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日朝首脳会談:補償問題は日韓方式前例に 「毎日新聞」 投稿者 ほくめん 日時 2002 年 9 月 14 日 01:43:20:

(回答先: 北朝鮮、米朝対話の橋渡し要請へ 日朝首脳会談で 「asahi.com」 投稿者 ほくめん 日時 2002 年 9 月 14 日 01:27:26)

17日の日朝首脳会談で議題となる植民地支配に伴う「補償」問題は、経済協力方式で合意する見通しだが、戦後処理をめぐる日本とアジア諸国の交渉は、さまざまな方式で決着してきた。北朝鮮との間の「補償」は、同じく植民地支配の清算をした65年の日韓正常化がベースだ。南北朝鮮の双方と「過去の清算」が決着することで、日本の戦後処理にも大きな区切りがつくことになる。

 日本の戦後処理の基盤となったサンフランシスコ講和条約(52年発効)は戦勝国の対日請求権放棄を決めたが、放棄に応じなかったフィリピン、ベトナムとは個別に賠償協定を締結した。条約に非参加のビルマ(ミャンマー)、未批准のインドネシアとも協定を結び賠償金を支払った。

 韓国は日本と交戦状態になかったため同条約参加を認められず、日韓正常化交渉は財産請求権が主なテーマとなった。

 韓国は韓国に残された植民地時代の日本の財産を認めず、日本に対しては郵便貯金や日本国債などの財産の返還を要求した。日本は自らの財産請求権放棄には応じる考えを示す一方、韓国に対して詳細な財産算定資料を求め、資料の散逸で算定が不可能であることを分からせる戦術をとった。このため韓国も結果的に財産請求権を放棄せざるを得ず、日本側が事実上の「補償」として提案した総額5億ドルの経済協力(無償3億ドル、有償2億ドル)を受け入れた。

 日本は過去の日朝交渉でも同様のシナリオによる決着を目指した。北朝鮮は事実上の賠償である「補償」を要求してきたが、今回の首脳会談に向けた事前折衝ではこの主張を取り下げる意向を日本側に伝えている。

 戦後補償問題に詳しい高崎宗司・津田塾大教授が「日韓交渉での韓国に比べて北朝鮮の(算定額積み上げなどの)準備不足の印象は否めない」と指摘するように、北朝鮮にとっても、財産請求権放棄と経済協力をセットにした日韓方式で決着させるのが、唯一の現実的な選択肢といえる。

 一方、国交正常化の形態については、日韓のように条約批准をもって正常化するケースや、共同声明で正常化を宣言し、その後、平和条約を締結した日中方式がある。日朝の場合は、財産請求権放棄という国民の権利義務にかかわる行為が生じるため、共同声明ではなく、日韓と同じように条約批准をもって正常化とみなす運びとなる。 【三岡昭博】

[毎日新聞9月13日]

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