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jimmyさんが紹介している「増田俊男の時事直言」は示唆に富んでいると思います。
前にも書きましたが、日本人は戦略的というか、時間軸の長い発想が苦手です。近視眼的というか、目の前の問に目を奪われがちです。
米国にとって脅威でも何でもないイラクに恫喝をかける行為の真のターゲットはロシアやフランス、中国だ、というのはその通り。イラクをどうこうすることは、圧倒的な軍事力の差を持つ米国にとっては、いつのタイミングでも可能なわけで、高額の軍事費を使ってまで、手を打つとしたら、当然、その対価は(イラクの石油資源の簒奪もあるでしょうが)中東とその周辺国の勢力地図の米国に有利な形での再編、それに伴う「イラクに利権を有する大国へのプレッシャー」、ひいてはイラク周辺地域への軍事的プレゼンス(分かり易くいえば”恫喝”ですな)でしょう。
当面のターゲットであるイラクだけに目を奪われていると、その裏にある米国の中期戦略が見えなくなります。こういう問題点を指摘できるのが、増田氏のように、米国生活が長かった人に限られる、というのも、わが国の弱点です。
ついでに言うなら、北朝鮮問題も同様で、米国の東アジア戦略と、対中国、対ロシア戦略の一環として見て行かないと、拉致といったエモーショナルな要素の強い問題に振り回されて、国際関係の中で何の主導権も発揮できなくなると思います。世界規模のマクロな戦略から、個別事象をみていくトレーニングが必要でしょう。まあ、戦略通りに世の中が動くわけではありませんが。