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(回答先: Re: 米国の景気は後退する 投稿者 ビルダーバーグ 日時 2002 年 6 月 19 日 13:11:33)
基軸帝国主義については、大内兵衛氏の子供で東大教授だった大内力氏があちこちで論じています。米国債の乱発行はいわば、一種の「飛ばし」であり、また、「債権放棄」のようなものです。もちろん、1企業でこのようなことを行えば、経営者の退任や、粉飾決算として刑事訴追が行われるわけですが、国家の場合は、国家より上位の権力はないわけですから、別にペナルティは貸されない。どうあしても、辻褄が合わなくなれば、恐慌→戦争という形で矛盾が噴出する、というか、処理されるわけです。
この場合、米国のみが、現時点では世界通貨というか、基軸通貨のドルを握っており、また、アフガンのように、米国の意向に異を唱える国に軍事侵攻し、政権をひっくり返すか、占領してしまう軍事力を有しているため、経済原則に反するような米国債の引き受け等の無茶苦茶も押し込むことができるわけです。このように、軍事力等が経済過程に介入して影響を与える状態を「国家独占資本主義」というわけです。国家と独占資本が相互浸透して経済過程や国債貿易が大きく捻じ曲げられる傾向をこのように名づけたわけです。米国は第2次大戦で、世界の富をほぼ独占するというスーパー定刻主義になったため、米国の通貨にすぎなかったドルが世界通貨になり、国際間の決済の大半が「ドルベース」で行われるようになったわけです。ベトナム戦争で米国がかなり疲弊したため、変動相場制に移行しましたが、20世紀を通じて、この米国の世界支配は大きくは揺るがず、ライバルだった旧ソ連の崩壊もあって1極主義というか、ユニラテラリズムといわれる現在の状態になっているわけです。「グロバル・スタンダード」もこの米国の突出、世界支配力に他の国も従え、というか、「我々の基準に合わせよ」という主張を多少、美化して言うているだけです。
この米国の1超支配がいつ、どういう形で終焉するか、という点こそ、21世紀の最大の問題でしょう。米国支配を突き崩しそうなのは、イスラムと中国でしょうが(現時点では)、ダブヤ政権の愚かしさもあって、混乱と米国の衰退は早まり、かつ複雑化しそうです。日本の最大の問題は、こういうプロセスの検討と対応すらほとんどなされてない、という点でしょう。米国といっしよに沈みたい人はそれでかまわないでしょうが、そうでない人は「脱米国路線」について、(それは必ずしも親中国ということではありませんが)、英知を結集すべきでしょう。