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『亜空間通信』290号(2002/07/01)
【プロパガンダ準備911謀略の中心にエシュロン=アメリカ国家安全保障局NSA?】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
本日(2002/07/01)から4日前(2002/06/27)、以下に抜粋する通信を発したが、その中には主題の「オニールの死を巡る怪奇物語」の下に、拙訳すると「911向け流言(プロパガンダ)の準備」を意味する英文記事の題名が並んでいた。副題の位置である。
『亜空間通信』285号(2002/06/27)
【ラディン捜査主任・双子ビル警備主任・FBI副長官オニールの死を巡る怪奇物語】
[中略]
The mystery surrounding the death of John O'Neill:
The Propaganda Preparation for 9/11
by Chaim Kupferberg
以上で引用終わり。
拙訳の題名、「911向け流言(プロパガンダ)の準備」の原文は、以上の抜粋の内の終わりから2行目、The Propaganda Preparation for 9/11、である。
上記の記事は典型的な「911事件のアメリカ極右による自作自演」説である。だから当然、この題の具体的な意味は、とりもなおさず、911事件の謀略を準備した極右集団が、事前に「流言(プロパガンダ)」を準備しておいて事件発生と同時に広め、情報の流れの混乱を起こすことによって恐慌状態を作り出す情報操作を行い、謀略の効果を高めようとしたという主旨である。
「プロパガンダ」という言葉に関して私は、拙著『湾岸報道に偽りあり』の第1部の冒頭で、つぎのように簡略に解説した。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-ex.html
プロパガンダという「言葉」について、イギリスのグラスゴー大学で「プロパガンダ論」を講義したという元広告会社専務取締役オリヴァー・トムソンは、著書『煽動の研究/歴史を変えた世論操作』の中でこう説明している。
「この言葉は、十六世紀にローマ・カトリック教会がプロテスタントの攻撃に直面して、コミュニケーション(布教)の方策の見直しをはかったときに新たにつくられたものである」
手元の英和辞典をめくると、プロパガンダの項には確かに「布教」の訳語もある、終わりの語源説明の[NL]はネオ・ラテンの略号であり、西暦一五〇〇年以後に造語された「近代ラテン語」という意味である。
CIAのプロパガンダ作製の秘訣は、三〇%の真実を加えることだそうである。つまり、残りの七〇%は嘘ということになる。本書の冒頭に紹介した「誠は嘘の皮、嘘は誠の皮」ということわざに従えば、三〇%の「誠の皮」で七〇%の「嘘」をくるんで相手をだまし、まんまと食わせしまうわけである。
今や、「プロパガンダ」の意味として最適なのは「意図的な流言」である。訳語としては「流言飛語」が適当であろう。
日本の歴史上で、もっとも有名な「意図的な流言飛語」は、関東大震災の際の「朝鮮人暴動説」である。発生源は内務省警保局だった。
拙著『読売新聞・歴史検証』参照。その部分は、以下で電網宝庫発表中。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/sinsai.html
「関東大震災・報道検証」
関東大震災の直前には、日本が併合と称して植民地化していた朝鮮で、3.1.独立運動が勃発していた。朝鮮人への弾圧の機会を伺っていた内務省が、震災を絶好の機会として利用したのである。
さて、911事件に関しては、「意図的な流言飛語」に分類できる情報が、まさに裸の猿の史上最大、桁外れに増発された。欧米の「情報機関」または「秘密情報機関」のほとんどは、アメリカのCIAを著名な典型として、「諜報機関」からさらには「謀略機関」に変じている。それらの中でも実は最大の規模を誇るのが、アメリカ軍の内部の組織、国家安全保障局(NSA)なのであるが、極秘の軍事機関なので実態を知る者は少ない。
