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【カイロ小倉孝保】
16日の中東和平4者協議で、アラファト自治政府議長排除を目指す米国のもくろみが実現しなかったことは、当面、親米アラブ諸国には”追い風”だ。だが、18日、ワシントンではエジプト、ヨルダン、サウジアラビアのアラブ3カ国外相とブッシュ米大統領との会談が予定されており、アラブ3カ国は、改めて議長排除への協力を迫られる見通しだ。政治、経済面で米国の強い影響下にあるこれらアラブ諸国が、どこまで米国の圧力に抗し切れるかが議長の命運を左右しかねない。
アラブ外交筋の話では、これら3カ国首脳は米国から「議長外し」に協力するよう圧力をかけられている。このため、表面上は議長排除に反対するものの、首脳らの間には「議長排除もやむ無し」との認識が広がっていたことも事実だ。15日、ムバラク・エジプト大統領と会談したベンエリエゼル・イスラエル国防相は「大統領は議長とは交渉できないとするイスラエルの立場を理解してくれた」と語ったほどだ。
アラブ民衆の間では、イスラエルの入植地政策を批判せず、パレスチナのテロばかり非難するブッシュ政権への反発が圧倒的に強いのも事実だ。
一方、今回の4者協議にアラブ諸国から親米3カ国だけが出席したことに、カタールの日刊紙「アルラヤハ」は「アラブ内の信頼の危機」と報じた。
同紙などによると、アラブ連盟は4者協議を前に、カイロで12日行われた外相級会議で対応を協議。この席上、シリア高官は「3カ国は自国の立場を訴えてもよいが、アラブ総体としての立場を主張すべきでない」とくぎを刺した。親米アラブ諸国の苦悩は続きそうだ。