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(回答先: 複数の機関の調査でもあてになりません 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 18 日 23:23:57)
割り込み失礼!
国民の約3分の2が小泉内閣を支持しているのは恐らく本当だと思う。世論調査は、いくつかの機関が、それも一回かぎりではなくしょっちゅう行なっている。政府、あるいはメディア当局が、一回だけならともかく、調査が行なわれるたびにデータを改ざんするのは容易ではない。誘導質問などで、最初からできるだけよい数字が出るように仕組むことはある程度可能だが、それにも限度がある。コンピュータで集計した結果まで変えてしまうようなことをするだろうか。今度は支持率を何%ぐらい上乗せしようかなどといちいち頭をひねるとは思えず、また虚構の数字を決定するための尺度もない。またそんなインチキをやっているうちに必ずどこからかばれる。ばれたが最後、小泉政権は崩壊する。
国民の68%が小泉首相を支持している理由は、小泉のルックスとミーハー性にあると思う。スペインの哲学者、オルテガ・イ・ガセットは、19世紀後半以降、倫理や規範を表象する貴族が没落した後、一般大衆が社会の前面に躍り出て、大衆がその無知と愚昧さを臆面もなく社会に押し付けるようになったと「大衆の反逆」の中で書いているが、まさに“大衆社会”の極み、あるいは“衆愚政治”の真っ只中にあるのが現代ニッポンである。
大衆社会、つまりミーハー社会では、ことに日本はそれが如実に出ているが、いかに知能が優れ、有能で、かつ人格高潔な人であっても、偉人は敬遠される。どこかに親しみの持てる、可愛がることができそうな、かっこよい、要するに身近にいてほしいような人物が好まれる。アイドル性といってもよいが、芸能界のみならず国家の指導者にもそれが求められるまでに至った点が喜劇、あるいは悲劇である。小泉純一郎、田中真紀子がそれにピッタリだ。小泉は「構造改革を断行する」と同じことしか言わないが、その気難しくない、軽いが自信ありげな、ハッタリ的明解さがミーハーに受けていると思う。
支持率68%の“意外性”で重要な点がもう一つある。投票率の低さから選挙結果には表れない若年層の動向が、世論調査には出ていると考えられることである。若者は、いわゆる「50年体制」の残滓だとか利権重視の抵抗勢力だとか垂れ流し無責任銀行経営とか、そういったバブル期に浮かれた古い価値観から早く決別しろと言っているのだ。「小泉、竹中が大掃除をしてくれると一抹の期待を抱いているのではないか。
今は歴史上の大転換期である。ミーハー大衆にはそれが分かっていない。小泉総理は、支持率が高いうちに、現在の日本がたいへんな危機的状況にあり、大手術が必要であり、銀行を国有化しなければならないとか、増税に耐えろとか、将来はこうなるだろうとか、国民に向かってテレビで特別番組を組んで分かりやすい言葉で大演説すべきである。もっとも、彼やその周辺にそれほどの危機意識がなければ話にならないが。