現在地 HOME > 掲示板 > 議論・雑談8 > 512.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 米英のイラク戦争の真意:あっしらさんのご説明、中近東に近代制度を持ち込むこと、という考えに矛盾と限界を感じています。 投稿者 花電車 日時 2003 年 2 月 28 日 01:23:23)
花電車さん、こんばんわ。
興味深く貴重な論考を拝読しました。
全体を読んで、まず、「近代化」概念の理解が違っていると思っています。
花電車さんが定義された「近代化というのは、市民的自由を基礎とした民主主義を基礎とした資本主義体制のことです」は、近代を宣伝する言葉でしかありません。
私が「近代化」を定義すると、「中央銀行の貸し出しから始まる貨幣経済の普遍化を通じた経済支配層のための貨幣蓄積極大化システム」です。
資本主義(機械制大工場を基礎とした産業)も、そのための手段として育成され発展したものです。
政治制度や価値観は、「近代化」がスムーズに達成できるのなら何でもいいのです。
(多数が不満を膨らませたり反乱に向かうことがないようにするためには、ウケがよく今はいい世の中なんだと信じられる説明が必要です)
>米英超権力が、米国民に対しやろうとしていることは、市民的自由を制約し、全体主
>義・警察国家を樹立すること、民主主義の完全な死なのです。このアメリカ国内への
>政策構想とアメリカ国外への政策構想が分裂していることは考えにくいのです.両者
>は一貫性のある統一的な構想でつながっていると思います.超権力が中近東でやろう
>としていることは、米国内向けの政策を類推する必要、あるいは、それが反映されて
>いると考える必要があると思います。
ご指摘の内容は理解しているつもりです。
これについては、以前書いたのですが、今回の「対イスラム戦争」がどういうかたちでも終わったら、従来の姿に戻ると考えています。
なぜなら、恒常的な「全体主義警察国家体制」は、コストがかかる上に敵対行動を醸成する危険なものだからです。
それならば、檻に入っていると思わせないで、檻の中で自由に遊ぶなり叫ぶなりしていてもらったほうがずっと得です。
とっくにというか端からというか、市民的自由は言葉だけのものです。
農地などの生存基盤を所有せずひとに雇われて生存を維持している人が大多数です。
自分で生存基盤を所有していない人は、古来から“奴隷”なのであって、市民でもなければ自由人でもありません。
我々の多くは、自覚していないだけで、とっくに奴隷以下家畜以下の存在なのです。
(奴隷は所有者が必要のためとはいえ生存を維持してくれます。今の家畜は酷い扱いを受けていますが、それでも最低限の面倒を見てもらっています)
奴隷の戦いの成果というか、そうしなければ経済が立ち行かなくなったことで、財がもっと買えるようにと賃金が上昇し、反乱を起きないようにと、福祉と銘打って奴隷同士の相互扶助に近い国家による最後の救済(生活保護)が用意されています。
(福祉は国家の庇護ではなく、奴隷同士の相互扶助なのです)
民主主義も、自分で判断し選択しているようであっても、学校教育やメディアによって醸成された世界観や理念からなかなか自由になることのが現実ですから、与えられた少ない選択肢から選ばされているだけです。
(メディアは、ウソも付いていますが、ウソを付かなくとも伝える事実を選別するだけで意識を操作できます)
>つまり、米英は、中近東に対しても、近代法の基礎となっている市民的自由,民主主
>義を入れることを、本質的には考えていません.せいぜいあくまで、偽装民主主義です。
私流の定義による「近代化」が主要目的ですから、「民主化」は、効率的な近代化の維持や攻撃のもっともらしさを演出するお飾りのようなもので、本気で理念の実現化を追求するわけではありません。
(近代システムをイスラム世界で安定的に維持するためには、ひとをばらばらの個人にしてしまう民主主義は有効です)
市民的自由や民主主義は上述のようなものですから、どこでも「偽装民主主義」です。
偽装なんですから、私が定義した「近代化」を中東で達成したら、その上に立つ統治システムを中東型民主主義とかなんとか言って称賛するでしょう。
