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「アメリカはならず者国家か?」というテーマで放送された「朝まで生テレビ」に付き合った。
テーマそのものに関してはほとんど紹介するにたるものはなかったが、北朝鮮拉致問題で意味のある情報が流れたので紹介する。
拉致問題の議論のなかで毎日新聞社の岸井成格編集委員が、「5人の拉致被害者の帰国については、日朝間で文書の取り決めがある。その文書では、5人は一時帰国で、北朝鮮に戻ったあと家族で相談してその後の身の振り方を決めることになっている」(趣旨)と発言し、田原総一郎氏が元駐タイ大使の岡崎久彦氏に「そうなんですか?」と振ると、岡崎氏は、「二国間協定ではないが、そのような文書が取り交わされた」(趣旨)と答えた。
出席者のあいだで、拉致を行い数々の嘘をついてきた北朝鮮に5人を返す必要はないとか、外交交渉である限りこちらが約束を破るのはまずいといった議論があったのち、田原氏が岡崎氏に、「とんでもないことをしたり嘘つきの国家が相手でも外交交渉では約束を守らなければならないものなんですか?}(趣旨)と訊ねると、岡崎氏は、「どんな相手でも外交交渉はきちんと手続きを遵守して行うものだ」(趣旨)と答えていた。
小泉政権は、5人を北朝鮮に戻すという約束はしていないと主張し続け、交渉責任者であった田中審議官(当時局長)も約束はしていないと国会で答弁している。
安部官房副長官は、日朝交渉の行き詰まりを打開するために5人を北朝鮮に戻すか第三国に出国させるというアイデアに対して「日朝交渉を阻害する発言」と批判し、困っているのは北朝鮮であり、日朝交渉の妥結を願っているのは北朝鮮だから、5人をとどめたまま交渉しても打開できると主張している。
「救う会」は、拉致被害者の救出というより、キム体制での日朝交渉の決裂を望んでいるようだが、安部官房副長官の身構えもそれに近いものと見受けられる。
9・17に拉致問題も知った上で合意した条件で外交交渉を行うという宣言に署名していながら、外交交渉の体をなさない政策を押し通そうとしている小泉首相とりわけ表に出てプロパガンダを引き受けている安部官房長官に対して高い評価が湧き上がっている“奇妙な”日本が、国際政治で国益を追求していくのは困難だろう。
(戦前、中国大陸の事変を収拾できないまま対米戦に踏みこんでいった雰囲気が窺い知れる国情である)
※ 対米追随をしていれば子々孫々まで日本の安全と繁栄は保たれると言うのが持論である岡崎氏は、今回の番組でも、「アングロサクソンとの同盟が日本の安全と繁栄を保証する」、「アングロサクソンの覇権はあと50年は続く」と主張していた。
日本がおかしくなった時代は、日英同盟と日米同盟の狭間であった25年間だと説明して、その正当性を補強していた。(戦前は英国的政策の後追いをしてドツボにはまり、今や、戦後とりわけ80年代以降より強めてきた対米追随でドツボにはまろうとしているという違った説明もできる)
そして、イラク攻撃についても、正当性や大義名分はどうでもいい、反米的な政権を倒すという米国の行動に日本も付き従うべきだと語っていた。
(日本は思い入れたっぷりでも、米国が同じように考えつづけるかは別問題である。追随して資金や部隊を提供してくれるのはありがたいと思うだろうが)
岡崎氏のようなすっきりしたわかりやすい立場表明は好きです(笑)
日本に米国を止める力はないのだから、ああいう米国と共に歩むのか、そっと距離を置くのか、友好国として諫言をするのかという選択しかない。
※ イラク攻撃を米国の愚策として反対する西部氏は、以前私が書きこんだように、「政府や官僚は対米関係を損なわないように動く一方で、我々はきちんと対米批判をしなければらない」と語っていた。