★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ24 > 943.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
米外交問題評議会:朝鮮半島危機を安定させるには――枠組み合意から包括合意へ [フォーリン・アフェアーズ]【「平壌が切望する安全保障上の確約を与え」、最終目標は「朝鮮連邦の形成」】 − 北朝鮮リンケージ・イラク攻撃支持者の愚昧 −
http://www.asyura.com/2003/bd24/msg/943.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 11 日 19:01:24:


朝鮮半島危機を安定させるには――枠組み合意から包括合意へ
How to Deal With North Korea
ジェームズ・T・レーニー
米外交問題評議会・朝鮮半島問題タスクフォース共同議長

ジェーソン・T・シャプレン
前朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)政策顧問

平壌は核開発計画を放棄するには、まずアメリカが不可侵条約に調印すべきだといい、一方のブッシュ政権は、北朝鮮に侵攻する意図はないと表明しつつも、交渉を再開する前に、まず北朝鮮が核開発計画を断念すべきだと主張している。

ポイントは、「北朝鮮の悪事に報いることのないように配慮しつつ、平壌が切望する安全保障上の確約をいかに与えるか」だ。このジレンマを解くには、米日中ロが、朝鮮半島全体の安全と安定を共同で公式に保障すればよい。そのうえで核開発計画を放棄させ、北朝鮮の経済改革、そして、最終的には朝鮮連邦の形成を踏まえた包括合意の形成をめざすべきだ。

<目次>
・危機前は友好ムードが漂っていた 公開中
・二〇〇二年十月以降の危機の高まり 公開中
・北朝鮮はなぜ核開発計画を再開したのか
・なぜ核開発計画の存在を認めたのか
・枠組み合意を批判するのは間違っている
・危機を機会に転じるには
・包括合意への見取り図
・北朝鮮危機の終着駅をどこに定めるか

--------------------------------------------------------------------------------
危機前には友好ムードが漂っていた

 朝鮮半島の緊張を緩和させるのは、これまでも決して簡単な任務ではなかったが、いまやわれわれは、この上なく危険な膠着状態に直面している。北朝鮮の核開発が二〇〇二年十月に露見して以降のこの六カ月間に、北東アジアの安全と安定に重要な意味合いを持つ朝鮮半島で、驚くべき事態が次々に起きた。しかも、この半島が位置する北東アジアといえば、アメリカが十万の前方展開軍を配備し、世界の十二の経済大国のうちの三つが密集する重要地域だ。

 なかでも驚くべきは、北朝鮮が二〇〇二年十二月に、それまで一九九四年の米朝枠組み合意によって凍結されてきた寧辺の核施設を再稼働させたことだろう。ここには、兵器級プルトニウムとその他の使用済み核燃料を分離する再処理施設もある。同様に厄介なのは、平壌が二〇〇二年十月に高濃縮ウラン(HEU)生産計画に着手していることを公然と認めたことだ。この他にも、状況を不安定化させるような事態が起きている。北朝鮮問題にどう対応するかをめぐって、アメリカ政府と韓国新政府との足並みの乱れが生じ、立場の違いが広がりつつあることだ。
 しかし、最近の出来事のすべてが暗く、憂鬱なわけではない。

 二〇〇二年十月にHEU生産計画の存在が発表される二カ月前、北朝鮮は、核開発路線とは正反対の前向きの構想を示す動きを矢継ぎ早にみせていた。二〇〇二年七月に北朝鮮の白南淳外相は、予定されていなかったパウエル国務長官との会談に踏み切り、これは、ブッシュ政権発足以来、最初の米朝間の高官レベルでの接触となった。平壌側は、アメリカの代表団を平壌に招き、一年以内に韓国とも高官レベルでの折衝の場を持つことを提案しただけでなく、韓国との縦断道路・鉄道の再建に合意し、即座に計画に着手した。非武装地帯(DMZ)の一部と、鉄道路線の東西の地帯から地雷を取り除くという行動さえみせた。韓国の釜山で開かれたアジア大会には、平壌は六百人を超える選手と代表団を送り込んだ(北朝鮮が、韓国で開かれる国際スポーツ大会へ参加したのはこれが初めてだった)。加えて、労働賃金の引き上げ、主要産品価格の自由化、中国の沿海諸省に準じた経済特別区の導入など、一連の経済・市場改革路線も打ち出した。対日関係でも、北朝鮮はこの二年間みられなかったような新路線をとり始め、高官協議に打って出た。その後、小泉首相を迎えた首脳会談が実現し、会談のなかで、一九七〇年代から八〇年代にかけて日本人を拉致していたことを認め、生存していた拉致被害者の日本訪問も認めた。

