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読売社説:[イラク危機]「日本の国益守る視点を忘れるな」
イラクへの武力行使をめぐり国連安全保障理事会の協議がぎりぎりの局面を迎えている。
米国、スペインと共に武力行使容認決議案を提案している英国は、イラクに武装解除の意思があるかどうかを判断するため新たに六項目の条件を付けることを提案した。
各理事国は、こうした動きも踏まえ、新たな決議を採択し、イラクに最後の圧力をかける必要がある。
安保理では、原口国連大使が、米国などの決議案を支持する姿勢を改めて表明した。「決議案が採択されなければ、イラクを利する」とも訴えた。
米同時テロ以降の国際情勢の激変と、日本の安全保障を考えれば、日本がとるべき道は明らかだ。安保理での演説のように、米国を支持する以外にない。
忘れてならないのは、非難されるべきはイラクだ、ということである。
大量破壊兵器を廃棄した、というフセイン政権の主張は、まだ立証されていない。イラクは再三の国連決議に違反し、無条件、無制限の協力を約束したはずの査察にも、小出しの協力しかせず、時間稼ぎをしてきた。
化学兵器使用の前歴がある独裁国家の無法行為を黙認し、大量破壊兵器がテロ組織の手に渡れば、国際社会にとって深刻な脅威となる。
問題の本質はここにある。いかにしてイラクを武装解除させるかだ。
仏露両国は、米国などの決議案に反対し、査察の継続を主張している。だが、これまでのイラクの態度を見れば、代案にはなり得まい。
イラク問題は、核開発を進める北朝鮮にも大きな影響を与える。イラクの武装解除が中途半端に終わるようなことがあれば、北朝鮮に誤ったメッセージを送りかねない。日本政府は、この点を肝に銘じて対応する必要がある。
北朝鮮危機に直面した時、迅速かつ実効ある対応ができるのは国連ではなく、米国だけだ。
一部に「日本の防衛は安保条約に基づく米国の義務」とし、北朝鮮問題はイラク問題で米国を支持する理由にならないとの声もある。だが、条約が簡単に破棄された例は歴史上、いくらでもある。
北朝鮮が弾道ミサイルをいつ発射するか分からない状況の中で、日米同盟を揺るがす対応は決定的に国益を損なう。
これまでの日本政府の対応は、大筋で誤りはないと言っていい。だが、説明が不十分であることは否めない。世論を気にして口ごもっているだけでは、不信感を高めるだけだ。何のための米国支持か小泉首相はきちんと説明すべきだ。
(2003/3/13/22:21 読売新聞 無断転載禁止)
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★ 昼飯を食いながら紙面で読んだ社説だが、驚くことに、オンライン版では一部が削除されている。
削除された部分は、「イラクが長期に渡って国連決議に違反し続けた」(趣旨)というくだりである。
これを削除した理由を推察すると、岡崎研究所かどこかから、「まずいですよ。それなら、イラク以上に国連決議違反を繰り返しているイスラエルを攻撃しろという論理になりますよ」といった“注意”を受けたたのであろう。
“言論の士”を自認していると思われる「読売新聞」が、いったん公表した論考の不都合な部分を1日も経たないうちに削ると言う暴挙を行ったのである。
自作自演の「不都合な情報は報じない不作為」の典型であり、「読売新聞」がいかにデタラメ世論誘導機関であるかを如実に物語るものである。
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[簡単な反論]
エリート主義や知的上位者意識の持ち主としてはあまりにお粗末な米国支持論である。
>米同時テロ以降の国際情勢の激変と、日本の安全保障を考えれば、日本がとるべき道
>は明らかだ。安保理での演説のように、米国を支持する以外にない。
なんらその具体的な説明がないまま「国際情勢の激変」や「安全保障」という空虚な言葉を持ち出して、「日本がとるべき道は明らかだ」とか「米国を支持する以外にない」と強弁している。
それならば、「国際情勢の激変」や「安全保障」を考えれば、日本の将来を危うくしている「読売新聞」は解体する以外にない。
>忘れてならないのは、非難されるべきはイラクだ、ということである。
イラク攻撃に反対している諸国や人々は、イラクが正しいと言っているわけではない。
仏独露中も、イラクの不十分な協力を非難し、最後は武力を行使してでも「大量破壊兵器」を廃棄させると主張している。
イラク攻撃の是非と「非難されるべきはイラクだ」とはまったく無関係である。
