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「 田中角栄の呪い」はこれからふりかかる−政治路線について。
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1099.html
投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 3 月 15 日 13:27:03:

(回答先: たぶん、ものすごい、非難を受けると思うが、あえて安易な反米に物申す。根性いれて反米を主張せよ。 投稿者 Ddog 日時 2003 年 3 月 14 日 01:41:20)

  Ddogさん。 こんにちわ。  あえてこういう投稿をされる態度に敬服致します。  非難なんかしませんよ。

   今回のご投稿内容の範囲では、私見をだいたい述べおわっています。
   要約すると、現在の小泉政権の選択は亡国への道だというものです。
   
意見や見通しの対立は当然として(私の意見だって100%正しいというまでの確信は持てません。)、今回のご投稿にはむしろ共感を感じました。
    それは、「政治家」の問題です。

(ただ今のところ心配なのは、アメリカのイラク攻撃に際して、対米批判があり、それだけならば何という事はないが、それが政府の姿勢に影響を与えるようになると、日米同盟の信頼関係に影をさすおそれがある事である。
     現在のような無能な政府には、安易な反米政策はとることはできない、荷が重過ぎる任せられない、政策ミスは致命的命取りになるだろう。)

    「無能」って言うか、私は「路線」の問題だと思いますね。
    現在の政権は、「対米積極全面的追従方針」です。
  このレールは1980年代からきっちりと敷設されています。
現政権は、そのレールの上を走る「お猿電車」です。

    この「路線」問題については、あっしらさんに丁寧なご説明を頂いたことがあります。

(“乳児”精神の無能で臆病なエリート層が国家を支配していること − 主体的に国家間関係の在り方を追求してこなかったツケ −
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/637.html

    読んで「なるほど」と思いました。  
そこで、この路線を「乳児エリート路線」と呼ぶことにします。

現政権は、無能だから対米積極追従なんではありません(対米積極追従路線しか思いつかないことを「無能」と呼ぶのならかまいません)。   それなりに有能だというのが私の観察です。   ただし、その有能さとは、既定路線を国民に納得させるマヌーバーにおいて有能であるという意味です。

振り返って考えてみると、岸首相は対米追従路線でした。
    彼は戦犯です。  心中には米国に対する怨念が渦巻いていたのかもしれません。  しかし、為政者として対米追従路線が正解だと考え、実行しました。  当時の安保反対派は、簡単に言うと、「米国怨念派」と「対ソ連追従派」との混合物だと理解しています。
岸首相の選択は正しかったらしく、その後日本国は高度経済成長を遂げました。  岸路線が保守本流となりました。

この「成功体験」が、「あっしらさん」命名の「乳児エリート」路線を生みました。  この路線を積極的に敷設したのが中曽根氏と理解しています。
    
ここに登場するのが「預言者」田中角栄です。
彼は、「高度経済成長」の申し子であり、預言者です。   彼が池田内閣時とかに大変な有能さを発揮し、経済成長を主導したことは良く知られています。

    Ddogさんは、一つ「呪い」を忘れています。  「田中角栄の呪い」です。
彼は、経済成長と復興の預言者でしたが、それは半面に過ぎません。
「保守本流」路線および「乳児エリート」路線に対するアンチ、異議申立をした政治家だと思います。
彼の脳裏には、日本ロシア国交正常化、日本と技術資本を利用してのシベリア開発まで描かれていました。
彼の日本地図は、普通の地図とは南北が逆だったようです。
日本と中国、ロシアとの通商拡大下では、「裏日本」が主役となります。  これによって日本の地域格差も縮小され、全体的な発展が可能となります。
こういう状況を前提としての「国土の均衡ある発展」を考えていたわけです。

このような路線は、結果的に対米独立路線につながります。  いまいうことを聞かないフランスやドイツみたいな普通の独立国になってしまうわけですね。  この路線が定着成功すると、日本が「死刑囚の檻」安保体制から出てしまいます。

日本国民は角栄を見殺しにしてしまいました。
    角栄の「後継者」は、角栄を裏切り、新派閥を作って飛び出してしまいました。  角栄が敷設した路線の一部だけを使って利権をむさぼる集団になってしまいました。
創政会は、角栄の遺産を食う「遺産生活者」ですから、徐々に力を失っていくことは歴史的必然というべきです。

「乳児エリート」路線は、実質的に対立路線がなくなったため、国家の主導路線となりました(創政会は、路線闘争から逃避し、利権集団になってしまったのです)。

「乳児エリート」路線と「創政会」とは、小渕首相の段階で全面的に手を結んだものと考えています。  小渕首相は、米国のバックアップを権力の源泉とする政権だからです。
      この体制は「翼賛体制」に成長する兆しがあります。 

よって、現政権は、「乳児エリート」路線上をひた走るお猿電車です。
その対抗軸は暗殺され、裏切られ、消滅したのでした。

「第二次世界大戦後に構築された世界秩序は崩壊したのである。国際社会の基礎構造は変質したのである。」という認識があるわけですね。
    この認識が正しいとすれば、今回の戦争は「世界戦争」ですよ。  Ddogさんもそう思われますか?   それなら、私の認識と本当はそんなに変わらないはずですよ。
    
    「日本が米国と決別を決意するのであるなら、しっかりとした下準備と、それなりの覚悟が無い限り、インターネット上で好き勝手を書き込むしかない。現現在のような無能な政府には、・・・・・荷が重過ぎる任せられない、政策ミスは致命的命取りになるだろう。」という述懐には賛成します。

しかし、小泉政権は、世界戦争を戦い抜く覚悟ってあるんでしょうか?  しっかりした下準備とそれなりの覚悟はあるんでしょうか? 
    私は思います。  乳児に世界戦争は無理ですね。

これが「田中角栄」の呪いだと考えています。
 

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