 これらを関連づけて考えても、また個々の動きをみても、北朝鮮側の動きは、この数十年来、朝鮮半島での情勢がもっとも好ましい方向へと向かいつつあることを思わせるに十分なものだった。期待からであれ、必要性からであれ、北朝鮮もついにアメリカ、韓国、日本の懸念を緩和しようと努力し始めたかにみえた。同様に重要なのは、ワシントン、ソウル、東京のいずれか一つの懸念にだけ対応し、あとの二つについては無視して、三カ国間の利害の相克をつくり出すというそれまでの戦術をやめたかにみえたことだ。実際平壌が、米日韓の三カ国に対して同時に前向きの関与策をとったのは、この時が初めてだった。つまり、平壌がHEU生産計画の存在を認め、それまでの外交的進展に急ストップをかけた二〇〇二年十月までは、状況は決して暗くはなかったのだ。

二〇〇二年十月以降の危機の高まり

 HEU生産計画の存在を認めた後、平壌は直ちに、「アメリカが北朝鮮との間に不可侵条約を結ぶのなら、HEU生産をやめてもいい」と申し入れてきた。悪事に報いるような譲歩をしたり、アメを与えたりすることに否定的なワシントンは、北朝鮮がまずHEU生産計画を放棄しないことには、対話には応じないと突き放した。十一月、ワシントンはさらに踏み込んだ措置をとった。「平壌は一九九四年の枠組み合意その他の核不拡散合意を踏みにじっている」という声明を出したワシントンは、北朝鮮への年間五十万トンの重油提供の打ち切りを決定した。それまでは、枠組み合意によって、五メガワットの実験炉、建築中の二基の原子炉、再処理施設が関係してくる北朝鮮のプルトニウム生産計画も凍結されていた。つまり、合意が踏みにじられ、またアメリカがそれを事実として認めたことで、朝鮮半島で壊滅的な戦争が起きる危険さえも取りざたされるようになった。

 同盟諸国の多くは北朝鮮問題を外交的に解決するように求めたが、重油の提供を停止して数週間後、ワシントンは北朝鮮との対話路線についてさらに強硬な態度をみせるようになった。北朝鮮は、寧辺の核施設の稼働を再開すると表明して、これに対抗した。平壌は、核実験施設と原子炉から封印と監視カメラを取り除き、それから数日後には、使用済み核燃料棒を格納庫から移動させ、二〇〇三年二月には再処理工場を再稼働させると発表した。そして十二月三十一日、北朝鮮側は、国際原子力機関(IAEA)の査察官を退去処分とし、一月十日には核不拡散条約(NPT)からの脱退を表明した。

 ソウルと東京からの強い働きかけの下、ワシントンは最終的には対話路線をとることに合意したが、状況はその後も刻一刻と悪化しつつある。現在の膠着状態は、やり方次第では、世界でもっとも危険な地域での問題を一気に解決へと向かわせる分岐点になる可能性も秘めているが、一方で、戦争の瀬戸際までいった九四年以上の深刻な危機に至る危険もある。したがって、適切なアプローチとは、「悪事に報いることなく、北朝鮮に再度エンゲージメント(関与)政策をとること」だろう。

 そのためにはまず、中国、日本、ロシア、アメリカという外部の主要な関係国が協調して、朝鮮半島全体の安全を公式に保障する必要がある。同時に関係諸国は、平壌にアメを与える前に、まず彼らに核開発計画を放棄するように働きかけなければならない。安全が確保され、それが、徹底的な定期的査察で確認された後に、事前に用意しておいた「包括的な合意」を実施すべきだろう。新しい合意は、北朝鮮における踏み込んだ改革、対北朝鮮支援・投資の増大、そして、最終的には朝鮮連邦の形成を踏まえたものでなければならない。

*全文はフォーリン・アフェアーズ日本語版でご覧になれます       

Copyright 2003 by the Council on Foreign Relations, Inc. and Foreign Affairs, Japan

 次へ  前へ

Ψ空耳の丘Ψ24掲示板へ



フォローアップ:



 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。