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(回答先: 対イラク強硬姿勢は選挙戦術か 投稿者 ビルダーバーグ 日時 2002 年 11 月 13 日 10:41:24)
> 「空耳」板に転載されたアサヒコムの国際戦略コラムの最新投稿「1074.イラク攻撃回避とイスラエル」は、小生の知見では、出色の出来です。
激しく同意。
増田氏の時事直言の内容が、基本的には同じ方向と考えますので、以下に貼り付けます。
ただ、最後の方で、日本が、戦争特需を受けるという意見を述べておりまうが、これに対しては、疑問です。
http://www.sunraworld.com/
増田俊男の時事直言!緊急直言 from Hawaii (2002年11月13日号)
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イラクを狙う白波五人男
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もう一度読者に念を押しておきますが、「アメリカにとっても世界にとってもイラクは脅威ではない」。今後の中東問題でこの真実を一時たりとも忘れてはならない。日本のマスコミやメディアは相変わらず、イラクの大量破壊兵器の脅威やサダム・フセインの独裁政治を議論しているがナンセンス!
今日の世界の「白波五人男」とは国連の常任理事国のアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国である。この五カ国が権謀術数を弄してイラクの原油を狙っている。その舞台である国連で列強五カ国は名台詞や奇麗事を言うが、それぞれ盗賊五人男に変りはない。
1991年の湾岸戦争以来、列強は国連の名のもとにイラクに経済制裁を課してきた。その理由は、イラクにはサウジに次ぐ世界第二の原油の埋蔵量があり、その採可年数は140年だから。アメリカの石油総消費量の40%をまかなっている米国内埋蔵量が2008年で枯渇することは1900年初頭から分っていたので、アメリカはアメリカなりに、イラクを支配することを計画していた。
だから列強達は将来この「宝の山」(埋蔵石油)から安価なコストで採油するため、サダム・フセインを悪党に仕立ててイラクに経済制裁を加え、イラク国民の生活水準を最低に抑えてきたのである。湾岸戦争(1991年)後の10年間、サウジを中心としたオペック加盟諸国の生活水準が向上して、ついに1バーレル25ドル以上でないと経済が維持出来なくなった。
アメリカも世界経済も1バーレル25ドルは受け入れにくい。特にアメリカがリセッションになった今では尚更である。今こそ取って置きのイラクの石油を掘る時が来たのである。湾岸戦争後、列強の間でイラクの石油に関して静かな利権争いが展開されてきた。
ロシアのルクオール社、フランスのトータルフィナ社、中国のCNPC社などが既にイラクの油田開発プロジェクトに参画している。これら三国は国連で対イラク完全経済制裁に反対して一部を緩和したばかりか、さらに100%制裁解除の運動を展開することにより、サダム・フセインから油田開発の利権を確保していたのである。
アメリカは、アメリカ軍をサウジに駐屯させておく理由から、サダム・フセインを悪党に仕立てる必要があったので、イラクの原油利権に手が出せなかった。この遅れを取り戻し、かつイラクの原油利権を一挙にアメリカのものにするのが今回のアメリカのイラク戦略である。
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アメリカにとって最も安全な国はイラク
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イラクはアメリカにとって最も安全な国である。なぜなら、アメリカとイギリスはイラク上空北緯33度線以北を飛行禁止区域に勝手に決め付けて監視を続け、少しでも違反すると首都バグダッド近郊にミサイル攻撃を繰り返しているからである。
イラクには、アメリカに届く射程距離のミサイルなど皆無。24時間アメリカの軍事監視衛星で1m四方監視されているので、イラクはアメリカに対して何も出来ない。
