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【ニューデリー２５日＝佐藤浅伸】
パキスタン政府は２５日、核弾頭搭載可能な中距離弾道ミサイル「ガウリ２」（国内での開発名称はハトフ５）の発射実験に成功した、と発表した。パキスタンは、２８日まで一連のミサイル発射実験を行うと発表、インド政府にも通告していた。
インドとの軍事緊張が高まる中での発射実験は、パキスタンの対インド核攻撃の能力を国内外に誇示する意味が込められているとみられる。実験に対し、インドの国防省報道官は２５日、ＡＦＰ通信に「特別な印象はない」と述べたが、同国内で反発が強まる可能性もある。
ガウリ２の発射実験は３回目で、１９９９年４月以来、３年１か月ぶり。政府発表は「ガウリ・ミサイルは非常に正確に弾頭を運搬することができる」としている。北朝鮮のテポドン・ミサイルをベースに開発されたとみられ、推定射程は約２０００キロで、インドのほぼ全域を射程圏内に収める。パキスタン高官がＡＦＰ通信に語ったところでは、ミサイルはパキスタン北部から発射されたという。
パキスタンは今月中旬には発射実験の準備を整え、ムシャラフ大統領の指示待ちの状態だった。インドは表向き静観の構えを見せているが、警戒感を強めることは必至だ。
インド、パキスタン両国は、インド北部ジャム・カシミール州で住民ら３４人が死亡した今月１４日のイスラム過激派襲撃事件を機に緊張が激化。インドのバジパイ首相が「決戦の時が来た」と述べており、本格的な軍事衝突を懸念する声が国際的にも高まっている。
(5月25日13:56)

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