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06/19 15:56 同時テロを機に独立派掃討 「米軍に感謝」と当局者 外信67
共同
かつて「西域」と呼ばれ、シルクロードの面影を今も残す中国最
西端の新疆ウイグル自治区。少数民族の独立運動を抱えるため厳し
い取材制限があるが、中国外務省はこのほど、昨年九月の米中枢同
時テロ後初めて外国人記者団に取材を許可した。中央政府のテコ入
れで発展を目指す一方で、反テロ闘争など時代の波に揺れる砂漠の
オアシス都市の現状を報告する。
「ほとんどの住民が平和を望んでいるのに、ごく一部の独立派が
テロ事件を起こしている」
少数民族のウイグル民族が七割を超える同自治区西部アクス区の
オマルジャン区長(ウイグル民族)は記者団にこう強調した。
同時テロをきっかけに、新疆独立派約千人がアフガニスタンで、
同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏らの指揮下でテ
ロ訓練を受けていたことが判明。中国軍は米の軍事行動後、自治区
がアフガン、パキスタンなどと接する国境周辺を徹底捜索、独立派
掃討を進めた。
新疆ウイグル自治区政府によると、同時テロ以降、自治区内で起
きた独立運動絡みの犯罪は今年五月、南部ホータンでイスラム教過
激派が起こした学校長殺害事件一件だけ。「米軍事行動以降、自治
区内の独立派の動きも沈静化し、米軍に感謝している」とアクス区
の劉進喜副区長(漢民族)。活動家は農村出身の低学歴者が多く、
ビンラディン氏らに扇動されているという。
同自治区は中国建国前に「東トルキスタン」として独立を宣言し
た歴史がある。一九九○年代に入り、ソ連崩壊後の中央アジア諸国
の独立などに刺激され運動が活発化。中国政府は、九○年から二○
○一年までに起きたテロ事件は二百件を超えたと発表している。
独立運動に頭を痛める中国政府にとり、同時テロは、独立派を「
テロリスト」として封じ込める好機ともなった。
爆破されたバス。その横で血まみれの子供。刃物で首を突き刺さ
れた車引きの男性…。自治区政府は記者団に九○年代に独立派が起
こしたとする事件を記録した、むごたらしいビデオ映像を初めて公
開した。
一般の住民に対してもビデオなどで「反テロ」教育が展開されて
いるが、あるウイグル民族の住民は「テロ行為だけ強調して運動の
背景に一切触れない」と不満を隠さない。また「学校など公共施設
でイスラム教の礼拝が認められていない」と付け加えた。
一週間の取材期間中、治安は予想以上に良いという印象を受けた
。だが安定は厳しい取り締まりや管理に支えられている。(アクス
共同=塩沢英一)
(了) 020619 1556
[2002-06-19-15:56]