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(回答先: 終局を迎えたイラク問題「国連外交」 − 日本は「世界最終戦争」で再び“敗戦”する愚を犯すのか − 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 08 日 18:12:39)
あっしらさん。 こんばんわ。 またレスしてしまいました。 回数が多くてご迷惑かもしれません。 つまらなければ、いちいちレスする必要はありません（お忙しいことは分かっております）。
（新決議案について）
フランス等は最後まで反対なわけで、米英の顔を手ひどく潰さない程度で事態収拾ということでしょうね。 拒否権行使は避けられる程度の僅差否決という方針でしょうか。
日本は英米のために中間国を説得買収という役回りでしょう。
従って、今後、米英日三国対イスラムという図式で戦争をすることになりそうです。
（日本政府の見通し）
私も何回も投稿したんですが、日本政府は、イラク戦で早期終結くらいの見通しで参戦しようとしています。
歴史が見えていないんです。
（世界最終戦争について）
戦争史の区分について完全に同意致します。 １９１４〜１９４５年は一連の戦争期−つまりナポレオン戦後体制の徹底変革否定期ですから、一連のものとして捉えるべきなんですよね。
今回は、湾岸戦争−第一次世界大戦
中東戦争−第二次世界大戦
という区分になりそうです。
以前に投稿した年表ですが、未見の読者のために、再度年表要旨を掲げます。 いわゆる「７２年周期説」（これ自体は周知）に従って作成した年表です。
（ここは未見の読者用です）
対比年表
年数Ａ Ａ＋７２ 事件 年数Ｂ 事件
１３ ８５ 日本不況 ８５ 円高不況
１４ ８６ 大戦開始 − −
日本バブル経済開始８６ 日本バブル経済開始
国際化、成金の時代 国際化、成金の時代
１８ ９０ ロシア、ドイツ ９０ ソ連崩壊
オートリア崩壊
一次大戦終結 冷戦終結
日本好景気（輸出） 日本好景気（輸出）
− ９０ 湾岸戦争
（分水嶺）
ナポレオン戦後処理体制の終結と ヒトラー戦後処理体制の終結と
世界新秩序 世界新秩序
国家主権の部分否定 国家主権の部分否定
（分水嶺）
２０ ９２ 東京株式大暴落 ９０ 東京株式大暴落開始
９１ 日本不動産暴落開始
２２ ９２ 米国株式上昇開始 ９２ 米国株式上昇開始
２０年代９０年代 米国好景気 ９０年代 米国好景気
（自動車、電話技術） （ＩＴ革命）
２３ ９５ 関東大震災 ９５ 阪神大震災
２９年 ０１年 米国株式下落開始 ００年 米国株式下落開始
２９年 日本デフレ進行 ０１年 日本デフレ進行
浜口内閣成立 小泉内閣成立
３０年 ０２年 日本デフレ深化 ０２年 日本デフレ深化
井上金輸出解禁 竹中速水会計国際化
円高金兌換 円高政策
３１年 ０３年 米国株下落継続 ０３年 米国株下落継続（？）
昭和恐慌 平成恐慌（？）
大型倒産 大型倒産（？）
浜口首相暗殺 小泉首相退陣（？）
ポンド金兌換停止 ドル通貨危機（？）
（ポンドは米ドルに覇権移行した。今回は次の覇権国がないし、管理通貨制度なので、おそらくパターンが異なる）。
３２年 ０４年 井上総裁暗殺 ０４年 竹中更迭（？）
日本株式底打 日本株式底打（？）
高橋金輸出禁止 会計制度国際化後退（？）
積極財政に転換 積極財政に転換（？）
農村経済壊滅 地方経済壊滅
農村から都市に人口移動 農村から東京に人口移動
３３年 ０５年 政党政治崩壊 ０５年 政党政治崩壊（？）
体制翼賛体制 体制翼賛体制（？）
軍国主義化 軍国主義化（憲法改正？）
欧米と利権衝突（孤立化） （？）
恐ろしいほど適合しています。
長期経済波動とも一致しているようです。
この年表には戦争がありません。
