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05/28 18:29 中国が身柄引き渡し要求 北朝鮮住民の庇護権認めず 外信64
【北京28日共同】中国外務省の孔泉報道局長は二十八日の定例
会見で、北京の韓国大使館領事部に朝鮮民主主義人民共和国(北朝
鮮)の住民三人が亡命を求め駆け込んだ問題で、中国政府が韓国側
に対して三人の身柄を中国側に引き渡すよう要求したことを明らか
にした。
身柄引き渡しの根拠として孔報道局長は「国際法と中国の法律に
基づき、外国公館は第三国の公民を庇護(ひご)する権利はない」
と述べた。一連の北朝鮮住民による外国公館への亡命事件で、中国
が外国公館に庇護権がないことを理由に身柄引き渡しを求めたのは
初めて。
相次ぐ亡命事件の対策に手を焼いている中国が新たに国際法上の
原則を持ち出して、亡命希望者ら当事者に事前に圧力をかけ、駆け
込みを未然に防止する狙いがあるとみられる。
日本の外務省法規課によると、国際法の一般的解釈は、外国公館
に第三国国民を庇護する権利は認められていないが、当事者の生命
に危険が生じる恐れがある場合は例外的に庇護権が認められる。
北朝鮮住民の場合は、この例外ケースに該当するかどうかが議論
の分かれるところとなろう。三人をめぐる中国政府との協議で韓国
側は人道的な処理を求めているが、庇護権をめぐり協議が難航する
可能性が出てきた。
中国は今回の三人のケースに限らず、今後発生するすべての亡命
申請事件で同様に身柄引き渡しを求めていく方針とみられる。
(了) 020528 1829
[2002-05-28-18:29]