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(回答先: Re: 「石油を制する」ためには「産油国イスラムを制さなければならない」 − 石油が目的なのではなく通貨的“富”が目的 − 投稿者 どうもと 日時 2002 年 7 月 20 日 18:05:19)
どうもとさん、レスありがとうございます。
>言語的な個々の論理展開など、あっしらさんにとっては反論があるかと思いますが、
>アメリカについて全体の流れの中で考えてみた私の投稿です。
反論と言うことにはなりますが、どうもとさんが投稿された内容を基に自分の考え方を書いているといったものです。
>>「対テロ戦争=対イスラム戦争」
>「対テロ戦争=対イスラム原理主義戦争」(テロ組織のみ)の方が正確だと思います。
国家を支配していないテロリストや権益対象の国家統治を脅かさないテロリストを、攻撃の対象にする必要はありません。
さらに言えば、アラブ産油国の統治者が気に入らないわけでもなく、アラブ産油国の“国家統治の在り方”が気に入らないのです。
そして、気に入らない国家統治の在り方が、イスラム法なのです。
だからこそ、「対イスラム戦争」と定義しています。
イラクが主要な敵ではないと言うのも、イラクは、イスラム法国家ではなく、近代法国家だからです。
>>アフガニスタン虐殺戦争では、「そのようなリスクとコストの高い方法」を「計算
>>高いアメリカ」が取っています。
>>アフガニスタンをカスピ海周辺の天然資源をインド・アジア方面に運び出す経路と
>>考えているのなら、パイプライン敷設地域を掌握していたタリバン政権を活用する
>>方がずっと合理的=掲載高い方法です。タリバン政権とはパイプライン敷設で経済
>>的交渉が可能というか契約寸前まで進んでいたのです。
>―この問題にはテロリズムが絡んでいます。
タリバン政権は、イスラム法国家を志向していましたが、テロリズムを志向していたわけでありません。
また、ウサマ・ビンラディン氏などのアルカイダグループについても、彼らがテロリズムを志向していたとしても、アフガニスタンという片田舎に押し込まれた状態で、せいぜいチェチェンやカシミールで活動できるというほうが重宝です。
彼らが組織だっていられる領域はアフガニスタンしかなかったのです。
ビンラディン氏の目標は、サウジアラビアからの米軍追放というものに集約できます。
アフガニスタンに寄宿した状態で、その目標に向けた活動さえできない状況に置かれている彼らの非力さは推して知るべしです。
>投稿タイトルの「『石油を制する』ためには『産油国イスラムを制さなければなら
>ない』」ですが、産油国イスラムを制さなくても、さしあたって原油覇権を握るこ
>とができれば、アラブ産油諸国はアメリカに擦りよってきますよ。「米ロ石油連合」
>が生産量と埋蔵量でOPECに取って替わることができなくても、世界の原油価格に
>は大きな影響力を持つことができます。
石油の価格支配も重要ですが、否応なく産油国に支払わなければならない採掘料などをどう“回収”するのかが究極の産油国対策です。
「アラブ産油諸国はアメリカに擦りよってきますよ」と言われますが、これまでも既に擦り寄っている話で擦り寄らせる必要はありません。
重要な点は、アラブ産油諸国の統治者自身は自己の権益を確保するために米国にさらに擦り寄ってもいいと考えても、ある一線(イスラム法による国家統治)を超えた擦り寄りは政治的にできないということです。
それは、統治者としての存在を危うくさせるものだからです。
サウジアラビアなどの石油権益まみれの統治者がそうであっても統治者でいられるのは、イスラム法に則った統治を行っているという最後の支えがあるからなのです。
イランは、統治者そのものが、ある一線(イスラム法による国家統治)を超えた擦り寄りには踏み切らないでしょう。