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断片情報が誘う「陰謀論」フリーメイソン・CIA・モサド・UFO関与説・・・【朝日新聞朝刊】
投稿者 妄想新聞 日時 2003 年 1 月 30 日 11:05:22:

断片情報が誘う「陰謀論」
フリーメイソン・CIA・モサド・UFO関与説・・・妄想呼ぶ

例えば「9・11テロの内幕を知っているか。実は・・・・・・」と始まり、米軍自作自演説やらイスラエル関与疑惑説やらの、驚嘆すべき謀略を真顔で語る。こうした「陰謀論」を展開する書物やサイトが今目立っている。断片的情報は手に入るのに、かんじんの全体像は見えにくく、わからないうちにまた重大なことが起きるのでは・・・そんな不安感につい駆られる新世紀には、陰謀論がなじむのだろうか。(中島鉄郎)

メディアで報じられる大事件の構図に対して、「真実はこうだ」と語るのが「陰謀論」「陰謀史観」だ。陰謀の主役は、秘密結社のフリーメーソンから情報機関のCIA(米)やモサド(イスラエル)、UFOなど、さまざま。評論家の海野弘さんは、陰謀論を30のテーマに分類して調べた『陰謀の世界史』(文芸春秋)を昨年夏、出した。海野さんによれば、陰謀論は情報機関が暗躍した冷戦時代に流行し、90年代に大衆文化として定着。米国では、陰謀文化史が多く書かれ、陰謀サイトも一気に増えた。「コモンセンス(常識)やパブリツク(公)を前提にした大きな議論が90年代に無力化した。知識人の権威が失墜し、正史と陰謀史は区別できるという考え方が崩れた」と、海野さん。CIAの項目を執筆中に9・11テロが起き「新たな大陰謀時代の始まり」を予感したという。

9・11テロは想像を超える事件だっただけに、あらゆる陰謀論の宝庫となった。例えばフランスで昨年3月に出版され、ベストセラーになったチェリ・メサン氏の『恐るべきペテン』。テロは、米軍内の一部勢力と軍事産業の結託して起こした謀略であるとのセンセーショナルな説をとなえる内容だ。〈ヨーロッパで50万部売れた真実の書〉と表紙に刷られたアラビア語版も出た。
アラブ世界の陰謀書に詳しいアジア経済研究所研究員の池内恵さんは「陰謀論の一つのパターンは、公表されずにわからない事件の一部をまず『謎』に格上げして解釈をぐらつかせ、さらに何段階かの論理を飛ばして、『陰謀』にまで飛躍させる」と指摘する。ただ、事実をそれなりに含まないと陰謀論はリアリティーに欠ける。
「偽史」研究者である評論家の長山靖生さんは「情報がある程度オープンに出ており、しかもある程度しかオープンにならないという状況」が陰謀論には必要だとみる。「ミッシングリンク(足りない部分)を思考で丹念に補うのではなく、妄想で直線的に結んでしまうのが陰謀論」。世界中の断片的情報にアクセスでき、好きなように引用・継ぎはぎできるインターネットは、まさに「陰謀のメディア」(海野さん)と言える。
『陰謀の世界史』では陰謀論にはまる心理について「エージェンシー・パニック」という言葉を紹介する。巨大化し、複雑化した現代社会では何事も個人ではなくエージェンシー(代理)が行うため、プロセスが直接見えず、見えない組織に操られているような感覚を持ちやすいと言うのだ。
だが、陰謀論的思考はすべて妄想とも言い切れない。「真珠湾攻撃がルーズベルト大統領の陰謀だったかどうか、今でも研究書が出るように、20世紀の多くの事実はまだわかっていない」と、海野さんは言う。現実の歴史が多くの陰謀に満ちており、権力機関は都合の悪い情報は隠しておくのが常。「公式の歴史も、非公式の歴史もどちらも同じ程度に信じない」(長山さん)くらいの構えが、陰謀時代を生き抜くリテラシー(素養)と言えるのかもしれない。
【2003年1月30日 朝日新聞 朝刊】

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--参考情報--
「陰謀の世界史」海野 弘著 ★書評 法政大学教授・川成 洋

事件の裏にある恐ろしい企て
 人類の歴史は、戦争と革命といった動乱の歴史、といっても過言ではない。ことに二十世紀においては。しかも、不可解、未解決の大事件や動乱が多すぎるのではないか。
 例えば、アメリカの「9・11」テロをうけてアメリカ軍のタリバン攻撃作戦が開始されたが、そのアメリカ軍の投入よりも前に、イギリスが世界に誇るSAS(英国陸軍特殊空挺部隊)がアフガニスタンに侵入し、またブレア首相がアフガニスタンの近隣諸国へ飛び回った事実をどう説明すべきだろうか。
 まさか、イギリスはアメリカの同盟国なので…、とは誰も思わないであろう。これこそ、イギリスの中近東政策というか、戦略以外のなにものでもないのだ。つまり、こうした大事件には、仕掛ける側にせよ、阻止する側にせよ、陰謀の匂いがつきまとう。

 「実は……」で始まる未解決事件の事後説明、あるいは確定済みの事件への新解釈などは、本書によると、よく「青天の霹靂(へきれき)」などといった決まり文句で片付けられているが、その事件が陰謀の企てだったことの証左となっているのだ。
 本書は、陰謀の主体者として、古くからのフリーメーソン、ユダヤから、CIA、MI6、MI5、KGB、モサドといった百戦錬磨の海外秘密情報部はもちろんのこと、世界的に重要な政治家や銀行家、さらに陰謀とは対極関係にありそうなバチカンや英国王室など、三十例の組織や関係者を挙げている。

 しかも、これらは、独自の世界戦略を持ちながらも相互に深いところでつながっているという。ぞっとするほど恐ろしいといえば恐ろしいのだが、本書に収録されたなかで、例えば、「ヴァチカン――ナチス・マフィア・フリーメーソンと世界支配を計画」、「ナチ・第四帝国――ナチ・コネクションは米国に引き継がれた」、「クリントン−クリントン・スキャンダルは英国王室の陰謀」は、なるほど、と妙に納得してしまう。
 現代は、冷戦期とは別個の、目に見えぬ捕捉しがたい「大陰謀時代」といえるのかもしれない。

 (文藝春秋 本体三、二〇〇円)
 法政大学教授・川成 洋
http://www.worldtimes.co.jp/syohyou/bk020826-4.html
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投稿者コメント
★結論。この世界は陰謀で動いている。これは紛れも無い事実である。
陰謀とは妄想などではなく辞書で調べればわかるように「陰謀=戦略」である。
企業戦略無き企業は自滅するだろう。それは国家においても同じである。
陰謀=戦略無き国家は自滅するのである。妄想などと言う言葉にだまされてはいけない。

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