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【ワシントン=永田和男】ブッシュ米大統領は15日、人種的少数派の入学を促進する措置があるために中西部の名門ミシガン大学で白人学生が締め出されているのは憲法違反だ、との見解を発表した。
1970年代以降、人種的少数派や女性の社会進出促進のために大学や企業で採られている積極的差別撤廃措置(アファーマティブ・アクション)の問題点を突いたものだが、民主党や黒人団体はブッシュ政権の人種問題に対する姿勢を追及する構えを見せている。
この問題は、ミシガン大法律専門大学院に入学を拒まれた白人学生が、入試の筆記試験で黒人など少数派の学生には150点満点で20点を加点する制度のために不利を被ったして提訴、制度は憲法違反だと主張しているもの。先月、最高裁が違憲審査を行うと決め、政府の見解が求められていた。
ブッシュ大統領は「制度の核心は、学生に単に人種を理由に恩恵か不利を与えるものだ」と述べ逆差別が生じていると指摘。自身がテキサス州知事時代には人種と関係なく各高校の上位10%以上の学生には州立大への入学を認めていたとも説明した。
大統領声明に民主党からは、大統領選出馬を表明したジョゼフ・リーバーマン上院議員が「大統領は共和党右派におもねった」と非難。黒人指導者ジェシー・ジャクソン師も「大統領は人種問題をわざわざあおっている」と語るなど批判が相次いだ。
民主党は、共和党のトレント・ロット上院院内総務が先月、人種差別的発言で辞任に追い込まれた直後で、「共和党は人種問題に冷淡」とのイメージを強調する作戦に出ている。
共和党内でも、フロリダ州など重要州で近年、黒人、ヒスパニック系の票が勝敗を左右している傾向を踏まえ、14日には一部議員が大統領にミシガン大の制度に反対しないよう求める書簡を出すなどの動きもあり、党内穏健派の間では困惑が広がっている。
ブッシュ政権は16日、連邦最高裁に趣意書を提出するが、政府高官は、趣意書の中では、アファーマティブ・アクションの合憲性を認めた78年の最高裁判決破棄までは求めず、ミシガン大のケースに限定する、と説明。人種問題で大胆な政策転換をはかる意図はないと強調し、論議が来年の大統領選に及ばないよう封じ込めに懸命だ。
(1月16日22:29)