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小泉内閣
「政策転換ではない」首相強弁
◆与党幹部「心配」「不満」 「はっきりしない中身」
21日決定した補正予算編成の骨格に対し、与党側には不満が渦巻いた。
自民党の麻生政調会長は「今日の補正予算だけを見れば、かなり心配だ。倒産、失業の増加にきちんと対応する覚悟が政府にあるというメッセージが感じられる補正かな、という感じがする」と指摘した。公明党の冬柴幹事長は「満足ではないが、総合考慮した時、ここがギリギリかなと折り合った」と不満を表明し、保守党の二階幹事長も「与党としては不十分」と言い切った。
政府与党政策懇談会に臨む小泉首相。右は塩川財務相(21日夕、首相官邸で) 与党側は、補正予算編成を機に、デフレ阻止のための大規模な財政出動と、緊縮財政路線からの転換を図ろうと考えていた。しかし、首相は、自らが政権発足当初から掲げている新規国債発行額の「30兆円枠」にこだわり続け、結局、デフレ阻止の効果が到底期待できない「性格がはっきりしない中身」(与党幹部)にとどまった。
首相は、21日夜の政府・与党政策懇談会でこう強調した。
「今、不景気だからといって、いくらでも積むわけにはいかない。2010年のプライマリーバランス(国債発行による収入と国債元利払い費を除いた基礎的収支)を考えると、後世への政治責任がある」
首相にプライマリーバランス言及の“知恵”をつけたのは竹中経済財政・金融相だ。12日に首相と会談した竹中氏は「2010年代初頭にプライマリーバランスを黒字化する。これが路線の根幹です」と進言した。
〈30兆円枠は突破しても、プライマリーバランスを掲げれば、財政規律を守る路線に変化はない――つまり政策転換ではない〉という理屈だった。
首相は、30兆円枠に代わる「財政規律の枠」として、この言い回しに飛びついた。補正予算編成=政策転換と受け止められることを最も恐れたからだ。
3日後の15日、首相は経済財政諮問会議で、補正予算編成を示唆しつつ、こう続けた。
「『改革なくして成長なし』路線が幹だとすれば、四季を通じて葉っぱが変わるのを見て、幹まで変わったというのは当たらない」
日本経済という「幹」が枯死しかねないデフレ不況のさなかに、首相がこだわったのは「政策転換ではないこと」だった。
首相は、税収不足の補てんとセーフティーネットの拡充のための補正予算にとどめようとする塩川財務相と、「マクロ経済の観点から、5兆円ぐらいの穴埋めが必要」と考える竹中氏との間の調整に乗り出すこともなかった。
首相は21日夜、記者団に語気を荒らげた。
「どうして政策転換というのかわからない。改革路線まっしぐらです。どこを見て、政策転換というのか、あきれている」
首相がこれまでの言動と面目にこだわる限り、デフレ克服への道のりは険しいと言わざるを得ない。(政治部 高木 雅信)
(2002年11月22日)
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