私は、拙著『湾岸報道に偽りあり』の巻末資料の「情報機関関係」の中に『パズル・パレス--超スパイ機関NSAの全貌--』(早川書房、1687)を記した。原本はアメリカ人研究家による数年間にわたる大労作なのであるが、訳本は当時すでに絶版となっていた。NSAは、「信号都市」の異名を持つ巨大な地下要塞にスーパー電算機を何台も連ねて、世界中の「信号」(いまならデジタル)を収集しては徹底的に分析する組織である。
ところが、最近、このNSAが中心となって、エシュロン(原義は編隊)と呼ばれる英米中心の国際組織を作り、欧州での産業スパイまで始め、欧州の抗議の声が高まったので、漸くにして、日本でも批判的な議論が始まった。
このエシュロンの名が、実は、911事件発生の直後、何と、日本の大手新聞の紙面に出ていたのである。私は、この記事の複写を事件直後に友人から貰っていたのだが、デジタル版が入手できず、貰ったものも複写の複写で画質が悪かったので、忙しさに取り紛れ、放置していた。私は、これが、その後の「事前情報云々」の原型の一つなのではないかと推測している。911本作成の都合上、ついに追い込まれ、やっと一昨日になって、図書館で探して、複写し、機械で読み込み、校正した。疲れることである。以下が全文である。
『産経新聞』(2001.09.13)
テロ計画
「エシュロン」察知
ビンラーディン氏周辺
メール・携帯電話を傍受
最後に分析誤る
【ロンドン12日=野口裕之】英米関係筋は12日、米情報当局が今回の米中枢同時テロを前に、英米両国などが共同運用する国際規模の通信傍受・分析網「エシュロン」を駆使してテロの黒幕とされるウサマ・ビンラーディン氏の周辺者の動向をつかみ、テロが近いことを察知しながら最終段階で裏をかかれていた事実を明らかにした。
同筋によると「早い段階で、同氏の周辺者の電子メールや携帯電話に「"エシュロンの網"が仕掛けられていた」という。その結果、インド国内でのイスラム原理主義者によるテロ計画」が発覚。米国のインド政府への通告により六月二十日過ぎ、数人の原理主義者が身柄を拘束された。その後の取り調べで、日本をはじめ韓国、フィ1リピン、東欧での米国・米軍施設へのテロ計画が明らかになった。九月六日には、この計画の一部が、米国から日本政府に対しても通告され、翌七日に公表されている。
ところが、結果は十一日の米中枢同時テロという最悪の事態となった。この点について、同筋はインド国内で拘束された原理主義者の供述に、結果的に米国がだまされた」と証言。拘束された原理主義者が、米国を含めない誤った情報を故意に流した--との可能性に言及した。また、ビンラーディン氏周辺の計画では、日韓両国やフィリピン、東欧に加え、米国もテロ対象だったが、米国でのテロ計画が漏れていないことを察知した同氏周辺が、テロ対象を米国に絞った可能性もあるという。
さらに、米国は「仮にテロがあつても、八日のサンフランシスコでの講話条約五十周年記念式式典が最大のヤマ場」とみており、この点を含め、同筋は「どこで分析を誤ったか検証の必要がある」としている。
同筋によると現在、英米情報当局では、テロに対する報復の正当性を裏付けるため、「証拠がため」に全力をあげている。だが、英米両国が「国際社会を納得させるため、情報・証拠をどの程度開示する・できるかは、情報収集能力露呈に直結するだけに、慎重な検討が加えられる」同筋)ものとみられる。
以上。
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木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
ある時は自称"嘘発見"名探偵。ある時は年齢別世界記録を目指す生涯水泳選手。
木村愛二書店(↓):木村愛二作品の本とヴィデオを電網宝庫で特価販売
http://www.jca.apc.org/~altmedka/hanbai.html
E-mail:altmedka@jca.apc.org
URL:http://www.jca.apc.org/~altmedka/
altmedka:Alternative Medium by KIMURA Aiji
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電網速報『亜空間通信』(2001.09.01.創刊 2002.04.01.現在290号発行済)
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