現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
(回答先: あまりにも“雑”であまりにも“政治的”な合意 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 17 日 22:43:59)
小泉の訪朝より前に、日本外務省に「4人生存6人死亡という拉致の資料が送られていた」と言う話があったらしいね。しかし、首相たる者が訪朝する前に、外交官の間で事務的準備が進められ、会談内容のほぼ全部が合意に達しているべきである事は、至極普通の事だね。それは、外交であれ、軍事的紛争であれ、同じだね。
如何に小泉が軽い存在の首相であろうと、外務省「事務方」で「拉致、行方不明」者の生死情報を受け取った事をもって、小泉訪朝がドタキャン可能な訳では無いね。予め、事務方「官僚機構」が、会談の「お膳立て」をする事になっていると言う事でね。これは、G7など「サミット会談」が、総じて形骸化している事の傍証でもあるだろうがね。
今度の会談で日本政府は、国交交渉の前提条件として、「拉致」疑惑回答を要求していたみたいだね。そして、その回答が外務省にたいしてあった。であるからには、小泉訪朝を「ドタキャン」する事も、できない。もっとも、「拉致」と言う用語は、日本国内か、アメリカの衛星諸国系メディアでしか報道し無い用語だろうがね。17日付のイギリス国営BBCサイト記事も、kidnappings誘拐、拉致だと述べているね。http://news.bbc.co.uk/2/hi/world/asia-pacific/2262074.stm
そして、この夏の日朝外相クラスの会談でも、日本が「拉致」と言う一方、北朝鮮は「拉致でなく、行方不明だ」と主張していたみたいだね。外相級会談でさえ、「拉致疑惑」を認めなかった北朝鮮が、サミット会談に至って、急に「拉致」と「自白」したと言えるかどうか。それは、やはり疑問だろうね。
金正日自信が、日本人拉致を「自白」し、謝罪したと言う話は、小泉が単独会見で言った話らしいね。しかし、これも、外務省で予め承知していた内容の筈だね。このあたりは、北朝鮮側の報道発表があれば、確実な会談内容が判明するだろうがね。
しかし、日朝の合意内容には、既に、日本が北朝鮮にたいして「植民地支配」の「謝罪や反省」をすると言う内容も含まれているらしいのだね。となると、北朝鮮からは、合意内容にかんして特段の発表も無い可能性は高い。そもそも、北朝鮮側は、今度の小泉訪朝も、日本政府が己の非を認めた形の、「お詫びの訪問」と見なしているみたいだしね。日本は日本なりのストーリーを語り、北朝鮮は北朝鮮なりのストーリーをかたると、言う具合でね。
これまでの流れからすると、遥々空路を謝罪に訪れた小泉と日本政府代表を、金正日が悠然と迎え、対立は過去の遺物だとか、植民地支配問題を許しましょうとかと、語ったかのようだね。少なくとも、金正日が金大中をわざわざ空港で出迎え、終始歓談した金金会談の雰囲気では、無かったみたいだがね。日本人は、このあたりの「温度差」を、再認識しておくべきだね。朝鮮人同士の外交と、日朝の外交では、「意思疎通」すら簡単で無いと言う事をね。
そのあたりで、日本と北朝鮮との間には、認識の差と言うよりか、「公式見解」の差は、あるみたいだね。それが、今後の日朝関係に、多大の緊張をもたらすだろうがね。しかし、小泉が、これ程短い「日帰り」訪朝をするとは、思わなかったね。トップ会談の時間も、通訳を除くと実質1時間位らしい。となると、この会談も、「事務方」の日程に合わせたような、形式的な物に過ぎ無いだろうね。
そして、ブレア政権の謀略放送局でもあるBBCは、拉致、誘拐と言う用語を使っているだけでは無いね。BBCは、更に、there is likely to be a furious reaction at homeと言っている。小泉の訪朝で、「“政治的”な合意」が発表された事が、逆に、小泉を日本の国内で窮地に追い込むだろうと言っているのだね。いずれにしろ、小泉は、「拉致、行方不明」問題の政治判断から、「拉致」行為を「放置」し、国交回復だけを進めるつもりだとの日本人自身からの非難を浴びるだろうね。
小泉の発表からすれば、日朝は、「拉致」疑惑を「棚上げ」し、共同宣言の合意に達した事になるね。その上で、「植民地支配の決算」つまり「謝罪と賠償」をすれば、小泉が、反北朝鮮感情の国会議員らから、総攻撃を受ける事は、明らかだ。拉致被害者家族と言うよりか、自民党内の反「北」国会議員が中心となり、反小泉の狼煙が上がる。これは、確実な事だろうね。それをも、「抵抗勢力」と呼べるかどうかね。
小泉や日本外務省は、自民党内の族議員などから、この手の反発が出る事は、承知していた筈だね。或いは、そういう問題を知りながらも、日本は、政治的かつ外交的に妥協せざるを得ないような、何らかの弱みを北朝鮮に握られていると言う事だがね。「北スパイ船」問題も、具体的な議論すら、され無かったみたいでね。これは、「言った、言わない」論になるだろうね。
小泉訪朝は、「拉致、行方不明」問題を、なんら解決できずじまいだったね。と言うよりか、さらに複雑にしてしまったと言えるだろうね。同様の疑問は、「不審船」と呼ばれている、「北朝鮮スパイ船」問題についても、言える。そのあいだにも、アメリカ国防長官ラムズフェルドは、北朝鮮は核兵器を持っていると言う発言をし、日米韓朝の緊張をあおっている。小泉の「棚上げ」会談は、極東アジアの緊張をあおるだけだと言う所以だね。