中南米に軍事強権政権を樹立し擁護してきた実績がある米国ですからね。
>最近驚くのですが、アフリカ諸国でも、バイオメトリクス(生体認証システム)を基
>礎としたチップ入りの国民IDの導入が急速にすすんでいます。米英が考えているのは、
>各国にチップ入りの国民IDカードを持たせること、そのあと、そのデータベースを各
>国横断的につなげること、つまり60億人全員に、固有のひとつの背番号を与えるこ
>と。チップの中に個人情報をすべて盛り込み、コンピュータで統一管理すること。イ
>ギリスでは立法化がすすめられていますが、すべての自動車車両にGPSと個別番号を
>与えること.これを地球のすべての自動車にあたえること。また現金決済を廃止し、
>すべて電子マネーとし、国民IDカードでのみ決済させること。選挙システムはすべ
>て電子投票とし、国民IDカードがないと投票できないこと(誰が誰に投票したか事
>実上すべて分かるし、選挙結果をコントロールできる)。監視カメラをありとあらゆ
>るところに横溢させ、データベースを地球的に統一管理すること。最終的にはID
>カードはマイクロチップとなり、生まれたばかりの赤ちゃんの体内に埋め込まれ、生
>涯、体から除去できないようにすること。この段階で、将来の進んだ技術で衛星軌道
>から体内のチップを読み取れるようにしてすべての人間の動向を一挙手一投足を把握
>し、管理できるようにすること。
このような方向性には大きな危惧を抱いています。
どれも簡単な理屈付けで、人々に受け入れを認めさせることができるものです。
逆に言えば、気にしなければ、管理制御されていると自覚しないで済んでしまうシステムでもあります。
現段階で支配管理されているとか奴隷であるといった自覚がされていないのですから、それをより効率的に行うための仕組みを提示されても、「それは便利で効率的だ」と思う人がけっこうな割合でいるのではと思っています。
>こうしたながれを国連を乗っ取った上で(クリントンなどを事務総長にする)、世界
>的統合のもとに、順次断行していこうとしているのではないか、とみられます。反テ
>ロ法を各国内で推進し、それにより、市民的自由を順制約し、表現の自由を限り無く
>狭め(平和と民主主義を標榜する連中を潜在的テロと規定)、電子投票機を導入。こ
>れを地球的レベルでやろうとしているのではないか。
>つまり、歴史的に、地球において近代主義を終焉させること、特殊権力による、地球
>的れべるでの全体主義、奴隷的管理体制の時代ヘ、移行させようとしているのではな
>いか。人類の奴隷化が、英米超権力の真の意図とわたしはみています。
世界を手に入れるというのが、世界支配層の目論見だと思っています。
そのために、単一の政府と単一の中央銀行を世界にうち立てようとしているはずです。
それには強く反対していますが、これまでの日本や欧米諸国が自由で民主的なものだと考えている人には、そうなったときの世界も、自由で民主的なものだと感じるはずです。
言いたいこともいえない、遊びもできないという状況をつくっても、得にならないどころか、反乱の危険を醸成することになるだけです。
米国の現在的状況は、「対イスラム戦争」に対応した特殊なものです。
必要と判断したら、「全体主義、奴隷的管理体制」を目に見えるかたちで強化しますが、そのような体制をつくることを目的として動いているわけではありません。
世界経済支配層は、あくまでも、貨幣的富の極大化を効率的にできる世界支配をめざしています。
ただし、今後、「世界同時デフレ不況」が深刻化しますので、それがもたらす社会不安や秩序紊乱に対処するために様々な策動が行われるとは思っています。
また、「世界同時デフレ不況」に対応するために、供給力の破壊や過剰人口の“処理”が行われる可能性もあります。
(供給力の破壊に関しては、日本は標的にされやすい立場にあるので要注意です。過剰人口の“処理”は、アフリカ・中東・中央アジア・南アジア・東南アジア・中南米なのが標的にされやすいと思っています)
いずれにしろ、おっしゃれるような危険性を回避しまっとうな世界に戻すためには、「近代」の“まやかし”をできるだけ多くの人が自覚することが肝要だと考えています。