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(回答先: 印パ首脳に懸念表明:フランス大統領府 「NIKKEI NET」 投稿者 ほくめん 日時 2002 年 5 月 26 日 22:34:26)
【ニューデリー26日=佐藤浅伸】
インドとの軍事緊張が高まる中、パキスタンがミサイルの発射実験を立て続けに実施したことで、事実上の核保有国が対峙(たいじ)する南アジアが依然、世界の“火薬庫”であることが浮き彫りとなった。通常兵力で圧倒的不利な立場に立つパキスタンにとって、核兵器はインドと伍(ご)して戦うための唯一、最後の切り札だ。両国の最大の懸案であるカシミール紛争が続く限り、核弾頭の運搬手段であるミサイル開発競争に歯止めがかかることはないだろう。
「インドはパキスタンを不安定化させたいのだ。パキスタンがこびへつらう存在になるのを望んでいる」
パキスタンのムシャラフ大統領は米ワシントン・ポスト紙(26日付)との会見でそう語った。
インドから分離独立後、3度の戦争でいずれも敗れたパキスタンには、いつかインドに吸収されるのでは、という潜在的な恐怖心がある。大統領の言葉にはインドに対する過剰なまでの対抗心がうかがえる。
パキスタンの正規軍はインドの126万の半分に満たない62万。戦車、戦闘機の保有台数もインドの約半分で通常兵力では大きく水をあけられている。
中国を仮想敵国とするインドは、パキスタンに先んじて1980年代にミサイル開発に着手。短距離ミサイル「プリトビ」を実戦配備したほか、99年に核弾頭搭載可能な中距離弾道ミサイル「アグニ2」(射程約2000キロ)の発射実験を成功させた。
これに対し、パキスタンもインドを攻撃目標に据え、短・中距離のミサイル開発を進め、99年に中距離弾道ミサイル「ガウリ2」(射程約2000キロ)の発射実験を実施、両国が互いを射程内に置いた。
通常兵力では劣るパキスタンだが、ことミサイル開発に関しては、それほど見劣りはしない。独自開発路線のインドに対し、パキスタンは中国、北朝鮮から技術供与を受けたとみられるからだ。「ガウリ」は北朝鮮のノドン、別の短距離弾道ミサイル「シャヒーン」は中国のM11ミサイルそのものとの見方もある。
さらに、ミサイル実験自体が、政情の安定しない印パ両国のそれぞれの内政や世論対策に利用されている側面も否定できない。
インドの軍事評論家ラジャ・メノン氏(62)は「発射実験成功がすぐに配備に結びつくものではないが、両国の教育水準は低く、世論は感情に流されやすい。両政府はミサイルを世論とりまとめに利用しているのだ」と指摘している。
(5月26日22:22)