済される新規融資先の有無が問題になりまします。
余剰資金を保有している銀行や投資家が世銀債を購入する判断基準は、ほかの債券と同じように金利と安全性です。世銀存続のためであれば渋々応じても、世銀債の債務履行のために、各国が拠出金を負担し続けることはないでしょう。
IMFは、インドネシアに対して強制した危機対応策で不評を買ったために、政策の軌道修正を行っています。
このよう動き自体が、今後予測される発展途上国及び韓国で生じる金融危機について批判されることを先回りして避けるものだと言えます。
融資を取引材料に対象国家の金融・財政・経済政策を規定できる公的機関はIMFしかなく、批判を受けながらも強い影響力を持ち付けることになります。
IMFが影響力を失うのは、“失政”ではなく、国際金融システムが変わったときでしょう。
アルゼンチン問題は、IMFにもアルゼンチンが長期的に債務を履行できるようにするための打開策がないからもめ続けていると考えています。