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イラクが13日、アナン国連事務総長に送った長文の書簡は、怒りと恨みに満ちている。「米大統領は、悪意に満ちた非難をでっち上げて大騒ぎしている」と始まる。怒りは安保理にも向かい、米国の圧力を受けて国連憲章にも、国際法にも反する「邪悪な決議」を採択したのは「恥知らずだ」と決めつけている。
イラク指導部は8日の安保理での決議採択以来、沈黙を守ってきた。頼みの綱のロシアやフランスが支持に回り、アラブ唯一の安保理メンバーで隣国のシリアまでが採択賛成に回った。アラブ連盟の緊急外相会議はこぞって「イラクに決議受諾」を求めた。四面楚歌(しめんそか)の中で、受諾の書簡はこれまで抑えていた怒りをたたきつけたような内容だ。
イラク時間では事務総長への書簡送付は13日夕だが、同日夜には、異例の早さで、国営イラク通信がインターネットのホームページで英文書簡全文を公表した。単なる受諾ではなく、「怒りの受諾」であることを世界中に訴えるかのようだ。
しかし、受諾を決断したイラク指導部の行動は、これまで米国との関係で常に瀬戸際策をとってきた手法とは明らかに異なる。受諾の時期も、緊張が高まるのを避けるように、15日の期限を2日残し、さらに指導部による「重大発表」という形ではなく、国連事務総長に書簡を送付するという手続きを通した。指導部の顔は見えず、声も聞こえない抑えた演出だ。
それだけイラク指導部が追い込まれていることも示す。しかし、書簡では「大量破壊兵器は存在しない」と繰り返し、決議受諾を契機に進んで武装解除するような軟化の姿勢は全くうかがえない。自ら危機を生み出して主導権を握ろうとする「フセイン流」は、今後、査察の実施や米国の武力行使を巡って、国際社会のほころびが生じれば、すぐに再び顔を出すことになるだろう。
(11:58)