イラクはアメリカにとって世界一安全が保たれている国であることに誰一人として反対できない。一方イラクにとってアメリカは年中一方的にミサイル攻撃を仕掛けてくる世界一横暴な「ならず者国」である。アメリカの戦略は、この安全でやがて原油埋蔵量がNo.1になる国が危険な国だと嘘八百を内外に吹聴し、既にサダム・フセインから採油権を手にしているロシア、フランス、中国に対して「アメリカは単独でイラクを武力占領する。
そうしてお前らが権利を持っている油田をすっ飛ばしてやる」と脅すことである。アメリカの対イラク軍事行動のプレゼンス相手を間違えてはいけない。相手はサダム・フセインではなく、プーチン(ロシア)、シラク(フランス)、江沢民(中国)なのだ。今までイラクの油田開発に一切手が出せなかったアメリカは、他の三国を押さえ込んでイラク石油開発の主導権を手にしようと目論んでいる。
アメリカが今三国の意向を無視して単独で対イラク武力攻撃に踏み切れば、震え上がるのはサダム・フセインではなく三国の首脳たちである。さらに震え上がるのはオペック加盟国だ。アメリカがイラクに傀儡政権(ロンドンに本部を置いている)を作ったら、当然アメリカは新政府をオペックに加盟させない。
そこで1/4以下の価格で原油を売られたらサウジアラビア以下全オペック加盟国の経済破綻は確実。米英の単独イラク攻撃はフランス等列強三国にとっても、オペック加盟国にとっても、「大イスラエル主義」で領土拡大を目論むイスラエルにとっても、正に国家存亡の大問題なのである。イスラエルは過去に起こった数多くの中東戦争毎に領土を拡大してきたが、中東が平和になると必ず領土を失った。イスラエルは中東戦争礼賛国なのである。
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アメリカの中東戦争の日程
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11月8日採択された国連安保理決議1441によると、1)イラクは30日以内に総ての大量破壊兵器の開発計画を申告、2) 国連査察団は45日以内に活動再開、その60日後に安保理に報告、3)安保理は報告を受けて必要な措置を検討する、となっている。
アメリカは、イラクが査察に協力的でなかった場合や、査察の結果によっては、国連の検討を待たずに単独軍事行動を執ると宣言している。このことは今回フランス、ロシア、中国がアメリカの修正決議案に合意したからといって、イラク後(サダム・フセイン後の新傀儡政権)におけるイラク原油利権配分について、100%アメリカと三国が合意出来た結果とは言えない。
今後の査察の過程において米英軍の対イラク単独攻撃の可能性が生じる毎に、ロシア、フランス、中国はせっかくサダム・フセインから得た油田開発予定地が英米軍のミサイル攻撃のターゲットにされることになる。
アメリカは今後、事ある毎に三国を脅しながら、彼らの原油利権を奪っていくだろう。イラクの原油利権確保だけならアメリカはイラクと戦争をする必要は無い。三国を脅かすことにより全利権をコントロールできるからだ。
ところがアメリカは常にイスラエルの野望を満足させる義務を負っている。叶えなければ9/11並の事件が又アメリカで起きるからだ。従って原油利権と異なる全く別のイラク攻撃の圧力がアメリカにかかっているのである。
一方アメリカは今や完全にリセッションに陥っている。今日まで唯一消費を支えてきた住宅産業にはっきりと陰りが出てきた。グリーンスパンの0.5%の利下げも何の効果も無かった。最後の望みはアメリカの基幹産業である兵器産業。兵器産業はクリントン政権の平和主義のおかげで10年間リストラの連続であった。
今アメリカの兵器産業は長期中東戦争を待ち望んでいる。フセイン政権打倒を目指すクルード族ゲリラ組織の仕業に見せかけて、サダム・フセインを暗殺するのはいとも容易(たやす)い。
イラクに傀儡政権を樹立して石油利権をコントロールするのに一番コスト安で時間がかからぬ方法が、フセインの暗殺である。しかし絶対的有利な原油利権確保、シオニズム(大ユダヤ主義)の拡大、アメリカ経済不況脱出、150万人の軍人という名の潜在失業者救済、等々からアメリカはどうしても今後最低5年間は戦争する必要がある。
もう誰もアメリカを止めることは出来ない。日本は、1950年から始まった朝鮮戦争と続くベトナム戦争で今日の経済大国の基礎を作った。これからの5年間、日本は中東戦争特需で第二の繁栄期を迎えようとしている。