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【レイキャビク14日=鶴原徹也】
北大西洋条約機構(NATO)外相理事会が14日、2日間の日程でアイスランド・レイキャビクで始まった。NATOとロシアがテロ対策など共通課題に関し、評価・作戦立案・決定を「対等の立場」で行うことを掲げる「NATOロシア理事会」の創設で最終合意する予定。昨年9月の米同時テロで顕在化した国際テロという21世紀の脅威に、結束して対抗するための新機関だ。限定された領域で協調し、国際新秩序構築を目指す。
ロバートソンNATO事務総長は会議の冒頭、NATOロシア理事会に言及し、「NATO加盟国とロシアの計20か国が対等の立場で参加し、共通の関心事項について議論し、決定する。歴史的、革命的な一歩だ」とし、「北米、欧州、そしてカフカスから中央アジアにまたがる民主諸国は、我々すべてが直面する脅威に対抗するため、緊密かつ効率的に協調しなければならない」と強調した。
NATOロシア理事会は14日の会議で創設で最終合意し、28日にローマで開かれるブッシュ米大統領、プーチン露大統領らが参加するNATO特別首脳会議で発足する予定。
NATO・ロシア間には、1997年設置の常設合同理事会がある。共通関心分野での意思決定機関とされたが、実際にはNATOの決定事項をロシアに伝えるだけで、ロシア側には「NATO19か国対ロシアの場」との不満があった。
新理事会は、ロシアの発言権を保証し、テロ・大量破壊兵器拡散・平和維持・地域紛争など、関心・懸念を共有する特定事項について、名実ともに共同決定の場とする。ただ、ロシアの拒否権は認めない。NATOはそれ以外の一般分野については従来通り、加盟19か国で協議・決定する。
NATOは今年11月、プラハで開催する首脳会議で、旧ソ連圏諸国への第2次拡大を決める。バルト3国を含む9か国と加盟交渉を進めており、今回のNATO外相理事会の場では、交渉の進ちょく状況、加盟基準の設定などの問題を協議した。ロシアとの関係緊密化には、拡大を円滑に行おうとするNATOの意図もある。NATO・ロシア関係は、対テロ戦争での協調を通じて緊密化、昨年12月のNATO外相理事会の際、NATOロシア理事会創設で原則合意した。
(5月14日22:15)