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(回答先: 英国帰りの記者の目で見た日本の現状←(毎日新聞より転載) 投稿者 座頭市 日時 2003 年 1 月 20 日 21:13:40)
http://www.collectors-japan.com/nevada/main/m_030101_1.html
2002年を振り返りますと、二つ大きな≪誤算≫がありました。一つは、日本国民の危機感の無さがここまでひどいとは想像も出来なかった事と、もう一つは、株式市場で公的な支援買いがここまで出るとは思っても見なかった事です。ここから、この2つの≪誤算≫を解説していきたいと思います。
まず、一つ目の≪誤算≫ですが、日経平均は8,000円台に突入しようが、上場企業が30社近く経営破綻しようが、日本国民は、感情をなくしたロボットのように、殆ど関心を示さなくなってしまったことです。給料が減り、ボーナスが減り、街にはホームレスが溢れてきている光景を見ましても、多くの国民は、我関せずとばかり、全く他人事のように見過ごし、そして、無視を決め込んでいます。
クリントン前大統領が、このように述べたと言われています。『米国でデフレがここまで続けば、暴動が起こる』と。実際、その通りだと言えます。金融機関を救い、企業を救うためと称して、一体何年、ゼロ%金利が続いているでしょうか?
そして、このゼロ%金利で、金融機関・企業は救われたでしょうか?
救われたのは、金融機関の経営者だけであり、金融機関の株主は暴落した株券を前に呆然となり、従業員は賃金・ボーナスカット、退職年金カット等で軒並み収入を落とし、生活苦から犯罪に走る金融機関の従業員も多く出てきています。今まで、最も信用の置けるサラリーマンと言われてきた金融機関の従業員が、犯罪を犯すようになってきているのです。
また、中小企業の経営は、安定したでしょうか?“貸しはがし”という言葉が横行し、みずほに至っては、5兆円もの資金回収を行っており、主要金融機関では10兆円に迫る貸付金回収を行っています。これは、国民の税金である公的資金を入れた目的から大きく逸脱しており、金融庁は、公的資金を一括返済させるべき時に来ていると言えます。
にもかかわらず、金融庁は、知らぬ顔をしています。そして、国民も知らぬ顔を決め込んでいます。誰も責任を取らない社会的なシステムがこの日本には出来上がってしまい、そして国民は怒るどころか、去勢された馬のように、おとなしくなってしまっているのです。
以前、日本国民は、去勢された民族であると述べたことがありましたが、まさに、その通りになっています。この怒りを忘れた日本人は、今後、更なる危機に直面しても、おそらく誰も文句は言わないでしょう。『仕方ないことだ』と。
日経平均株価が8,000円を切り、7,000円までも切ったときに、泥沼に入り込み、追い込まれ、挙句に50%以上の財産没収を受けましても、怒りを忘れた日本国民は、このように嘯くでしょう。『仕方がないことだ』と。ただ、我慢の限界はどこまで続くでしょうか?
政府は、これでもか、これでもかという位、国民を痛みつける政策を行っており、国民は、ひたすら、「お上がすることだ、関係ない、我慢しよう」となっていますが、それも限界があるはずです。給料がカットされ、預金が50%以上カットされ、税金等負担が急増した際には、如何に去勢された日本国民でも、怒りを爆発させることになるはずです。
その爆発が一度に、そして後になればなるほど、破壊力は増していきます。2003年は、この爆発が見られる年になると思います。
二つ目の≪誤算≫は、市場に対する政府の関与がここまで過大になるとは思っても見なかったことです。空売り規制に始まり、年金資金等公的資金を使った徹底した株買い支えは、常軌を逸していました。そして、挙句には日銀による株買取です。2002年に見られました株買い支えは、その後の値下がりで、年金資金等は、莫大な株式運用損を計上する羽目になりましたが、ここでも、誰も責任を取っていません。
いわば、国民の財産である年金資金を、ばくち場である株式市場に投入することが果たして正しい選択なのか。そして、損を計上したのなら、その責任は一体誰が取るのか。
これを皆曖昧にして、2003年も引き続き株を買い支えることになると思いますが、国民が気が付いた時には、年金資金・郵貯・簡保あわせ、数十兆円を超える含み損を抱えることになり、損を埋め合わせるために、公的資金投入を迫られるという、劇画のような状態になると思います。
公的資金で株買い支え 損を計上 税金(公的資金)で損を埋め合わせ 国債発行へ
2003年は、このような図式が明確になると思います。二つの<誤算>は2003年には、必ず清算を求められます。一つは、株価の暴落で、今まで封印してきました金融機関の<負の連鎖>が表面化し、軒並み経営破綻を起こし、国民の財産が、50%以上遺棄されることになることです。
そして、もう一つは、無責任社会が更に進み、日本の社会的なシステムが崩壊し、無秩序状態に陥ることです。既に日本の治安は【非常事態】に陥っていますが、2003年は更に状況は悪化します。
危機的な状況に陥りますが、誰もこれを防ぐ手立ては持っていません。なぜなら、以前から指摘してきていますが、歴史的に見た場合、経済が混乱すれば社会が荒れ、そして、いずれは社会が自壊作用を起こし、社会自体が崩壊するからです。今まで世界一礼儀正しい民族であると言われてきました日本人ですが、今の惨状は、今後の日本の行く末をいかんなく現していると言えます。
2003年の日本は経済が崩壊し、社会が崩壊する、そのような年になると思っています。既に、この準備をされている方が殆どですが、いつ、この社会崩壊が起こりましても大丈夫なように、備えだけは、十分に行っておかれますように。