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10/18 15:01 米の「脱中東」に疑いの目　サウジ「逆ショック」も　外経406
共同
　アラブ諸国は、米国が昨年九月十一日の米中枢同時テロ以降、サ
ウジアラビアに依存して原油の安定供給を図る政策を見直そうとし
ていることに気付いているが、「脱中東」策の現実味については疑
いも抱いている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　同時テロの実行犯十九人中十五人を出したサウジに対してこの夏
、米国からは「同盟国に値しない」との強硬意見が噴出、サウジ側
も「米国との同盟関係は置き換え不能ではない」（アルリヤド紙）
と応じた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　米政府がイラク攻撃に傾く中、第二次大戦中から続く両国の戦略
的同盟関係の見直し論が相次いだことが、米戦略の劇的変更を疑わ
せる素地になっている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　米国は、イラクのフセイン政権を倒し民主的国家としての再生を
目指している。米国的な価値観とは対極にある非民主的なサウジと
の同盟関係を支えるのは石油だが、サウジの石油に頼る必要がなく
なれば関係見直しは可能だ。　　　　　　　　　　　　　　　　　
　サウジアラビア政府は表立った反応は示していない。ただ石油業
界筋の間では、米国が「サウジ離れ」を加速すれば、日量約三百万
バレル以上の生産余力を持つサウジが座視するはずはないという見
方もある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　サウジ原油依存からの脱却を米国に熱心に働き掛けているロシア
への対抗策として、サウジが一挙に石油生産を増やして価格を暴落
させる「逆石油ショック」を発動するのではないかとの観測も一部
にはある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　原油価格が暴落すれば、高止まりの現状に「世界で一番恩恵を受
けているロシア」（カイロ石油業界筋）だけでなく、フセイン体制
崩壊を経て国家再建に取り組まねばならない新生イラクにも大きな
影響が出る。エジプトの有力紙アルアハラムは「米国は結局、中東
原油にバイバイできない」と説いている。（カイロ共同＝木庭慎吾
）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（了）　　０２１０１８　１５００　　　　　　　　　　　　　　
[2002-10-18-15:01]

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