>化学兵器使用の前歴がある独裁国家の無法行為を黙認し、大量破壊兵器がテロ組織の
>手に渡れば、国際社会にとって深刻な脅威となる。
これも、言葉の定義や具体的な例示もないまま、「独裁国家」・「無法行為」・「大量破壊兵器」・「テロ組織の手」といった言葉を使って煽っているだけである。
フセイン政権の化学兵器製造や化学兵器使用をサポートした米英をどう評価するのか、フセイン政権とテロ組織の結びつきはどうなのかを明らかにしない限り、空虚な根拠付けである。
“世俗主義”の「独裁国家」が、“イスラム原理主義”の「テロ組織の手」に大量破壊兵器を渡すと考えること自体が“思考の暴発”である。
“世俗主義”「独裁国家」の政治的支配者は、“イスラム原理主義者”に渡した大量破壊兵器が自分たちを打倒するために使われることを恐れているので、そのようなことをしたりはしない。
この論に基づけば、「大量破壊兵器」を大量に保有している米英露中から、「テロ組織の手」にその一部が渡らないとも限らないことになる。
2001年秋に米国で起きた「炭疽菌テロ」は、米国が保有していた「大量破壊兵器」が「テロ組織の手」に渡った実例である。
>問題の本質はここにある。いかにしてイラクを武装解除させるかだ。
>仏露両国は、米国などの決議案に反対し、査察の継続を主張している。だが、これま
>でのイラクの態度を見れば、代案にはなり得まい。
UNMOVICもIEEAも、「査察の継続を主張している」。
「代案にはなり得まい」の根拠としている「これまでのイラクの態度」を具体的に示さなければならない。
>イラク問題は、核開発を進める北朝鮮にも大きな影響を与える。イラクの武装解除が
>中途半端に終わるようなことがあれば、北朝鮮に誤ったメッセージを送りかねない。
>日本政府は、この点を肝に銘じて対応する必要がある。
北朝鮮がイラク攻撃を見て自国への攻撃を回避するためには、より強固な「先軍思想」を基礎に、米国本土を攻撃できる運搬手段とそれによって引き起こされる破壊力の増大を実現しなければならないと考えると思い至らないのだろうか。
>北朝鮮危機に直面した時、迅速かつ実効ある対応ができるのは国連ではなく、米国だ
>けだ。
北朝鮮は、米国に対して、直接交渉を求め不可侵条約の締結を主張しているだけである。
日本に対しては、9・17のピョンヤン宣言に基づく日朝国交正常化を求めているだけである。
「北朝鮮危機」を米国支持の根拠に使うのなら、「北朝鮮危機」とはどういうものなのかを明確にして欲しいものだ。
>一部に「日本の防衛は安保条約に基づく米国の義務」とし、北朝鮮問題はイラク問題
>で米国を支持する理由にならないとの声もある。だが、条約が簡単に破棄された例は
>歴史上、いくらでもある。
その通りである。
だから、「日米安保条約」も、いつ「簡単に破棄され」るかわからないのである。
重要な視点は、国際法違反の侵略&虐殺軍事行動を支持しないからといって、条約義務を果たさないとか、条約を廃棄するような国家に信を置くことの是非である。
そのような国家との同盟を重視するというのは、あてにならない同盟関係に国家の安全の委ね、それを維持するために、法や道義に反することにも唯々諾々と従う倒錯国家に日本を引きずり込むということになる。
米国にいちゃもんを付けられても、それが日本攻撃に結びつかないよう“自主防衛”を主張するほうが“国益”に叶うことであろう。
>北朝鮮が弾道ミサイルをいつ発射するか分からない状況の中で、日米同盟を揺るがす
>対応は決定的に国益を損なう。
「北朝鮮が弾道ミサイルをいつ発射するか分からない状況」と書いていることから推察すれば、発射が発射実験であることを示唆しており、日本を攻撃するために弾道ミサイルを発射することはないとそれなりに理解しているということだろう。
>これまでの日本政府の対応は、大筋で誤りはないと言っていい。だが、説明が不十分
>であることは否めない。世論を気にして口ごもっているだけでは、不信感を高めるだ
>けだ。何のための米国支持か小泉首相はきちんと説明すべきだ。
読売新聞の社説のような説明をすれば、ますます理解を得られないことになる。
「読売新聞」には、良い訳にもならない論で米国支持を正当化するのではなく、岡崎久彦氏のように、国際法も道義も無関係で米国に付き従うべきだと率直に主張して欲しいものだ。
そして、そこまで米国ブッシュ政権に思い入れを持っているのなら、渡邊社長を隊長とした「読売義勇隊」を前線に派遣することをお勧めする。
そのときに日の丸や星条旗を掲げるのではなく、読売新聞の社旗を掲げるよう要求する。