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(回答先: 「グローバリズム」 投稿者 不明者 日時 2003 年 2 月 04 日 14:00:40)
不明者さん、こんにちわ。
>この対比は、「大きな政府」対「小さな政府」の対立としては理解できるのですが、
>それにグローバリズムをからめるというのは正しいのでしょうか?
>確かに「小さな政府」という思想は「大きな政府」という思想よりも外来的要素が強
>いのでそう見えるかもしれませんが。
まず、レーガン政権が「大きな政府」をつくり、現在のW.ブッシュ政権が「大きな政府」をつくっているように、イデオロギーとして「小さな政府」を志向する政治勢力が現実に「小さな政府]政策をとるわけではありません。
レーガン政権が米国の“双子の赤字”という構造を基礎づけたことは疑問がありません。
レーガン及びW.ブッシュ政権の動向をみればわかるように、実態は、「大きな政府」=社会保障重視&増税・「小さな政府」=軍需産業重視&減税&赤字財政拡大であり、政府機構や財政支出の多寡にはつながっていません。
(W.ブッシュ政権は国土安全保障省をつくって政府機構を増大させています)
このような意味合いで、「自民党国民経済派+社民党+共産党+民主党左派 Vs. 自民党グローバリズム派+民主党右派+自由党」という政治的対立構図を示したのは、“政府の大小論”に基づくものではなく、経済活動(国民経済)をどのようなもの(目的や役割)として位置付けるのかというイデオロギーに基づくものです。
>グローバリズムという語が濫用されるようになった段階ではなく、本来の科学的定義
>があるのなら誰か教えていただけませんか?
グローリズムという用語は、あるイデオロギー(価値観)の表層的な短縮語なので、科学的な定義があるわけではありません。
私流の理解では、国際金融家が国民国家の障壁を乗り越えて世界レベルでスムーズに利益が獲得できるシステムを構築する動きサポートするイデオロギーです。
これについては、『推奨書籍:ヴィヴィアンヌ・フォレステル『経済の独裁 − ネオリベラリズム批判 −』 <政治家・官僚・企業経営者・ジャーナリストも“グローバリズム”を語る前に一読を!>』( http://www.asyura.com/2003/bd23/msg/144.html )を参照してください。
>第一次大戦で米国民主党がマンロー主義を捨てて参戦したことはグローバリズム。
>第二次大戦で米国民主党が参戦したこともグローバリズム。
>ECが英国に拡大される際に独仏が英国の国民経済的な農業補助金などを廃止させたの
>もグローバリズム。
>ECがユーゴ爆撃を行ったのもグローバリズム。
>米国のブッシュドクトリンもグローバリズムに侵されている。
>と考えると、グローバリズムは基本的にはECや社会民主党の特性ですが、今では思想
>的な対立というよりも単なる資本の運動を表した言葉にもみえます。
>それとも「反グローバリズム」が「マルクス流反資本主義」の後継者になったという
>ことなのですか?
取り上げていただいたいろんな歴史的出来事は、大局的には今日のグローバリズムに近づく過程的なものだとは言えます。
ブッシュドクトリンは、グローバリズムそのものだと思っています。
グローバリズムには、左派的なものと右派的なものがあると思っています。
イデオロギー的には、マルクス主義が歴史先行的なグローバリズム(左派)です。
(昨年のフランス大統領選で、国民戦線のペタン氏が決選投票に残るという事態が発生し、保守派(グローバリズム右派)と左派(グローバリズム左派)が一致してそれに対抗してシラク再選を実現したことが象徴的出来事だと思っています)
「マルクス流反資本主義」の「反グローバリズム」は米国流グローバリズムに反対するものですが、マルクス主義には、“世界市民志向”や“国民国家の超克”というグローバリズム的価値観が色濃くあると考えています。
最後に、「自民党国民経済派+社民党+共産党+民主党左派 Vs. 自民党グローバリズム派+民主党右派+自由党」のどちらも近代主義なので価値観的共鳴はありませんが、グローバリズムに対抗し当座の経済的苦境を緩和するための選択肢は、「自民党国民経済派+社民党+共産党+民主党左派」だと思っています。