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<南京大虐殺>旧日本軍の元兵士102人を調査 近く出版 大阪
日中戦争で南京攻略戦にかかわった旧日本軍の元兵士102人から、大阪府の市民団体「南京大虐殺60カ年全国連絡会」が聞き取り調査を行った。元兵士の証言はこれまで一部しかなかった。兵士ではない女性や子どもを無差別に殺し、捕虜の虐殺、性暴力、食糧などの略奪を繰り返したことを生々しく証言している。「南京戦・閉ざされた記憶を尋ねて」と題して社会評論社から近く出版する。
証言した元兵士は、1937年からの南京戦に参加した9個師団のうち、第16師団の歩兵第33連隊(三重)と第38連隊(奈良)を中心に第9師団歩兵第36連隊(石川)などに所属していた。地域の戦友会などを通じて捜し出した。いずれも南京が陥落し、その後、大規模な虐殺があったとされる同年12月13日前後に南京に入っていた。
「南京では家の中にドンドン弾を撃ちこんだ。草場の中でも壁の裏でも動いとるもんは撃った。オイと声をかけてポンと撃つ、ポンコロや」と、第16師団にいた86歳の元兵士は語った。
特に激しい戦闘があった南京城内では、「難民収容所にも入り、屈強な男は引き出して殺した」。南京陥落後も残虐な行為は続き、「年寄りも子どもも一緒くたにして300〜400人捕まえてきて地雷を引いてドンと爆発させた。城壁の上からガソリンをまいて火をつけて燃やした」などの証言も得られた。
「徴発」と呼ばれた略奪行為については、「現地では豚でも鶏でも取るのは当たり前だった」と、多くの人が「やった」と打ち明けた。「分隊でクーニャン(若い女性)を飼った」などと、悪びれずに話す人が多く、性暴力は常態化していたという。
「揚子江に飛びこんだ5、6人を機関銃で撃った」と証言した第16師団の元兵士(86)は、「新聞で書いている虐殺なんか信じへんな」と、反省の様子はない。同じ師団の元兵士(86)も「戦争についてはどうも思わん。侵略とも思わん」。
同会共同代表で小学校教諭の松岡環さん(54)は、「心から反省している人はむしろ少ない。戦争だったのだから仕方がないと言う人が多く、ショックでした」と話した。 【高村洋一】(毎日新聞)[7月13日22時40分更新]