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(回答先: 石油問題とエネルギー政策 投稿者 愛煙家 日時 2002 年 11 月 18 日 04:18:43)
http://energycrisis.org/de/lecture.html
ご丁寧な記述心よりお礼申しあげます。
わたしの質問は政策形成の方法論という点に重心がありました。結論をいいますと、なるべく多くの報告書を取り寄せ、どのような立場のエンティティーが発表シているのか、石油会社か、証券会社か、コンサルタント会社か、政府か学者かを見定め、政治的利潤意欲的偏りの可能性を画定除去したうえで、平均した数値を集め、だいたいの予測をたて、あとは具体的な数置目標(獲得すべきエネルギー単位量と具体的な日付けなど)を設定して具体的なアクションをとらなければならない、ということなのです。決断しなければならないということは非常に大きなことです。いかにデータを集めても全てが間違っているかもしれないません。しかしそれでも、可能な限りのベストの判断をして、具体的な行動を起こすしかありません。要するに、とにもかくにも、具体的行動計画を練ってかつただちに実行にうつさなければなりません。仮に、国民の生命を保障するということはたいへんな重い責任があることです。
今回のデータは、わたしが目をとおしているもののなかで、孤立していない、平均的なものであり、簡易に紹介するのにふさわしいと判断しました。つまり、このあたりのデータでだいたいのみとおしをつけるのが適当と判断しました。
このデータが経営的なものとお考えなら、大学人であるドイツ人地質学者の独立系レポート(ドイツの大学での講演)をここにご紹介します。どうかご高覧願います。左の方にビデオのタブがありますので、画面で講義を御覧下さい。
http://energycrisis.org/de/lecture.html
彼の結論もほぼ同様です。
ポイントは、埋蔵量より、油田発見量と石油消費量の相関の数値なのです。30年前に比較して石油を発見する方法論や探知機は圧倒的に進化しています。しかし、その最新技術を投入しても、石油を発見するペースが著しく伸び悩んでいるのです。石油を4単位消費する一方で発見できるのは現在1単位にすぎません。消費が伸びる一方、発見が行き詰まりをみせています。このギャップが急速に開いています。極論すれば、石油は存在しているのかもしれません。しかし、ともかく発見できなければどうしようもないのです。70年代のエネルギー危機と本質的に構造が異なることを確認してください。生産が急減するというのは非常にリアルな問題、巨大なインパクトを生む問題ですが、マスメディアも、政策決定担当者もリアルにとらえて備えをしていない現状を彼は真剣に批判しています。埋蔵量ではないのです。事実上の発見の行き詰まりによる生産急落なのです。エネルギーを効率良く使いましょうのレベルではもはやありません。5年以内に、アメリカの全産業を維持していくだけの石油量を維持できなくなることがわかっています。石油文明の終息の足は想像しているよる早いのです。備えや転換が劇的に必要です。
核分裂はとても人間が扱える現象ではありません。リスク管理が経済的にも見合いませんし,核分裂自体の危険性は破壊的です。核融合、世界では日本政府は孤立して核融合を信じていますが常温核融合は非常に意味があり可能であると考えています(某北大教授の研究がその可能性を示しています)。トヨタなどは、欧州に核融合の研究施設をもち、相当な研究費を投入しています。
物事は基本的に、分離すると破壊的な結果、融合すると良い結果がでます。基本的に融合一体化は創造の過程、分離切断は非創造・解体過程です。万物はすべてが一つに一体化しており、分断されたものはひとつもありません。融合の中から大調和が生まれ、そこからエネルギーが誕生します。科学の方法論的にいうと近代科学のデカルト・ニュートンの確立した(機械的要素)還元主義の問題は深刻な問題をはらみ、量子力学の登場をもって、やっと、全体論的(holistic)なもの見方に柁をとりつつあります。これは東洋的な見方、Taoisticなもののみかたに修正がかかりつつあります。
さて、実は、この手のレポートで共通した深刻な問題があります。それは、エネルギー問題の立脚点は、人口と食料の問題だということを見失なっていることなのです。まず大地の養える適切な収容人口、単位面積辺り(例えば1平方位キロメートルあたり)、人間と家畜がどの程度養えるのか。その際、化学肥料を可能な限り減らした上(肥料は石油でできています)で、つまり基本的にその生活地域の範囲(海外やよその土地から運ぶと時間がかかりポスとハーベストの問題や人工保存料の問題がでてくる)の自然界固有のポテンシャルだけで、という条件がつきます(つまり、化学合成物質であるダイオキシンなどをふくまない、安全で健康な食べ物。)このようにして、適正人口を確定した上で、では、必要なエネルギー単位はどのくらいで、それをどのように確保するか。この順序が決定的に大事なのです。過剰人口を放置した条件下で、いくらエネルギー問題石油問題を考えても実は全く意味がないのです。日本の場合、食料自給率から換算すると、日本の大地が生み出せる以上の人間の数となっており、本来、上の条件(自然農法)でいうと現在の10分の1ほどつまり1000万人ほどが限界なのです。輸入を増やせばいいという問題ではないのです。この適正人口にもっていくこと、その上で必要なエネルギー単位を計算することなのです、日本が現在抱えているすべてのひずみはこの自然界の許容能力を超えたところから発生しているのです。日本の財政赤字の問題はこの限界を超えた時点で発生するものです。この点に戻らないことには、永遠に赤字を出し続けるのです、近代諸国がすべて、財政均衡が破綻し、赤字となっている、根源的問題はここなのです。アメリカの財政破綻ぶりはほとんど暴力的ですがその根源にそれがあります。近代のものの見方自体に問題があるのです。先の条件での適正人口に戻せば、ほとんどの問題はすべて解決します。財政も均衡します。これ以外はすべて焼石に水なのです。悪循環はとまりません。また、銀行の金利の問題は、実は自然界の秩序を超えた数字だから問題です。自然界は定常的です。自然界は複利で等比級数的にあがって生産をする能力をもっていません。複利計算にそって価値をうみださなければならなくなっていることが、一番問題なのです。この利息、複利というシステムは反自然のシステムで、破壊をともないます。人口と金利メカニズムの反自然性が近・現代社会の根源になっています(適正人口の範囲に入ると、借金をする必要がなくなるという関係にはあります)。あっしら氏の提唱する、金利廃止は、結論として理論付けは弱いものの結論は正しいものです。
以上のように、石油問題の扱いは、適正人口と安全食料の問題を基礎としなければ決定できない問題です。
ただ、この視点から扱ってないない現在、すべては崩壊に向かっています。急速な崩壊です。
このドイツ人学者の分析,咀嚼に値する優れたないようですのでお楽しみください。