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07/25 16:43 中央アジア駐留は長期化 米軍、対中けん制も視野に 外信61
共同
独立から十年を経た中央アジア諸国では、昨年九月の米中枢同時
テロを機にアフガニスタンで作戦を展開する米主導軍が駐留を続け
ている。二十八日のカリモフ・ウズベキスタン大統領来日を前に、
中央アジア三カ国の顧問で、最近もウズベクとキルギスを訪れた田
中哲二氏に現地の情勢を聞いた。(共同=佐々木健)
―米軍などが駐留するキルギスのマナス空港の様子は。
「二千人弱の外国軍が駐留し半分が米軍。当初の駐留の取り決め
は一年で、あと半年だが大型ブルドーザーで基地の拡張工事をして
いる。米軍は現地住民とのトラブルを避けるため兵士を極力街に外
出させないような配慮も見せている。駐留はとてもあと半年では済
みそうにない。当然長引くと見るべきだ」
―米軍が中央アジア諸国に駐留する狙いは何か。
「もともとはアフガンのタリバン、アルカイダ制圧が目的だった
と思うが、マナス空港は中国国境までわずか二百五十キロ。米軍は
中国へ圧力をかけるための基地を同時に手に入れた形。イラク攻撃
の際の後方支援基地としての狙いもあり得る。米軍は対テロでフィ
リピンにも展開しており、中国は南北から挟まれすごくいら立って
いるはずだ」
―中央アジア諸国が駐留を受け入れた理由は。
「米軍が駐留しているのはウズベクとタジキスタン、キルギスの
計三カ国。最初に協力を表明したウズベクの狙いを端的に言えば、
第一に米軍の支援で反政府イスラム過激派を掃討すること。第二に
、米国のとりなしで国際通貨基金(IMF)の援助を受けること」
「だが、昨年十一月にタリバンの戦闘に参加していたウズベキス
タン・イスラム運動のナマンゴニ野戦司令官が空爆で消息を絶ち、
IMF調査団も再派遣された。狙いがほぼ達成されたこともあり、
米国への協力姿勢は最近ややトーンダウンしているように見える」
「一方、アフガンと国境を接していないキルギスの目的は経済的
な利益。駐留費用のほか、航空機が一回発着するごとに七千ドル(
約八十万円)が米国などから払われ、六月までの発着回数は延べ約
千回というから、同国にとってかなりの収入になっているはず。同
国の米軍基地はまだ拡大する可能性が大きい」
× ×
田中哲二氏 1942年6月埼玉県生まれ。東京外語大中国語学
科卒。67年日銀入行。国際局参事などを経て、93―95年キル
ギス中央銀行最高顧問。現在は同国大統領経済顧問、カザフスタン
大統領府戦略計画庁顧問、ウズベク銀行協会顧問などを兼任。
(了) 020725 1642
[2002-07-25-16:43]