しかし、対イスラム戦争が、満州事変、日華事変の代わりになってしまうかもしれません。 年数的にもほぼぴったりです。
（「世界最終戦争」論について）
「軍人である石原莞爾氏は、“大量破壊兵器”の出現から「第二次世界大戦」を「世界最終戦争」と見通した。軍事論的に言えば、それは正しい。相互が“大量破壊兵器”を保有し合っている大国同士の戦争は、「第二次世界大戦」で終わったと考えている。」
この問題についても、私はいやな予感を持っています。
ナポレオン戦後体制時の戦争を規定したのは、クラウゼブィッツの戦争論でした。 軍事は外交の延長というアレです。 これが１９世紀的近代国家概念に適合することは周知事項です。 クラウゼヴィッツ的戦争論は、第一次世界大戦において破産しました。
ヒトラー戦後体制後の戦争を規定したのは、石原戦争論だったんでしょう。 事態は石原氏の予想を超えて進展し、代理戦争、ゲリラ戦争を生み出しました。 しかし、大枠としては生きていたと評価しても良いと思います。 しかし、今回破産するんでは。
「しかし、「世界最終戦争」＝『第二次世界大戦』が世界構造を根底から変えることを目指すものである限り、その戦いは、妥協のない血みどろの悲惨なものになる。」
今回は都市ゲリラ戦になりそうです。 占領地域において、ゲリラは人民の海に隠れ、昼間はサラリーマンとして働き、夜間は破壊活動を行うのかもしれません。 しかし、もしイスラム法支配地域で「絶滅戦争」まで言ってしまったら、そのときには先進国都市で都市ゲリラ戦争が始まるのではないか。 先日の韓国地下鉄火災を思い出します。 これ以上書くのは止めます。 あまりに不気味だ。
「戦争が政治目的を対外的に追求するものである限り、戦争で勝利することは序の口でしかない。相手に、政治目的を受け入れさせ、それで確立した政治・経済制度が安定的に持続するようになることが唯一の勝利条件である。」
これは無理ですね。
軍事力で負けるわけはありません。 しかし、戦争には勝てません。 都市ゲリラ戦は神経戦となります。 やがてマスコミが敵に回ります。 先進国民は、無能な政府に怒りを抱き、信用しなくなります。 テレビは毎日のように凄惨なゲリラ戦現場を放映するかもしれません。 経済的に困窮し、恐慌状態となります。 〜のために戦争をやっているのか分からなくなります。
「「世界最終戦争」に敗北した側は、戦後構築される世界に従来的立場では加わることができないからである。」
敗北した日本に席はありません。 その点に完全に同意致します。 年表からの計算値は１９４５＋７２＝２０１７年になります。 近代日本の４０年サイクルともほぼ合致しています。 悲惨極まりない事態になりそうです。
（憲法および国際法問題）
憲法についていえば、イスラム国家から見ると何の関係もありません。 米軍は日本の傭兵です。 悪いことにフランス、ドイツといった他の経済大国が脱落してしまったので、スポンサーは米国と日本しかいません。 折半になります。
憲法で、人類の理想としての平和を格調高く宣言し、米軍を傭兵として大戦争を遂行し、自らは前線に兵士を送らない。 最低の存在と見られますね。
（戦前との類似：統帥権と安保条約）
戦前は、統帥権とかに訳の分からない（私にとってです）論議があり、日本軍の戦線拡大、暴走を止めることができませんでした。
今回は、米軍の暴走を止める方法がありません。 米軍が戦線を拡大しても、シビリアンコントロールが効かないわけです。 だって文句を言う意思が政府にないんですから。
我々は、形を変えて戦前と同じことを繰り返そうとしていると思うんですが。
米国の「武装解除」憲法と安保条約との組み合わせを受け入れたことにこの問題の根源があります。
ここに「カルタゴの呪い」を感じております。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。